「大石林山」の特徴とは?
沖縄県国頭郡国頭村にある「大石林山」は、2億5千万年前の石灰岩が長い時間をかけて雨水などによって侵食されてできた、熱帯カルスト地形の四連の岩山です。「やんばる国立公園」の特別地区内に位置します。
「大石林山」では、多様な生物が複雑な生態系を作り上げており、特別天然記念物のヤンバルクイナのほか、リュウキュウイノシシ、ホントウアカヒゲ、シュリケマイマイといった生物を見る事ができます。
「大石林山」に伝わる神話
大石林山がある安須杜(あしむい)は、17世紀に編集された琉球の歴史書『中山世鑑(ちゅうざんせいかん)』では、島建ての神であるアマミキヨが降り立ち沖縄で最初につくられた場所として伝えられています。
琉球王国時代には、この地で王家の繁栄、五穀豊穣、航海安全を祈ったそうです。
現在も大石林山にある40箇所以上もの拝所に祈りが捧げられているのだとか。拝所は断崖絶壁や立穴の洞窟といった危険な場所にもあるそうで、どこも神聖な雰囲気に包まれています。
また、地元の古老たちは大石林山の4峰をシノクセ、アフリ、シジャラ、イヘヤと呼び、アフリは天帝の差す傘、シジャラは女性の乳房を意味するといいます。
自然と祈りのパワーを感じる「大石林山」の見どころ4選
大石林山には4つの散策コースがあり、そこでしか見ることができないスポットが目白通しです。
奇石や巨石
大型バス駐車場から右手のコースを進むと、2つの岩が寄り添っているような「縁結び岩」や、天に向かいそびえ立つ大岩が続き、神の降臨を彷彿させる「立神の大石」、そして雨水などで侵食されたタワー状のカルスト「悟空岩」などを見る事ができます。
亜熱帯の木々
大小6万本ものソテツの群落や日本最大級の巨大ガジュマル「御願(うがん)ガジュマル」も一見の価値ありです。このガジュマルでは、キジムナーが目撃されているとか!? キジムナーとは、赤い髪の毛の男の子の妖怪(精霊)でガジュマルの木に宿るとされています。ぜひガジュマルの木を見上げてキジムナーの姿を探してみてくださいね。
チケット売り場から森林の中に入るコースを進めば、どちらも見学できます。また、真東から陽が入る石積み「アガリメー」もお見逃しなく!
パワーあふれる石や壁
天候に恵まれると与論島や沖永良部島まで見えることがある「美ら海展望台ステージ」を目指してハイキングすると、3回くぐると新しく生まれ変わると伝えられる「生まれ変わりの石」や、子宝に恵まれるなど女性にうれしいご利益があるといわれる「骨盤石」があります。
また、「美ら海展望台ステージ」がある峰とは反対の峰に向かって進むと、猫が丸まったような後ろ姿に見える岩「守り猫」、山から昇る太陽の光が岩壁にあたり、パワーが集まると信じられている「石林の壁」も!
真剣に心の中で祈りながら、すべての石や壁を訪れれば、人生に変化を起こすことができるかもしれませんね。
沖縄の石をテーマにした「沖縄石の文化博物館」
「沖縄石の文化博物館」には、沖縄県内の各地から集めた岩石標本や、石製の民具などを展示されています。沖縄本島中南部や離島の石灰岩に覆われた場所では大きな木があまり採れず、生活に必要な道具を石でつくる技術が発達したそうです。そのため、家畜のえさ箱や水がめのほか、洗濯のタライ、沖縄ならではの石文化に触れられる力石(ちからいし)や石敢當(いしがんとう)などを見学できますよ。
お腹が空いたら「精気小屋パーラー」に立ち寄り、沖縄そばやヒージャー(ヤギ)そば、大石林山の3大薬草を使ったリゾットを味わうのもいいですね。
また、大石林山の拝所や伝説が伝わるスポットなど、通常コース以外のエリアも巡る「スピリチュアルガイドツアー」も開催しています。このツアーに参加した方のなかには、不思議な体験をされた方もいるそうですよ。気になる方は、こちらをご覧ください。
住所:沖縄県国頭郡国頭村宜名真1241
電話:0980-41-8117
受付時間:9:30〜16:30(17:30閉園)
入山料:大人(15歳以上)1,200円、小人(4歳〜14歳)600円
交通アクセス:那覇市内から車で120分
公式HP:https://www.sekirinzan.com/
[参考]
KUNIGAMI Fun Trip|一般社団法人 国頭村観光協会
おきなわ物語|沖縄観光情報WEBサイト
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