【2万8000円で1泊2日熱海を満喫】美食と温泉、絶景を巡る女子ソロ旅モデルコース

Posted by: Miki D'Angelo Yamashita

掲載日: Apr 11th, 2024

団体客がいなくなり、長く人気が落ち込んだ熱海。実はじわじわ若者たちを惹きつけ復活していたのです。King&Princeらアイドルがロケを行う地として一躍脚光を浴びたのが熱海の昭和レトロな町。海鮮からフレンチまでおいしいお店も目白押し。映えるスポットも多数。知る人ぞ知る絶景や海を眺めながらの温泉。ワーケーションにも力を入れているので、観光の合間にちょっとお仕事も可能、と1年中いつ行っても楽しみ満載の熱海1泊2泊女子ソロ旅のモデルコースを紹介します。

【1日目のモデルコース】東海道本線でリーズナブルに熱海へ

出張帰りの途中下車も多い気軽に行ける温泉地

熱海までは、東京から新幹線で約45分ですが、JR東海道本線でも1時間45分です。新幹線が片道3,740円のところ、1,980円とリーズナブル。車窓を楽しみ旅気分を味わいながらのんびり向かいましょう。

ちなみに、東京からならいつでもぶらりと気軽に行けるのが熱海の魅力ですが、今は、東京出張の帰りに立ち寄る名古屋方面からの旅行者も多いとのこと。全国的に熱海が注目されるディスティネーションになりつつあるようです。

駅構内の熱海観光案内で地図と情報を確保


東京駅9時発の東海道本線で熱海に向かうと10時45分には到着。まずは、駅に併設された商業施設ラスカ熱海内にある熱海観光案内で、資料や地図、おすすめのアクティビティなどを聞いてから、旅をスタート。


近くに立っている熱海出身のヒーロー、熱海富士関とツーショットを撮るのも熱海の思い出におすすめです。将来、横綱になるかもしれません。

 

 

熱海駅前の天然温泉を使用した足湯へ直行


駅を出たら、天然温泉を使用した足湯へ。熱海温泉と関わりの深い徳川家康をたたえる記念事業で造られたという「家康の湯」が駅前に設けられています。熱海温泉の玄関口で、足湯で暖まりほっこり。熱海を訪れた気分を満喫しながら旅程を考えます。



近くに備えられた自動販売機で100円のタオルを買うことも可能。熱海にある足湯には、ほぼタオル自動販売機が備えられているのが親切です。

天然温泉を使用した足湯「家康の湯」
静岡県熱海市田原本町11-1
https://www.ataminews.gr.jp/spot/138/

ぶらり歩きを楽しむか?周遊バスで効率よくまわるか?
とりあえずは、レトロな駅前商店街「平和通り」と「仲見世」をのぞく

熱海はこぢんまりした町。歩いて散策するのが王道です。体力がない、という人は、熱海市内各所巡りのための観光バス「湯~遊~バス」に乗れば、熱海駅を起点にサンビーチやマリンスパ、熱海城など市内の名所を巡ることができます。バスが一日乗り放題になる「湯~遊~バスフリーきっぷ(1日乗車券)」もお得。ガイド付きのバスもありますので、効率よくまわりたい人にはおすすめです。

フリーきっぷ(1日乗車券)大人(中学生以上)800円
東海バス熱海営業所
https://www.tokaibus.jp/page.jsp?id=6173


熱海駅前には「平和通り」と「仲見世」、2つの昭和レトロな商店街があり、歴史ある老舗店が多数あります。食堂、寿司店、干物屋、おみやげ屋さんも勢揃い。ただ眺めているだけでも楽しく、おやつの食べ歩きもまた格別です。


商店街には、温泉まんじゅうの店が軒を連ねます。まずは、蒸かしたてのほかほか温泉まんじゅう(100円)を一つ片手にそぞろ歩きをスタート。

楽しげな商店街は帰る前にゆっくり寄るとして、海を目指し歩いていくと、10分ほどでジャカランダが植えられた遊歩道。熱海サンビーチへと続きます。

ジャカランダが咲くのは、5月下旬から6月。ブドウの房状に50以上のブルーの花が両脇に咲く風景は壮観。ほかにも季節になると、桜やブーゲンビリアが咲き乱れる熱海の町、いっそう華やかになり散策も楽しい時期です。

