一人の老人が生んだ奇跡の村とは?彩虹眷村(レインボービレッジ)の歴史
なぜ、台中に観光客が集まるフォトスポットができたのか……? 実は、彩虹眷村は元々「取り壊し予定の軍人村」でした。眷村(ジュエンツン)とは、1949年の中国内戦後、国民党軍の兵士やその家族が住むために作られた集落だったそうです。しかし、時代の流れとともに住民が減り、政府はこの村を取り壊す予定でした。
そんな中、この村の住人であり、元軍人の黄永阜(ホワン・ヨンフー)さんが、ひとりで村の壁に絵を描き始めたのです。 黄さんは当時86歳。「村がなくなるのが寂しい」と、動物や人々の笑顔を描き、村をカラフルに彩っていきました。その独特なアートが口コミで広がり、やがて大学生や観光客が訪れるように。
そして、SNSの力もあり、「取り壊すのはもったいない!」と署名運動が起こり、ついに政府は村の保存を決定したのです。そんな、おじいさんの想いが、多くの人を動かし、歴史ある村を救った……それが、彩虹眷村の奇跡の物語と言われています。
どこを撮ってもフォトジェニック!彩虹眷村の見どころ
カラフルな壁画でいっぱいの彩虹眷村。旅行ガイドブック「ロンリープラネット」でも、「世界の穴場観光スポット」に選ばれたこともあるこの場所は、どこを歩いても素敵な写真が撮れます! 特におすすめのスポットをご紹介します!
「25号 老兵在」おじいさんのポスト
村の入り口には「25号 老兵在」というポストが。「25号 老兵在」とは「老兵はここにいます」という意味で、この村の玄関とも言えるフォトスポット。ここを歩くだけで、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような気分になります。道にもイラストがあるので、しゃがんで撮ったりするのも可愛いです(通行の邪魔にならないようにだけ気をつけましょう)
人気の「笑顔のキャラクター」
彩虹眷村には、黄色い顔に大きな目と笑顔が描かれたキャラクターがたくさんいます。このキャラクターは、黄さんが「みんなが笑顔になれるように」と願って描いたもの。ポップで可愛いので、ぜひ一緒に写真を撮ってみて!
ハートいっぱいの「ラブウォール」
恋愛運アップを願うなら、こちらの「ラブウォール」へ。赤やピンクのハートが描かれた壁は、女性に大人気のフォトスポットです。カップルで訪れるのもおすすめ。
歩き回るうちに、時間は過ぎていき1時間以上は要したい所。こんなに広大なエリアを一人で描き上げたことに「すごい…!」と感じるだけでなく、訪れた観光客を楽しませてくれるポップなイラストで、お気に入りを探すのも楽しいです。あまりにも可愛い絵が多いので、広く写真を収めるのではなく、パーツで収めるのがフォトジェニックな写真を撮るコツです。
彩虹眷村の魅力をさらに楽しむには?
お土産も買えちゃいます!
イラストを一人で描き上げた黄おじいさんと、運がよければ村で出会えるのが魅力でしたが、2024年1月にお亡くなりになってしまいました。100歳だったそうです。筆者もかつて訪問した際は、イラストを描いていらっしゃって、サインをしていただきました。
しかし、彼の思いを引き継いで、村は現在も観光可能! 中には、小さなお土産ショップもあり、彩虹眷村デザインのポストカードやトートバッグなどが販売されています。カラフルなグッズは、旅の思い出にぴったりです。筆者はポストカードとマスキングテープを購入しました。
彩虹眷村へのアクセスとおすすめの時間帯
アクセスは、台北から高速鉄道(新幹線)で台中駅に到着したら、つながっている台鉄・新鳥日駅でバスに乗車が簡単!
- 台中駅からバスで約40分(27番または56番のバスに乗車)
- タクシーなら20分ほど
と向かうことができます。
おすすめの時間帯ですが、朝早く訪れると、観光客が少なくゆっくり写真が撮れます。昼間は光が強く、カラフルな壁画がより鮮やかに映えるので、午後もおすすめ。
台北旅行だけでなく、魅力あふれる台中の彩虹眷村。きっと、写真だけではなく、心に残る旅の思い出になるはずです。台北から日帰りで行けるので、ぜひ週末旅行の候補にいかがでしょうか?
所在地:台中市南屯区春安路56巷25号
営業時間:10:00-18:00(ショップ)
定休日:月曜日
入場料:無料
https://travel.taichung.gov.tw/ja/attractions/intro/905