【名古屋駅周辺巡りモデルコース】飛躍と良縁を祈願「日吉神社・三輪神社・バーミキュラのパン」の日帰り旅

ゆっくり巡る日帰りモデルコース

今回は、秋深まる11月下旬に名古屋を訪問し、名古屋駅から公共交通機関で15分程の距離にあり、交通の便もよい3箇所を巡りました。

午前中は「清洲山王宮日吉神社」と「三輪神社」を参拝し、午後は愛知生まれの鋳物ホーロー調理器ブランド「バーミキュラ」の体験型複合施設「バーミキュラビレッジ」でものづくり見学とパンランチというゆっくりコース。新年の飛躍の年や良縁を願い、日本のよさを再認識する地を紹介します！

9時～「清洲山王宮日吉神社」

「名鉄名古屋駅」から電車で約10分、最寄り駅「新清州駅」に到着。周辺には清洲城もあり、歴史巡りにもぴったりな地です。

荘厳な空気に背筋が伸びる境内

「新清洲駅」東口から徒歩約12分、大きな川を渡り、のどかな住宅街に鎮座する「清州山王宮日吉神社」。朝一番は近所の方がちらほらと参拝されて、厳かな空気で満ちています。鳥居をくぐり森のような参道を歩くと、だんだん気持ちも落ち着きます。

宝亀2年（771年）、疫病の病災除去の祈願が始まりと伝わり、清洲城下の氏神様として崇められています。山王（山の神）をお祀りし、御祭神は「大己貴命（おおなむちのみこと）」「素盞鳴命（すさのおのみこと）」「大山咋神（おおやまぐいのかみ）」。病気平癒・厄除・除災招福など御神徳があり信仰されています。

山の神の使いは「申（猿）」。境内の拝殿や屋根の上で、色々な神使の申が守られています。

拝殿の側面には、平成16年（2004年）の申年に、水墨画家・井上北斗氏が描いた「巨大絵馬」が奉納されています。畳約8畳分（縦3ｍ、横4.5ｍ）と、神前の絵馬としては最大級。絵馬の前に立つと皮膚にビリビリくるくらい鳥肌が立ち、圧倒されました……。

朱色の鳥居が連なる先には「山王稲荷」や摂社末社もお祀りしています。子授かり・安産・夫婦和合の石として奉られている「子産石」には、豊臣秀吉の生母（大政所）も祈願して秀吉を授かり、幼名を「日吉丸」と名付けたと云うそう。境内は歴史を色濃く残しています。

恋みくじ・御守り・御朱印

人気のおみくじは、現代美術アーティストのイチハラヒロコさんの「恋みくじ」。一言でその恋を占う、全国的にも珍しいポップなおみくじです。

ズバッとしたその一言に、笑って、気づかされて、あまずっぱくて純粋。大人になると忘れてしまう、初恋の感覚を思い起こします。背中を押してくれるようで、恋するたびに何度も引きにきたくなりますね！

子授守、厄難除守、金運守など授与品も多数。

通常の御朱印だけでなく、薬師如来様の御朱印もありました。明治維新時の神仏分離令により外部に出されていた薬師如来像が、2018年に150年ぶりに戻られて、本来の神仏習合の在り方で本殿にお祀りされています。

巨大絵馬の作者である井上先生が描かれた、山王稲荷御朱印。

漫画家・故水木しげる先生のアシスタントをされていた土屋慎吾氏が描かれた可愛らしいお申さんの御朱印や、病気平癒を願ったアマビエの御朱印、月替わりや行事ごとの限定も。

私は、11月の月替わり限定御朱印を頂きました。宮司夫人の三輪ゆかりさん創作のオリジナル手作り消しゴム判子の絵柄。退位される上皇陛下に感謝を込めて創作したことをきっかけに、新天皇が即位された時から毎月季節の絵柄や祭典ごとに創作されて、温かな心がこもっています。

午前中は神聖な空気の中に身を置き、恋みくじや御朱印を授かって、厄がさったように清々しい朝の参拝です。

10時30分～「三輪神社」

一旦「名鉄名古屋駅」へ戻り、「名鉄バスセンター（3階）」へ移動して名鉄バスに乗り、「三輪神社」に出発！

良縁結びに心も跳ねる！

バス乗車時間は約7分、若宮大通沿いの「矢場町」バス停で下車し5分程歩くと「三輪神社」に到着。名古屋市中区の賑やかな「大須商店街」のすぐ近くに鎮座されています。

鳥居の両脇にも鳥居を持つ珍しい作りの「三輪鳥居（別名：三ツ鳥居）」。八の字にくぐる正式な通り方で通ると御利益は3倍になるそう。女性宮司さんは地元の方や旅行者にも元気に声をかけられてあたたかで、頭上に空が広く開けた境内は、こじんまりとしていますが見どころ満載。

戦国時代の元亀年間(1570～1572年）、奈良桜井三輪町から小林（現在の矢場町交差点辺り）に移った牧若狭守長清が、生まれ故郷の三輪山に大物主神（大国主神・大黒様）をこの地に祀ったことがはじまりと伝わります。

