インドネシアの経済発展を支えた日本
新型コロナウイルスの流行も徐々に終焉に向かいつつある中、今後は日本人の海外渡航が再び活発化することが予想されます。そのような中、インドネシア訪問を計画している人も多いかもしれません。実はインドネシアも世界有数の親日国家といわれます。では、なぜインドネシアは親日国家といえるのでしょうか?
まず、歴史的視点から述べると、戦後、インドネシアの経済発展を支えてきたのは、紛れもなく日本です。日本は長年ODA(政府開発援助)などを通して、インドネシアを経済的に支援してきました。
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道路や鉄道などのインフラ、学校や病院などの建設で多くの日本人がインドネシアにわたり、現地の人々に技術を伝えてきました。それによって日本人とインドネシア人との間には徐々に信頼関係が生まれ、国と国との距離感も小さくなっていきました。
また、今日もそうですが、昔から多くのインドネシア人が日本へ留学しています。ある程度の大きな大学であれば、インドネシア人留学生を見つけることは難しくなく、日本の大学で学んだインドネシア人が母国へ帰り、現地のエリート層になることも少なくありません。
中国との関係は共通の課題
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そして、今日では政治的観点からも日本とインドネシアの関係は緊密化しています。インドネシアも中国と安全保障や経済の分野で問題を抱えており、習政権によって進められる「一帯一路」(巨大経済圏構想)と「債務の罠」に警戒する声も以前より増えています。
今後も経済発展が期待できるインドネシアとしては、中国経済への過度な依存によって成長率が鈍化することは避けたいため、近年やはり日本との関係を第一に考えようという意識も広がっています。
一方、台湾有事や日中関係、米中関係に悩む日本としても、ASEAN(東南アジア諸国連合)最大の国家インドネシアとの安定的な関係が重要になってきています。最近、中国に進出する一部の日系企業は中国から離れ、インドネシアへシフトしようとする動きも見られます。
これまで日本とインドネシアの関係は、日本が支援する、インドネシアが支援を受けるという関係でしたが、今後ますますインドネシアは日本にとってなくてはならない戦略的経済パートナーになるでしょう。それによってインドネシアの親日度はいっそう高まると思われます。
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