四季折々の絶景が拝める! 修験者の修行の地「石鎚山」
標高1,982mの石鎚山は、1,330余年前に役小角(えんの おづぬ)が開山。以来、修験者の修行の地となり、弘法大師空海が修行したと伝えられています。源頼朝や豊臣家からも信仰されていたそうです。毎年7月1日〜10日までの「お山開き」には、白装束の修験者が登拝します。
また、石鎚山は暖温帯林から亜寒帯林まではっきりとした植物分布が見られるため、自然の宝庫。四国の固有種や絶滅危惧種も! 春はイシヅチザクラやアケボノツツジが咲き乱れ、夏には石鎚山系固有種の高山植物が花を咲かせ、秋は天狗岳が燃えるように赤く染まり、冬は真っ白な世界が広がります。
老人との出会いによって運命が変わった!? 開山にまつわる伝説
石鎚山を開山したといわれる役小角は、頂上を目指していたものの、あまりの厳しさに力尽きて下山しようとしました。そのときに、斧を研ぐ白髪の老人に出会い、その老人から“この斧を研いで針にする”と聞いたことで、「途中で諦めてはいけない」と己を奮い立たせ、登頂に成功!
そして、標高1,450mに位置する、石鎚神社の成就社まで下山してきた役小角は山頂を仰ぎ、「わが願い成就せり」といったそうです。
ちなみに、役小角が出会った老人は石鎚大神(石鎚毘古命)だと伝わります。
「石鎚山」の見どころ4選とおすすめの登山コース
国定公園に指定されている「石鎚山」には、自然豊かでリフレッシュできる魅力的なスポットがいっぱいです。ここでは、見どころ4選とおすすめの登山コースをご紹介します。
所願成就の神として知られる「石鎚神社(成就社)」
石鎚山を御神体としている「石鎚神社」は、本社、成就社、土小屋遥拝殿、頂上社の4社からなります。
なかでも一度は訪れたいのが、石鎚登山ロープウェイを下車して徒歩約20分の場所にある「中宮 成就社」。先述の伝説が残るスポットです。
役小角の心願が叶ったことから、「成就社」と称するため、地元の人はもちろん、参拝客からも「願い事成就」のパワースポットとして人気です。
叶えたい願い事がある方は、ぜひ参拝に訪れてみてくださいね。
絶景を拝める! 石鎚山の最高峰といわれる「天狗岳」
石鎚山には山頂がいくつかありますが、最高峰といわれるのが標高1,982mの天狗岳です。ここからの景色はまさに絶景! 天候に恵まれれば、瀬戸内海のほか、中国地方や九州地方の山々まで拝むことができます。季節によって変化する、自然が創り出す色とりどりの光景も見逃せません。
石鎚大神が降臨したとされる「弥山」の山頂
石鎚大神が降臨したとされる磐境(いわさか)である「奥宮 頂上社」は、弥山の頂上に鎮座。山頂への参道は「鎖の行場」です。鎖の合計距離は約230mもあり、命がけの行場といえます。そのため、無理は禁物です。登山初心者は、迂回路を使いましょう。
頂上にたどり着ければ、「頂上社」で御神像に触れる特殊神事「御内陣入(ごないじんいり)」を受けることができます。
なお、弥山~天狗岳は狭い岩場になっているため熟練者向けです。
約8分の空中散歩を楽しめる「石鎚登山ロープウェイ」
標高455mの山麓「下谷駅」から標高1,300mに位置する山頂の「成就駅」を結ぶ「石鎚登山ロープウェイ」。所要時間約8分の空中散歩を満喫できます。切り立った山肌など、雄大な景色を望めるのも魅力です。「成就駅」からは瀬戸内海を遠望できますよ。
おすすめの登山コースは?
石鎚山には複数の登山コースがありますが、一般向けのコースは、ロープウェイとリフトを利用する「表参道ルート」と、7合目から尾根沿いの道を進む「土小屋ルート」の2つです。
「表参道ルート」は、ロープウェイからリフトに乗り継ぎ、石鎚神社(中宮 成就社)、夜明かし峠、一の鎖、二の鎖、三の鎖を登り、弥山(石鎚神社 頂上社)を経由して天狗岳へ向かいます。所要時間は約3時間です。
一方の「土小屋ルート」は、土小屋から尾根伝いの登山道を進み、二の鎖、三の鎖を登り、弥山(石鎚神社 頂上社)を経由して天狗岳に向かいます。所要時間は約2時間30分です。
いずれのコースにも垂直に近いような岩場を登る鎖場が入っていますが、これらは登山用に設置されたものではありません。修行のためのものです。そのため、体力に自信がない場合は、迂回路を利用して登ってくださいね。
住所:愛媛県愛媛県西条市・上浮穴郡久万高原町
電話:0892-21-1192(久万高原町観光協会)
交通アクセス:JR「伊予西条駅」から車で30分
公式HP:https://ishizuchisankei.com/spot/spot01/
[参考]
石鎚山系 公式WEBサイト
いよ観ネット|一般社団法人 愛媛県観光物産協会
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