「金色夜叉」のお馴染みのシーン「寛一・お宮の像」は熱海のシンボル

ジャカランダ遊歩道を少し行くと、有名な「お宮の松」。隣には、「貫一とお宮の像」。熱海は、明治時代から多くの文豪たちが居を構えており、尾崎紅葉もその一人。

熱海を舞台にした尾崎紅葉の小説「金色夜叉(こんじきやしゃ)」にちなんで建てられ、熱海のシンボル的観光スポットになっています。金持ちに嫁いだお宮に裏切られた貫一が、お宮を蹴り飛ばすという、いまならDVになりそうな話です。あまりにも有名なので、この二人を見ると熱海に来たという気分が高まります。

お宮の松/貫一お宮の像
静岡県熱海市東海岸町
https://www.ataminews.gr.jp/spot/113/

白い砂浜、熱海サンビーチ、夜にはライトアップも

熱海サンビーチは、白砂の人口海水浴場です。パームツリーが立ち並び、夜は世界的照明デザイナー・石井幹子氏による日本初の試み、ビーチがライトアップされるアトラクションも名物。

多くのクルーザーが停泊する港は、海外のリゾート地の雰囲気を漂わせ、夏には海水浴を楽しむこともできます。

熱海サンビーチ
静岡県熱海市東海岸町
https://www.ataminews.gr.jp/spot/119/

「アタミロープウェイ」で空中散歩、熱海城へ


ビーチの先を進むと、日本一短いロープウェイ「アタミロープウェイ」の乗り場があります。約3分、あっという間の空中散歩で山頂に到着です。


意外と侮れないのが、観光目的に建てられた熱海城。錦ヶ浦の山頂にあり、海抜160m、地上から43mの天守閣展望台からは、熱海市街をはじめ初島や大島、伊豆半島など360度の大パノラマが広がり絶好のフォトスポット。


1階から5階には、日本刀や火縄銃、浮世絵や春画、江戸の遊び絵、江戸時代の着物に着替えて楽しめる江戸体験コーナー、武家資料館など熱海に直接関係はないような、むしろインバウンド向きのアトラクションがあり、これらが予想外に本格派、興味深い展示が多く時間をかけて眺めてしまいました。

 

ハイライトは、絶景を眺めながらのジェット付き足湯。初島・伊豆半島、晴れた日には伊豆大島を見渡しながら、潮風に吹かれて眺める絶景はまた格別。無料で利用でき、こちらの足湯も自動販売機でタオルを買うことができます。

熱海城
JR「熱海駅」から直接来る場合は、「ATAMI BAY RESORT KORAKUEN」の無料シャトルバスで約10分、「熱海ベイリゾート後楽園」下車、徒歩約1分 ※アタミロープウェイ(往復700円)を利用する場合に限る
または、「熱海駅」から「湯~遊~バス」で約13分、「熱海城前」下車、徒歩約1分。
熱海城入場料 1,100円
静岡県熱海市曽我山1993
http://atamijyo.com/

「熱海後楽園ホテルFuua オーシャンスパ」で立ち湯体験

ロープーウェイ麓にある「後楽園ホテル」内の「Fuua(フーア)オーシャンスパ」で立ち寄り湯を体験。フロント横のリネンカウンターにて、 館内着・タオルの入った館内専用バッグをもらい、2階スパエントランスへ。「露天立ち湯」と「かけ流し露天湯」の天然温泉があり、潮風に吹かれての「海との一体感」は極楽気分です。「熱海温泉海上花火大会」開催日には、花火も間近に見えるとのこと。海の絶景を目の前に温泉浴という贅沢な時間をしばし満喫します。

全長約25mを誇る日本最大級の露天立ち湯は、海に浮かんでいるような不思議な感覚が楽しめます。立ち湯のあとには、隣接された展望サウナでたったり汗を流しましょう。

スパには、「アタミリビング」と呼ばれるリラックス空間のラウンジが備えられており、ワーケーションにも利用できるスペースがあります。海を眺めながらメールの返信など、ちょっとした仕事を片付けることができて便利です。

 

熱海後楽園ホテルFuua オーシャンスパ
静岡県熱海市和田浜南町10-1
TEL 0557-82-0123
営業時間 10:00〜22:00(最終入館 21:00)
不定休
熱海駅より無料シャトルバス有
入館料 平日大人(中学生以上) 3,230円(税込)
Fuua https://atamibayresort.com/fuua/

 

