東京・大阪・名古屋とヘルシンキを結ぶ‘北欧へ最速’のエアライン
‘日本と北欧を最短最速で結ぶ’がモットーのフィンエアー。昨年2023年は創立100周年、また日本就航40周年というメモリアルイヤーでもありました。
ヨーロッパ他都市への乗り継ぎはもちろん、フィンランドやそれ以外のスカンジナビアの国々への便も多く接続もよいことから、フィンエアーは北欧好きな日本人リピーターが多いことで知られています。ヘルシンキ・ヴァンター空港をハブに、欧州の約70都市への同時乗り継ぎが可能で、乗り継ぎ時間は最短で35分と大変便利です。
日本~ヘルシンキの2024~2025冬期スケジュールは羽田(毎日)、成田(週3便)、関空(週3便)、2025年夏季は、羽田(毎日)、成田(毎日)、関空(毎日)、名古屋(週4便)となる予定です。
現在、日本発着便はロシア上空を回避するルートで運航しているため、ヘルシンキまでは所要12時間。北極上空を飛行する便の時は、離陸前に北極航路通過証明書までいただけちゃいます!
ワンランク上のプレエコを実感!背中にフィットするクッション
往路はプレミアムエコノミー(略:プレエコ)に搭乗。新しく生まれ変わったフィンエアーの機内に足を踏み入れると、濃紺を基調としたシックなインテリアに気持ちも解れます。モダンなマリメッコデザインアメニティの数々に、早くもフィンランド気分がアップ。
プレエコクラスは、エアラインによってクオリティの差がかなりあります。なかでもフィンエアーのプレエコは間違いなくトップクラスでしょう。まず腰掛けたときの背中と腰のフィット感が抜群にいい。この形状記憶フォームの座席クッションがカラダ全体を適度にサポートします。大きなレッグレストも備わっていて、これがとてもラクチン。
そして持ち帰りたいほど使い心地のよい首枕! プレエコの座席数は24席、2-4-2の配列。シートピッチ(前方の足元の広さ)はエコノミークラス座席より17.5cm(7インチ)長い、96.5cm(38インチ)。
イッタラの食器でサーブされる素晴らしいプレエコ機内食
素晴らしいのが機内食。エコノミークラスとは違う、プレエコ向けのお料理がきちんと用意されています。ビジネスクラスと同じフィンランドの人気食器ブランド、イッタラの「クーラス・コレクション」でサーブ。メニュー内容はすべて目の前のモニターでチェックできます。
水平飛行になったら、ドリンクとアミューズサービスの時間。辛口の白ワインとともに出される大きなサイズの塩のきいたピーナッツは最高です。
こちらは一度目のミール。北欧の新鮮な素材を使ったフィンランド料理と、日本食を織り交ぜたお料理がサーブされました。搭乗の24時間前までにベジタリアン、低カロリー、低脂肪、低塩、グルテンフリーなど、17種の特別食を選べます。ウェイトコントロールしている方は要チェックです!(今回は低塩メニューを選んでみました)
ちなみに、こちらはエコノミーのミール。コールスローもちょうどよい塩加減でした。
まるで雲の上の小さなリビング!ビジネスクラスで爆睡……
2年がかりで大リニューアルしたというフィンエアー。最大のポイントは、業界初の革新的なビジネスクラスの特別シートにあります。コリンズ社のエアラウンジ(Air Lounge)シートを採用していて、リクライニング構造を用いない、ソファーとフルフラットベッド両方の機能をもつ「レイフラットベッド」を実現。
シェル型ボティーに覆われ、他の乗客が気になることがなく、完全にプライベート感が保たれています。
帰路はこのビジネスクラスを利用しましたが、このお籠り型シートはまさに自分だけのプライベート空間。座ったときに体の右側にくる丸みを帯びた木製ボードなど、座席シートというよりはソファーと家具……雲の上の小さなリビングといった印象です。
