冬にカニを食べるなら北陸がおすすめ!食べ放題できる店3選

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Nov 3rd, 2020

そろそろカニがおいしい季節になります。カニといえば日本海側を中心に各地で楽しめますが、越前ガニを筆頭に北陸3県もカニの産地として、全国屈指の充実度を誇ります。そこで今回は東京方面から新幹線1本で行ける北陸で、カニをとことん食べ尽くせる場所を紹介します。

越前ガニ
越前ガニ image by 福井県観光連盟

東京方面からカニを食べにいくなら、やはり北陸がいい理由

石川県のズワイガニ
石川県のズワイガニ(加能ガニ)image by 石川県観光連盟

カニといえば、どの名前を思い浮かべますか?いろいろとありすぎて混乱してしまうかもしれませんが、例えば兵庫県や鳥取県で水揚げされる「松葉ガニ」を思い浮かべる人は、多いのではないでしょうか。

兵庫の日本海側、鳥取県、島根県の山陰は、ズワイガニの漁獲量が突出して多いエリアです。どこかで出合って食べている可能性が高いという意味では、認知度もきっと高いはずですが、いかがでしょうか?

その山陰に次いでズワイガニが盛んに捕られているエリアは、石川、福井など北陸になります。しかも北陸の福井には、「越前ガニ」というブランドがあります。皇室に献上されるカニでもありますから、「松葉ガニ」だけでなく、「越前ガニ」も有名ですよね。

この「松葉ガニ」と「越前ガニ」、一見すると異なるカニに思えますが、本質的に言ってしまえば、同じ日本海に暮らす、同じ種類のカニだとご存じでしたか?水揚げされる港が異なり、ブランドづくりの方法も異なるので、異なるカニに思えるのですが、結局は同じ生き物なのです。

ならば、東京方面から実際に現地に訪れて食べようと思ったら、行きやすい場所で食べたいはず。交通費も安く済めば、その分だけ、カニに予算を割けます。山陰と違って北陸は、新幹線に乗って東京から直通で行けます。しかも時間は2〜3時間。この冬、実際に現地に訪れてカニを食べつくしたいと思ったら、旅先としてまず北陸を考えてみてはいかがでしょうか。

越前ガニって何のカニ?

ズワイガニの料理
ズワイガニの料理 image by 石川県観光連盟

先ほど、山陰の「松葉ガニ」も福井の「越前ガニ」も、同じカニだと言いました。その意味で言えば、石川で有名な「加能ガニ」も同じズワイガニになります。

そもそもズワイガニとはどういった生き物なのか、辞書を見ると、

<日本海・ベーリング海などに分布。北陸地方の重要水産物の一つで、冬が旬>(岩波書店『広辞苑』より引用)

と書かれています。図らずも、北陸の重要水産物と書かれていますが、同じ北陸の中でも、富山ではズワイガニはあまり捕られていません。

その代わり、ズワイガニと同じクモガニ科のベニズワイガニを盛んに捕っていますので、北陸3県のカニに関する漁獲量の関係を整理すると、以下のようになります。

  • ズワイガニ
  • 石川≧福井>富山
  • ベニズワイガニ
  • 石川>富山>福井

あらためて北陸3県の地理を整理すると、東京方面から見て最も手前にある県は富山。その次が石川で、一番遠くが福井です。しかも北陸新幹線は、石川の県庁所在地である金沢までしか通じていません。

一般的にズワイガニは高級で、ベニズワイガニは経済的に食べられますから、東京から最も近場で気軽においしいカニを食べたいなら富山が最適だと考えられます。一方でズワイガニもベニズワイガニも楽しみたいとなれば、石川の金沢まで行く必要がありますし、どうしても憧れの「越前ガニ」ブランドを楽しみたい場合は、金沢から電車を乗り換えて福井まで行くといったイメージを持ちたいですね。

北陸3県でカニを食べ放題で食べられる場所は?

富山のベニズワイガニ
富山のベニズワイガニ image by とやま観光推進機構

では実際に、北陸でカニをおなかいっぱい食べられる、極端にいえば食べ放題で食べられる場所は、どこにあるのでしょうか?

観光客の行きやすさ、入りやすさを重視して考えると、選択肢はおのずと大まかに絞られてきます。

富山「新湊かに小屋」

富山県射水市の新湊地区にある新湊漁港の目の前にある飲食施設で、水揚げされたばかりのベニズワイガニを、大人・小学生と共通で5,900円で食べ放題(60分・税込/2名1組〜)できる商業施設です。さらにここでは、セットで新湊漁港でのセリも見学できますので、カニを見て、食べてと、いろいろな角度で楽しみたい人は、訪れてみてください。

新湊かに小屋
住所:富山県射水市八幡町1-1100
営業時間:13:00~15:00(9月~5月)
定休日:水・日曜日
https://shinminato-kanigoya.jp/

石川「かにの居酒屋弁吉」

石川の金沢港(大野港)近くにある居酒屋です。ズワイガニも、ベニズワイガニも豊富に捕れる石川のお店らしく、1年を通じていつ行っても、カニを食べ放題で食べられるお店です。

金沢駅から車で15分ほどの距離にありますので、金沢まで東京から直通の新幹線で来たら、レンタカーを借りて、ドライブがてらに立ち寄ってみてもいいかもしれませんね。

かにの居酒屋弁吉
住所:石川県金沢市大野町5-7
営業時間:11:00~14:00、17:00~22:00
定休日:水曜日、年末年始
料金:ゆでがに食べ放題コース5,500円 (税抜)、ゆでがに食べ放題+焼きがにコース6,800円 (税抜)、かに鍋コース4,500円 (税抜)など
http://www.benkichi.jp/index.html

福井「お食事処うおいち(越前がにミュージアム)」

越前岬にある越前漁港の方まで行く必要があるため、アクセスは悪いですが、道の駅「越前」の向かい、越前がにミュージアム2階にある「お食事処うおいち」では、海鮮バイキングを楽しませてくれます。大人1人3,000円(税抜)で刺身、甘えび、焼き魚、てんぷら、鍋などが食べ放題(60分)になます。

バイキングのメニューの中には、カニの足も含まれていますので、実質カニも食べ放題です。カニ以外にも北陸の海の幸を大いに満喫したい人には、最適なお店だと言えるかもしれません。また、近隣の越前漁港は福井県一の水揚げ高を誇りますので、道の駅ではカニの買い物も思う存分、楽しめます。

お食事処うおいち
住所:福井県丹生郡越前町厨71-324-1 越前がにミュージアム2F
定休日:季節によって変化するため要確認
http://www.kaneichi-suisan.co.jp/takaya.html

以上、北陸でカニを食べまくる旅の形を紹介しました。東京から行くと考えると、最もアクセスに優れたカニの本場は、やはり北陸です。北陸であれば、ほかにも石川県の西部にある橋立漁港(加賀市)、福井県の北部にある三国港(坂井市)の周辺に、カニのおいしい飲食店や宿が充実しています。

福井で公共交通からのアクセスを重視すれば、福井市中央卸売市場の一般開放エリアでも、群青など有名店が軒を連ねています。時期になればカニをフィーチャーしたメニューを各店が用意してくれますから、こういった場所で楽しんでもいいかもしれませんね。

[参考]
紅ズワイガニの漁獲量 〔2018年〕 – 帝国書院
海面漁業生産統計調査 – 農林水産省
道の駅「越前」
かにの居酒屋 弁吉 – 金沢旅物語
新湊かに小屋

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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