ピラミッド型の美しい山容が目を引く「大山」
東京から約2時間、「大山」は、丹沢大山(たんざわおおやま)国定公園に位置します。ピラミッド型の美しい山容が印象的です。大山の別名が「雨降山(あふりやま)・あふりやま(阿夫利山)」というのは、相模湾の水蒸気を含む風を受け、雨が降りやすい(また上がりやすい)ことに由来します。
江戸時代中期から後期に最盛期を迎えた「大山講」
縄文の太古から霊山として崇められてきた大山。特に江戸時代中期から後期にかけては、地域や同業者の集まりなどが大山詣りする「大山講」が盛んに。
江戸の人口が100万人の時代に、年間20万人ほど大山詣りしたと伝えられています。
また、大山詣りとは、大山鳶といった職人たちが巨大な木太刀を江戸から担いで運び、滝で身を清めてから奉納と山頂を目指すという、他に類を見ない庶民参拝。このような姿が、歌舞伎や浮世絵にも描かれています。
「大山」の見どころ4選とおすすめ登山コース
ここからは、大山の見どころ4選とおすすめ登山コースをご紹介します。
江ノ島や四季折々の自然を楽しめる「大山ケーブルカー」
「大山ケーブルカー」は、山麓の「大山ケーブル駅」から山上の「阿夫利神社駅」までを結んでいます。全長0.8km、標高差278m、所要時間は約6分です。大きな窓からは江ノ島や相模湾の景色のほか、四季折々の自然美を堪能できます。
聖武天皇の勅願によって開創されたといわれる「雨降山 大山寺」
“大山のお不動さん”として親しまれている「雨降山 大山寺」は、755年に奈良・東大寺の初代別当である良弁(ろうべん)によって開創されたと伝えられています。
本堂に安置された本尊・鉄鋳不動明王と、二童子像は国の重要文化財に指定されており、寺の行事のほか「8」の付く日に拝観可能です。
さらに毎年2月28日に執り行われる五壇護摩では、本堂に5つの護摩壇を設置。僧侶が五穀や油を注いだ智慧の火で護摩を焚き、 煩悩を焼き払います。
美しい景色を思う存分、堪能できる「大山阿夫利神社」

大山阿夫利神社 下社
2,200年以上前、崇神天皇のころに創建されたと伝えられる「大山阿夫利神社」は、古来「あめふり山(雨降山)」とも呼ばれ、雨乞いや五穀豊穣の祈願の対象でした。祭神は、大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)・大雷神(おおいかずちのかみ)・高龗神(たかおかみのかみ)の三柱です。

下社からの景色
この神社は、大山山頂の「本社」と、標高700mの中腹に位置する「下社」からなり、下社からは雄大な相模湾の絶景を拝めます。この景色は『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で2つ星を獲得。
さらに本社の南側からは、江ノ島はもちろん、相模湾や三浦半島、伊豆半島、遠くには房総半島を見渡せます。一方、山側からは丹沢山塊の美しい山並みのほか、富士山の姿を見ることも可能です。
どこか懐かしい! レトロな雰囲気が漂う「こま参道(大山参道)」
大山阿夫利神社下社や大山登山への玄関口となる「こま参道(大山参道)」は、風情あふれるエリアです。旧参道やとうふ坂などの通り沿いには、往年の面影を残す石柱型の玉垣が並んでいます。
大山名物の豆腐料理店のほか、和食店や和菓子店、お土産店などがあり、ランチやお茶を楽しむことができますよ。気になるお店があったら、ぜひ立ち寄ってみてください!
初心者でも安心! おすすめの登山コース
大山を初めて登る方におすすめなのが、所要時間5時間(休憩1時間含む)の最もポピュラーなコース。
阿夫利神社下社から出発し、表参道から富士見台を経由して大山山頂へ向かいます。下りは、見晴台を経由して下山。夫婦杉や二重滝、モミの原生林といった貴重な自然が見られるスポットが点在しているのが魅力です。
登山コースの詳細についてはこちらをご覧ください。
住所:神奈川県伊勢原市大山
電話:0463-94-4729(伊勢原市商工観光課)
交通アクセス:小田急線「伊勢原駅」北口からバス(大山ケーブル行)で30分、「大山ケーブル」下車
公式サイト:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ph7/cnt/f7631/documents/tanzawaohyama.html
[参考]
大山ケーブルカー
神奈川県
産業能率大学
丹沢・大山エリアナビ
観光かながわNow
伊勢原市観光協会
あつぎ観光なび
[All photos by PIXTA]