【日本三大タオル】愛媛「今治タオル」・大阪「泉州タオル」もうひとつは?それぞれの特徴と歴史・メーカーを紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Aug 6th, 2024

日本三大タオルと聞いて、みなさんはどのメーカーのタオルが思い浮かびますか? 愛媛県の「今治タオル」が、思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。国産タオルブランドとしての知名度がピカイチですよね。今回は、日本三大タオルに挙げられる愛媛県の「今治タオル」、大阪府の「泉州タオル」、三重県の「おぼろタオル」の特徴と歴史をご紹介します。

日本三大タオル トップ
©Ned Snowman / Shutterstock.com

日本を代表する高クオリティな製品! 世界からも注目される「今治タオル」(愛媛県今治市)


130年にわたり、日本のタオル産業の発展に貢献してきた愛媛県今治市。ここには、糸を撚る工場、糸を染める工場、タオルを織る工場など約200の工場が集結しています。今治タオルは、今や「安心・安全・高品質」な日本を代表する高クオリティな製品としての地位を確立。近年は、海外の展示会などでも注目を集めています。

なぜ今治でタオル産業が発展したのでしょうか。その答えは、今治の温暖な気候と豊かな水源にあります。この恵まれた自然こそが、今治タオルを育てたのです。

日本三大タオル 依糸

豊富な水は、糸や生地にやさしいだけでなく、繊細な色の表現や綿が本来持つやわらかさを引き出すのにも役立っています。

また今治タオルには、職人による糸さばき、織の技術、染料の調合といった技術が反映されているのも大きな特徴。一つひとつの工程を丹念に行っているからこそ、世界中の人々を魅了するタオルを生み出せたのです。


今治タオルの魅力は、抜群の吸収力。「5秒ルール」という独自の品質検査を導入しています。これはタオル片を水に浮かべたとき、5秒以内に沈み始めるかどうかの検査です。このような基準を満たしたものだけが、今治タオルのブランドマークをつけることができます。

そんな今治タオルの魅力をさらに知りたいのなら、「今治タオルLAB」を訪れるのがおすすめ。実際に「5秒ルール」「織機」を体験できるほか、今治の豊かな自然、職人のこだわり、タオルづくりの工程などを追った、今治タオルのドキュメンタリー映像の視聴も可能です。

加えて、今治タオルでは2007年9月から「タオルソムリエ」というユニークな資格者を育成中! 興味のある方はぜひこちらをご覧ください。

治タオル
住所:愛媛県今治市
電話:0898-32-7000
公式HP:https://itia.or.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/imabaritowelofficial/
公式X:https://x.com/official_towel?lang=ja

日本のタオル産業の発祥地! 伝統技術の育みを感じる「泉州タオル」(大阪泉州地域)


約130年の歴史を誇る「泉州タオル」。大阪の泉州地域は、日本のタオル産業発祥の地なのです。

1885年、大阪で舶来雑貨商を営んでいた新井末吉氏がドイツ製タオルを入手。タオルは日本でも大いに需要があると判断し、泉佐野市の白木綿業者である、里井圓治郎氏にその製織の研究をすすめたのが、泉州タオルのはじまりです。

これ以前にもタオルは輸入されていましたが、主に襟巻として使用されていたとか。


その後、里井氏は製織法の研究に注力。試行錯誤を重ねた結果、1887年に筬(おさ)のテリーモーションを利用して輪奈(パイル)をつくる「打出機」を考案しました。これにより、タオル製織に成功。その製品をカルキで晒すことで、日本初の後晒(あとさらし)タオルが誕生したのです。これを機に、泉州タオルは発展し続けています。


また、泉州タオルが生まれたのは、泉州産地の豊かな水資源があってこそ。和泉山脈から流れる豊富な水源が、絶えることなく地下200mから汲み上げられる地下水となり、タオル製造に大いに役立っているのです。

泉州タオルの主な特徴は、抜群の吸水性と、ふんわりとした肌触り、清潔感の3つ。綿が持つ本来の吸水性がそのまま生かされており、後晒の工程でさまざまな汚れが落とされるため、とっても清潔です。

このような高性能なタオルを生産できるのは、タオル職人たちの優れた腕のおかげ。伝統のなかで育まれた技術を感じることができる仕上がりになっています。

なお「大阪タオル工業組合」の見学は可能。泉州タオルがつくられる過程のほか、なぜ高品質なのかを知ることができますよ。見学の最後には、ショールームへ。定番から最新作まで、泉州タオルを割引価格で購入できるのが、うれしいですね。

泉州タオル
住所:大阪府泉州地域
電話:072-464-4611
公式HP:https://www.senshu-towel.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/senshutowel_official/

業界のパイオニア! 水に濡れると模様がくっきりと浮かぶ「おぼろタオル」(三重県津市)


1908年に三重県津市で誕生した「おぼろタオル」。創業者である森田庄三郎氏は、経営者であると同時に日本画家としても活躍していました。その天性の才能を生かして、無地で味気なかったタオルに模様を描こうとするのです。

そして生まれたのが、横糸にだけ色を染める「おぼろ染め」という技術。この技術により、吸水性の高さと絞りやすさが格段にアップし、その後も時代とともに発展し続けています。

また、1927年には日本初の細糸による「二重袋織りガーゼタオル」の量産化に成功。次々と新しい商品を製造し、業界のパイオニアに。


「おぼろ染め」で染色したタオルは、乾いた状態だと模様が“おぼろげ”に見えるのが大きな特徴です。一方、水に濡らすとくっきりと模様が浮かび上がります。その様子が、おぼろ月夜が晴れる様子に似ていることから、この名前がつけられたのです。

さらに、細かい糸から生み出されるやさしい色合いと抜群の吸水性も魅力。

選び抜かれた繊細な細糸を、伝統的なおぼろタオルの工程で丁寧に織り上げたという、最高級シリーズ「おぼろ百年の極」は、一度使用したら、リピート必至です。ふわふわとボリュームがあり、限りなくソフトな肌触りがたまりません。

髪、顔、身体のケアに特化して開発された「専用タオルシリーズ」も必見! 肌や髪への負担を最小限にとどめることができるそうです。

そのほか、赤ちゃん向けの「ベビー専用タオルシリーズ」やオーガニックコットンを使用した「おぼろふわふわシリーズ」などバリエーションが豊富。自分用としてはもちろん、ギフトとしても喜ばれそうですね。

おぼろタオル
住所:三重県津市上浜町3-155
電話:059-227-3281
公式HP:https://www.oboro-towel.co.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/oborotowel/

[参考]
大阪タオル工業組合
泉州タオル
一般社団法人 泉佐野シティプロモーション推進協議会

[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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