歴史ある干物屋さんが経営する「鶴吉」でランチ

ビーチの前に立つホテルから町の中に歩いていき、江戸時代から続く、熱海で自社製造している数少ない干物屋さん、「釡鶴」初代の名を冠した天ぷら専門店でランチをとります。地の魚、野菜を中心に椿油と綿実油で軽く揚げた天ぷらは、サクサクで素材のそのものの味わいが格別。ランチの数量限定の「お刺身付き日替わり御膳」は3,000円。写真は7,000円コースの締めに出る天茶漬けです。ちょっと余裕があれば、こちらもおすすめです。

鶴吉
静岡県熱海市中央町1
TEL 0557-86-2338
https://www.kamaturu.co.jp/turukiti/index.html

本店の干物店「釡鶴」は、ベテラン職人の手作業ならではの天日塩を使用した、うす塩の絶妙な塩加減が抜群のおいしさ。店舗では、地物を中心に、常時30種類以上の干物を取りそろえているそうです。数ある熱海の干物店の中でも本格派。干物をお土産にするならこちらがおすすめです。

釜鶴ひもの店 本店
熱海市銀座町10-18
TEL 0120-49-2172
https://www.kamaturu.co.jp/tenpo.html

「熱海芸妓(げいぎ)茶屋」でリアル芸妓さんとお座敷遊びを体験

ランチのあとは、熱海の芸者文化を気軽に体験できる「熱海芸妓茶屋」へ。お茶菓子と抹茶とともに、熱海の芸妓さんが歌や踊りなどを披露してくれます。今回は、熱海一大きな置き屋の芸妓さん、こはくさんによるパフォーマンス。木箱の的に向けて投げる扇の落ちた形で得点を競うお座敷遊び「投扇興」に興じたり、熱海ならではの文化を体験できます。お酒や食事のコースもあり、旅館や料亭で繰り広げられる本格的なお茶屋遊びの雰囲気を味わうこともできます。

熱海芸妓(げいぎ)茶屋
予約制 お茶請け・スイーツ等付 1,600円〜
静岡県熱海市中央町17-13
TEL 0557-81-3575
https://atami-geigi.jp/

パワースポット、来宮神社のご神木を一周して願いを叶えよう


次は、熱海にある日本屈指のパワースポット、来宮神社(きのみやじんじゃ)までぶらぶら歩いて向かいます。森に囲まれた広い境内はスピリチュアルな雰囲気が漂います。

 

国指定天然記念物に選定されている來宮神社のご神木「大楠」は樹齢2100年超で、來宮神社のシンボル。さすがの迫力と威厳を感じます。願い事をしながら一周すると叶うということで、多くの人が約24メートルもの厳かな幹をまわっていました。ご神木と一緒に写真が撮れるように、カメラ置き台も用意されている映えスポットです。

緑あふれるカフェ「楠の香」で一休み。ハワイ発のドーナツ、注文してから揚げてくれるマラサダドーナツ(330円)が大人気。長い列ができていますが、思いのほかおいしいので、ぜひお試しを。

 

来宮神社
静岡県熱海市西山町43-1
TEL 0557-82-2241
https://kinomiya.or.jp/

ナチュラル伊豆フレンチもおいしい「熱海風雅」で絶景ステイ

今夜の宿泊先、「熱海風雅」は、予約しておけば、来宮駅に車が迎えにきてくれるので、17:45発の車でホテルへ。街の喧騒から離れ、閑静な高台の別荘地に立つ絶景自慢のリゾートホテルに到着です。

世界的に有名な北欧家具メーカー、「BoConcept」とのコラボでスタイリッシュな空間が広がります。まずは、ドリンクが飲み放題のラウンジでリラックス。熱海の市街地が見おろせる絶景部屋には、選べる浴衣を持って行きます。


『絶景の世界』など7つのテーマに沿った旅にまつわる本をそろえたライブラリーが備えられており、本を眺めて休んだあとは、食事前に滝の流れる温泉や岩盤浴でリフレッシュ。

 


お箸で愉しむナチュラルIZUフレンチのディナー。地元産のワインとともに静岡の食材をふんだんに使った和風テイストのフレンチを楽しみます。

 


朝は、パティシェの経験を持つシェフによる静岡産の食材を使った野菜たっぷりのヘルシー洋朝食。手作りプリンとジャムが絶品です。
食事後は、ホテルの送迎で来宮駅まで行き、電車(147円)で一駅の熱海駅までもどります。

 