シートは快適なマットレスパッドとマリメッコデザインの限定版テキスタイルを使用。シートを倒せば広々としたレイフラットベッドに変わります。約7時間、途中で目覚めることなく爆睡してしまいました。
さらには、便利な収納スペースが右肩の後ろにあって、スマートフォンを床に落とすなどの失敗もなし。個人用読書灯、USB A/Cソケット、PC用電源、標準式ワイヤレス充電器を備え、靴を収めるスペースもあって最後に靴を探す必要もありません。
大きなエンターテインメントスクリーンも付いていて、フライト中のタイムスケジュールから上空映像、機内食メニューやドリンク類のすべてがワンタッチでチェックできます。
離陸前のウェルカムドリンクはスパークリングワインを選びました。このグラスはイッタラでフィンランドの氷をイメージしているそう。日本語メニューも配布されます。
ドリンクメニューもうれしくなる豊富さ! ワイン、フィンランド産の人気ジン、ウォッカも……。ノンアルコールドリンクも充実しています。帰りはヘルシーなブラッディマリーにしてみました。
日本~フィンランド線には、日本人客室乗務員もいて安心です。
往路の1回目のミールは、柚子の風味豊かなチキンのマリネをチョイス。前菜のエビタルトとスモークサーモン、ケールのフムスも上品な味わいです。とにかくフィンエアーのお料理は、全クラス、きちんとした味付けがされていて、舌の肥えた日本人がおいしいと感じるものばかりでした。
デザートはキーライムパイと砕いた塩キャラメル、生クリームとベリー添え。チーズ盛り合わせもいただいてみました。フィンランド産「ベルトラン・ブルーチーズ」、ミルクの香り高いブランデーとナッツのチーズ「ジュストポルティ 」はチーズをたくさん食べないという人でも、ペロリといただける極上チーズ!!! 白ワインがすすみます。ぜひお試しを。
東京到着前にサーブされた2度目のミール。スクランブルエッグとチーズ、ポテトコロッケとソーセージ&マッシュルーム。ヨーグルトとフルーツ付きの充実の朝ごはんに大満足でした。
世界で唯一!サウナのあるヘルシンキ空港ラウンジへ
ヘルシンキ・ヴァンター空港は、2013~2023年にかけて大規模リニューアルが行われ、すべてのゲートとフライトが同一ターミナルに集約されて、案内表示が簡潔で見やすくなって移動しやすくなりました。
利用してみると分かりますが、それほど混雑することなく、すべてがスムーズ。トイレで鳥の声を流していたりもして、空港でフィンランドの自然を感じる、そんな印象です。2023年は国際空港評議会(ACI)でベストエアポートにも選ばれました。
復路のヘルシンキ空港で、ビジネクラス利用者、フィンエアープラスやワンワールドの上位会員が無料で利用できるノンシェンゲンサイドのラウンジを利用してみました。
広々としたホテルラウンジのような空間に、フィニッシュデザイン、たとえば、アアルトやアルテックの家具や食器が使用され、料理も充実。
とくに、バーエリアのドリンク類も豊富。好きなカクテルを注文できますが、シグニチャーカクテルのリンゴンベリー・ジントニックがおすすめ。旅の始まりと終わりに相応しい、いかにもフィンランドらしいおもてなしでリラックスできたことはいうまでもありません。
※エコノミークラス乗客も有料で利用可能。ラウンジ受付で購入の場合は大人55ユーロ、子ども(2‐11歳)15ユーロ)、事前ネット予約は割引となる。
世界で唯一、フィンランド式サウナのある空港です!(※フィンエアー・プラチナ・ウィング内の設備)
この冬、北欧でのオーロラ観察やサウナ巡りなどをプランしている方は、ぜひ新しいフィンエアーを体験してみませんか?
取材協力:フィンランド航空
[All Photo & Text:Sachiko Suzuki (RAKI COMPANY)]