福光稲荷社や末社も祀られて、開運厄除け、金運守護、商売繁盛などの御神徳を授かれます。尾張徳川家が三輪神社境域に京都の「蓮華王院（三十三間堂）」の通し矢の修練場矢場を創建したことも、この界隈を「矢場町」と呼ぶことに由来しているそう。

御祭神は、縁結びの神様としてお力の強い神様「大物主神（大国主神）」、そして「徳川義宜公」。神様の使いは、古事記『因幡の白兎』で有名な「うさぎ」です。拝殿の前の「幸せのなでうさぎ」をなでると福を授かれて、なでた部分の痛みが取れるということも。

うさぎは跳ねることから運気を上げ、長い耳は福を集めて、縁起のいい動物と伝わることから、新年に、新しいことに挑戦する人に参拝していただきたい神社。境内にも至る所に大小のうさぎが隠れていて、おとぎ話のような雰囲気も魅力的！

御神木は赤い糸でご縁を結ぶ「縁結びの木」。推定樹齢450年の楠（久寿の木）です。「くすのき」の語源は「薬の木」と云う説もあり、この木に手を当ててご縁を願えば良縁が授かれると伝わります。目標（良縁）を射抜く「矢」も木の上に飾って強いエネルギーも授かれそう！

御神木の手前に「良縁を結ぶ赤い糸」を結び、良縁・子宝を祈願。赤い糸には「幸せを結ぶ三輪の糸」の物語も『古事記』に記されています。

白うさぎの形をした真っ白な絵馬に、皆さんオリジナルのうさぎを自由に描いて奉納されていました。

御朱印と御守り

拝殿の左手奥の社務所で御朱印を頂けます。お昼前でしたが常に列をなしていました！ 御朱印の絵柄は、月替わり・期間限定・当日限定・切り絵などと10種類以上もあり、色とりどりで可愛らしいものばかり。郵送も対応しています。

私は、令和4年（2022年）の大イベント「皆既月食・天王星食」の限定御朱印を授かりました。天体の右端には月見をするうさぎさん。風情があります。社務所内は撮影不可なので、どんな絵柄がそろっているのかは訪れた時のお楽しみ！

大人気の御朱印は、授与の順番待ちの時間を予定に組んでおきましょう。待っている間こそ、人間・仕事・趣味などの良縁を願いながら心穏やかに。

令和5年（2023年）卯年の特別な絵柄も少し紹介します。令和4年（2022年）12月3日（土）から、幸先詣として頒布している「限定「結」大判御朱印帳」（桃・青・白の3色各100冊限定／1冊10,000円）。正月限定の御朱印を10ページ（表紙裏含む）も書き入れている豪華な仕上がり。御朱印帳と同色の「願い叶う」御守り付きです。

金文字で、縁起の良い絵柄！ めでたい明るい色が散りばめられて、御朱印帳を開くだけで心も弾みます。予約・郵送も可能で、数量限定で無くなり次第終了です。

「限定「結」大判御朱印帳」に書かれている絵柄の中で、神使のうさぎが弓を射る絵柄など、1月限定御朱印（色付けなし）として1枚から授かれる御朱印もあります。

3倍の御利益がある三輪鳥居・目標を射抜く赤い矢・神使のうさぎを刺繍で描いた「刺繍」御朱印も、同じく幸先詣としてすでに頒布されています。参拝者にとって、新年がうさぎのように跳ねて、飛躍の年になりますようにと、時間をかけて真心をこめた御朱印ばかり。

授与品も、うさぎを刺繍した「幸守」、ちりめん細工の「ちりめんうさぎ守り」などとカラフル。御朱印と同様に、参拝する度「今回はこの色、今年はこの色」と選び、大切な人とお揃いや色違いで授かりたくなりますね。境内に隠れているうさぎのように、幸せはそばに在る。目標に向かって高く跳ぼう！ という決意を後押ししてくれている気がしました。

13時～「バーミキュラビレッジ」

三輪神社から大津通に出て、「矢場町」バス停から市バスに乗車し「バーミキュラ ビレッジ」へ。約16分で施設近くの「運河通」バス停で下車し、散歩がてら中川運河沿いを歩いて約15分で到着しました。

施設近くのバス停「小栗橋」〜「名鉄名古屋駅［名鉄百貨店前］」発着バスも運行し、交通は便利です。

名古屋生まれの最高製品を知る

無水調理ができるほど密閉性が高い鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」。1936年に名古屋市に創業した老舗鋳造メーカー「愛知ドビー」の3代目の兄弟が「町工場から世界最高の製品を作りたい」という思いで、メイド・イン・ジャパンの「バーミキュラ」は誕生し、国内外で多くの人が愛用しています。

「最高のバーミキュラ体験」をテーマに、2019年にオープンしたバーミキュラの体験型複合施設「バーミキュラ ビレッジ（VERMICULAR VILLAGE）」。フラッグシップショップや料理教室などがあり、購入前に製品について深く知り体験ができる「STUDIO AREA（スタジオエリア）」と、バーミキュラ料理を味わえるレストランと、テイクアウト・イートインができるベーカリーカフェがある「DINE AREA（ダインエリア）」の2エリアに分かれています。