熱海風雅
静岡県熱海市梅園町16-8
TEL 0570-003-141
一泊2食付き1名11,000円〜
https://www.atami-fuga.com/

【2日目の絶景モデルコース】今回の熱海旅のハイライト!究極の絶景へ

十国峠で富士山をはじめとする360度の絶景独り占め

その昔、伊豆、相模、駿河など十の国が見えたことからその名がついたという「十国峠」。熱海駅から伊豆箱根バス十国峠行きに乗って約40分、国峠登り口バス停で降りると、すでに富士山が眼前に迫り感動です。


さらに、十国峠ケーブルカーで約3分、山頂までガタゴトと登っていく姿も愛らしい。途中の景色も雄大ですが、頂上で降りると、見渡す限り何も遮るものがない360°の絶景を独り占め!


“十の国”を眺めるさまざまな形状のデッキで寝転ぶこともでき、見上げれば、眼前に迫力ある光景が広がります。駿河湾や初島の景色を楽しめるハンモック付きのデッキも夢ごごち。
日金山の頂上からは、北に富士山、西に駿河湾、東に相模湾の景色が広がり、横浜のランドマークタワーまで見える日もあるそうです。


山頂エリアには、360°の絶景パノラマが楽しめる展望テラス「PANORAMA TERRACE 1059」と、富士山や天空をモチーフにしたこだわりメニューが味わえる雲の上のカフェテラス、「TENGOKU CAFE」があります。「峠チュロス」(500円)と「天国ドリンク」(500円)とともに絶景を満喫、しばし、非日常の時間を過ごします。

 

十国峠
熱海駅から伊豆箱根バス十国峠行きで、十国峠登り口バス停
(十国峠ケーブルカー・レストハウス目の前)約40分 十国峠ケーブルカーで山頂まで約3分
バス 往復1,440円
ケーブルカー 往復730円
静岡県田方郡函南町桑原1400-20
https://www.jukkoku-cable.jp/

熱海のランチはなんといっても新鮮な海の幸を!熱海おさかな・大食堂


熱海駅にもどり、東京にもどる電車に乗る前に商店街巡りをしながら、ランチタイム。熱海といえば新鮮な海の幸! 行列のできる人気店、駅前商店街の「熱海 おさかな・大食堂」に直行。

 

多種多様な海鮮丼や定食がある中、味だけでなく映えも抜群な「てっぺん丼海鮮」(大 2,830円/小 1,680円) を堪能。デザートには、大人気の名物「熱海プリン」(400円)で、熱海の最後を飾ります。

熱海おさかな・大食堂
静岡県熱海市田原本町3-1 熱海魚熊ビル2F
TEL 0557-48-6855
https://www.osakana-daishokudo.com/

お土産には、熱海ブランド認定アイテムがおすすめ


熱海市内で生産加工された熱海ならではの商品87アイテムには、ATAMI COLLECTION A-PLUSのマークがついており、熱海公認の商品が集まっています。さらに、熱海のゆるキャラ、「あつお」グッズが至ることろに。キモ可愛さについ買ってしまう人も多い熱海ならではのお土産です。

熱海1泊2日女子ソロ旅費用 27,770円

欲張りなスケジュール、どこかを飛ばしてゆったり過ごすのもおすすめ

東京・熱海往復 3,960円
アタミロープウェイ 往復600円(インターネット割引)
熱海城入場料 1,000円(とくとくクーポンなどさまざまな割引があるので、チェックしてみてください)
熱海後楽園ホテルFuua オーシャンスパ 3,230円
ランチ「鶴吉」刺身付きこだわり御膳 3,000円
熱海芸妓茶屋 1,600円〜
宿泊「熱海風雅」1泊2食付き1名 11,000円〜
熱海駅・十国峠登り口区間内路線バス1日乗り放題+十国峠パノラマケーブルカー往復セット券 1,700円(料金は時期により変わります)
ランチ「熱海おさかな・大食堂」てっぺん丼海鮮小 1,680円

1泊2日、何回か来ていた熱海の知らなかった魅力を一挙に発見できた旅でしたが、まだまだ訪れたいところも多数あり、見どころは満載。予算を抑えめにしたい場合はこの中のどこかを削って、ぜひ、ぶらりと訪れてみてはいいかがでしょうか。

©︎Miki D’angello Yamashita

PROFILE

Miki D'Angelo Yamashita

Miki D'Angelo Yamashita ジャーナリスト

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

SHARE

  • Facebook