シャチは海の神さま⁉︎
北海道の先住民として有名なアイヌ民族は、シャチのことを「レプンカムイ」と読んでいました。その意味は「沖の神」。海で最高位の神さまとして崇められていました。アイヌ民族の伝承にも度々登場するほど、北海道では身近な存在だったことがわかります。
くっきりと分かれた白と黒のツートーンカラーが可愛らしいシャチですが、群れで行動し、狩りをします。魚だけでなく、自分よりも大きなクジラをも捕獲するその姿から、海のギャングとも呼ばれています。水族館で可愛らしくショーをしているシャチからは想像もできないですね!
日本で野生のシャチに出会えるのはここだけ!
そんな迫力のあるシャチに、北海道の知床で会えるんです! 野生のシャチに出会えるのは日本ではここだけ。知床半島の南東に位置する「羅臼町」の沿岸でその姿を見ることができます。
ただし、毎年シャチが来遊するのは5月〜6月の短い期間。最近では7月に入っても遭遇できるチャンスがありますが、ベストシーズンは6月です。
もしシーズンを逃してしまっても、羅臼の海にはシャチだけでなく、イルカやクジラもいるので、安心してください。いつ行っても想像を超えるような大自然を堪能できますよ。
羅臼のゴジラ岩観光のツアーに申し込もう!
羅臼でシャチを見るためには観光ツアーに申し込む必要があります。いくつかツアーを行っている会社があるのですが、今回は私がお世話になった「ゴジラ岩観光」さんのツアーをご紹介します。
申し込むべきなのは「ホエール・バードウォッチングクルーズ」というツアーで、公式HPからネットで予約ができます。料金は大人一人8,800円(税込)です。1日2便運行しており、9時と13時出航のため、ご自身の予定に合わせて午前か午後か選ぶことができます。所要時間は2時間30分ほどです。
シャチを求めて、いざ出航!
私は朝の9時出航の便を予約しました。港についた時はあたり一面が霧で真っ白。
船が出るかどうか心配していましたが、出航するとのことで乗り込みました。船が沖に進み始めて10分も経たない内に霧は晴れ、天気は快晴に! 日差しは暖かかったですが、風が強く、船に乗っている間は半袖では肌寒かったので、風を通しにくいウィンドブレーカーなどの薄めの上着を持っていくことをおすすめします!
なかなかシャチには会えず、30分くらい経ったあとに無線でシャチを確認したとの連絡がありました。実は、羅臼のツアー会社は無線でやり取りしており、シャチの情報を共有してくれているんです! この日は他の会社がいち早くシャチを見つけてくれたので、急いで目撃情報があった方へ向かいます。
間近で見る野生のシャチは迫力満点!
遠くに船が見えてきたと思ったら、周りにシャチの姿が見えました! 船が近づくにつれ、トレードマークの大きな背ビレと愛らしい白と黒の模様がはっきりと現れてきます。
船が近づいても怖がる様子は全くなく、船の周りをぐるぐると泳ぎます。群れで行動しており、子供のシャチもいました。
船のアナウンスでは、知能の高いシャチは船で遊んでいて、声をかけると答えてくれるとのこと! 大きな声で「シャチー!こっちきてー!」と呼ぶと、本当に近づいてきてくれ、船と一緒に追いかけっこでもしているかのようでした。
シャチが海上に現れる直前に、その場所だけ海の波が穏やかになり、丸い模様を作ります。これを目印にシャチを探すとシャッターチャンスを逃すことなく、記念写真が撮れますよ!
船の真下を通ってみたり、真横でジャンプしてくれたりと、シャチはサービス精神旺盛。私をはじめとする乗客は大盛り上がりでした。
この日はクジラやイルカなどのシャチ以外の海獣類には出会うことができなかったのですが、間近でたくさんの野生のシャチが悠々と泳いでいる姿は迫力がありました。一生に一度は見ていただきたい光景です。
羅臼へのアクセス方法/h2>
道外から行くなら、羅臼へ行く最も近い空港「根室中標津空港」を利用しましょう。現地は公共交通機関が充実しているわけではないので、空港からはレンタカーを借りるほうが便利です。羅臼まで車で約1時間15分。少し遠くなりますが、「女満別空港」からでも2時間30分ほどで到着します。
今年は、最果ての地、羅臼で野生のシャチの迫力ある姿を見てみませんか?
住所:〒086-1833 北海道目梨郡羅臼町本町30−2
TEL:0153-85-7575
営業時間:8:00〜17:00
定休日:なし
運行期間:4月29日~10月15日(ホエール・バードウォッチングクルーズ)
アクセス:根室中標津空港から車で約1時間15分
料金:大人一人8,800円(税込)、小学生4,400円(税込)、6歳未満無料
URL:https://kamuiwakka.jp/
[Photo by sorano]