「ダインエリア」のベーカリーカフェ「VERMICULAR POT MADE BAKERY（バーミキュラ ポットメイドベーカリー）」でパンランチに立ち寄りました。お昼の時間帯は店外まで行列がありましたが、10分程並んで購入。ガラスケースの中にずらりとパンが並び、ほしいものをスタッフさんに伝えて取っていただくスタイル。オンラインで“パンの取り置き・お取り寄せ”も可能です。

パンとドリンクを紹介

ベーカリー用に開発した専用バーミキュラでパンを焼き上げる世界唯一のベーカリー。大きめのパンは「バーミキュラミニポット」（左）で、丸いパンやデニッシュなど小さめのパンは「バーミキュラ ミニスキレット」（右）で焼きあげています。

バーミキュラの機能性を活かし、パンはサクサクもちふわと食感が独特で、具材もバーミキュラで調理して素材の旨みや香りを十分引き出しています！

おかずパン、甘いパン、キッシュ、フォカッチャ、カンパーニュなど15種類以上のラインナップ（100円台〜）。サンドイッチは具沢山で、バーミキュラ ミニスキレットで作ったデニッシュはトッピングも丁寧できれい。選んでいる間に、焼きたてパンも登場して、あれこれ選んでしまいます！

鋳物ホーロー製のバーミキュラ　オリジナル食パン型で焼き上げた「食パン・あん食パン」。無添加で食パンに適したオリジナルブレンドの小麦を使って、あんこもバーミキュラで3時間かけて炊いた自家製。自宅用や名古屋土産にゲットしたくなります！

注文後に作られるカンパーニュのサンドイッチ、無水調理したスペアリブのスパイスカレーなどのお食事も。コーヒー・お茶・スムージー・ビールの他、無水調理した果物を使ったスペシャルドリンクもありました（410円〜）。

運河を眺めてイートイン

1階と2階にはテラス席があります。運河を眺めながらの最高のパンタイム！

「こだわり卵のクリームパン」（310円・税込）（右）と、「クランブルメロンパン」（230円・税込）（左）。クランブルとラングドシャの2種類のクッキー生地を使ったメロンパンは、表面はザクザクと歯切れよく、中はふわっと弾力があり、ほんのり塩気も。食感と味を総合して新感覚の逸品！

お店オープン以来人気のクリームパン。小麦が香るもっちりとしたパン生地で、カスタードクリームは驚きのオレンジ色で、クラシックプリンのようにぽってり濃厚。

人気NO.1「バーミキュラの無水カレーパン」（390円・税込）。バーミキュラを代表する料理「無水カレー」を包んで焼きあげたポット型のカレーパン。

表面はザックザクでカリッカリで、食べ応えある食感がクセになります！ ゴロっとした具材で、野菜もとろとろで、具材の旨味がスパイシーに広がります。

名古屋名物「鬼まんじゅう」をモチーフにした「無水調理したさつまいも」（310円・税込）（手前）。バーミキュラで無水調理したさつまいもは、なめらかでホックリ甘くて極上……。余計な味付けはなく、素朴で体にも優しいパン。

お隣のレストランでも提供している「ポットメイドブレッド」（200円・税込）。もっちり噛むほどに小麦の味わいが深く、シンプルなので自宅で他のお料理と合わせたくなります。

バーミキュラ ミニスキレットで焼き上げたコロンとした「鍋クロワッサン」（190円・税込）（右）と、「鍋炊きつぶあんパン」（200円・税込）。クロワッサン生地は外側パリパリ、中はしっとり。厚みある生地はバターがじゅわっと、小ぶりなパンから感激の味わいがあふれます！

あんパンに包まれている粒あんは、あん食パンと同じ自家製あんこで、このまま飲めるほどとろとろで小豆の風味が豊か。名古屋のあんこ文化の実力を堪能！

新作「バーミキュラの食パンのフレンチトースト」（370円・税込）。一口サイズの食パンはしっとり耳までやわらかで、中まで卵液がしっかり染みこんでいます！

2階にはイートインにソファ席もあります。セルフサービスでお水も用意され、小さなお子さんからご年配の方まで幅広くパンと景色を楽しんでいました。悩むなら食べてみてほしいくらい、どれもイチオシ。テイクアウト時は“おいしい食べ方のメモ”も添えてあり、自宅で焼きたてのおいしさを復活！

帰りは、施設から2分程先にある「小栗橋」バス停から乗車し、約11分で名鉄名古屋駅前に到着。充実の日帰り巡りとなりました！

まとめ

今回巡った3箇所は、名古屋駅から各所までは、電車またはバスで1本、乗車時間も15分程（現地までの徒歩移動含め30分程）で巡りやすいスポット。

市バスは一律210円、運行間隔も空きすぎず、初バス移動でしたが行動しやすかったです。時間に急かされる現代だからこそ、空気が澄む午前中に落ち着いて参拝し、名古屋の魅力をじっくり楽しみました！

［all photos by kurisencho]
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
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PROFILE

kurisencho

kurisencho ライター

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。