意外と知らない「コペルト」とは?イタリアの席料システム

この写真の一番下に記載があるのが、コペルト(Coperto)
イタリアのレストランやトラットリアでは、注文した料理とは別に、「コペルト(Coperto)」という席料が加算されるのが一般的です。このコペルトは、「テーブルについた際に提供されるパン代」や「カトラリー・ナプキン代」、「サービス料」の意味合いを持ち、1人あたり1〜3ユーロが相場。
メニュー表には小さく記載されていたり、店頭に明記されていたりすることもありますが、気づかずに入店してしまうことも多いのが難点です。さらに観光地のレストランでは、「Servizio(サービス料)」として、さらに10〜15%の料金が上乗せされるケースも。
2人で食事をした場合、料理代以外に5ユーロ以上が加算されることもあるのです。そのため、「安く見えたレストランが、実は割高だった」というケースも珍しくありません。メニューに記載があるので、必ず入店前に確認しましょう。

筆者が入ったお店ではカプレーゼは12ユーロ、コペルトに席料で追加でカプレーゼ代よりも高くなったことも
ローカル気分で楽しめる!「テイクアウト(ダ・ポルタ)」という選択肢
そんな中、食の都イタリアでコスパよくグルメを楽しむ方法としておすすめしたいのが、「テイクアウト(da asporto)」です。実はイタリアでは、ピザやパスタ、パニーニなどの料理をテイクアウトする文化も定着しています。
ピッツェリアやトラットリアでは、テイクアウト注文ならコペルトがかからず、店頭の窓口やカウンターでピザやパニーニを気軽に購入することができます。さらにはパスタも持ち帰り可能! 料理代だけで済むというメリットがあります。ナポリで有名な「L’Antica Pizzeria da Michele」でも、イートインには行列ができる一方、テイクアウトならスムーズに注文できて安く済むことも。
注文の際は、「Da portare via, per favore.(テイクアウトでお願いします)」と伝えるのがスマート。英語でも“to go”や“take away”で通じる場合が多いです。特にランチや軽食の時間帯は、地元のビジネスパーソンたちも手早くテイクアウトで済ませることが多いそう。混雑を避けながらお得に食事ができるという点でもおすすめです。
筆者のお気に入りは、有名店のピザをテイクアウトし、スーパーでビールやワインを買い、ホテルの部屋で食事をすること! 筆者が泊まったホテルにはテラスがあったので、イタリアの風を感じながら食事できるのも、まるでお店のテラス席にいるようで気持ちよかったです。
スーパーやデリも侮れない!おすすめの活用法
もうひとつの強い味方が、スーパーのデリコーナーやローカル食材店。生ハム、チーズ、フォカッチャ、オリーブ、サラダ類など、まさに“イタリアン”な味覚がそろい、しかも価格は良心的。好きなものを少量ずつ買って、自分だけの“イタリアンプレート”を作るのもおすすめです。
特に大都市のスーパー(CoopやCONADなど)では、量り売りやパック商品が充実。さらに、日本では高価な水牛モッツァレラやペコリーノチーズなども、現地では驚くほどリーズナブルに手に入ります。
スーパーのワイン売り場には1本3〜5ユーロでおいしい地元産ワインもそろっているので、自分だけの“イタリアンディナー”を手軽に楽しむことができます。パンとチーズ、フルーツを組み合わせれば、栄養バランスもよし。おつまみ感覚で食材を買って、夜景を見ながら晩酌……なんてこともできます。
テイクアウトをさらに楽しむ!絶景スポットでの“ピクニック飯”
テイクアウトの強みは、絶景スポットで食事が楽しめること。たとえば、
- フィレンツェのミケランジェロ広場でトスカーナワインとパニーニを。
- ローマのアヴェンティーノの丘で夕暮れのコロッセオを眺めながら。
- ヴェネツィアの小さな橋の上でカナルを眺めつつ。
屋外で食べるからこそ味わえる、開放感と非日常感。これこそが、テイクアウト×イタリア旅の醍醐味です。
イタリア旅行で食事を楽しむなら、コペルト(席料)やサービス料の存在を知っておくことが第一歩。それを上手に回避しながら楽しむなら、テイクアウトやスーパーの活用が最強の選択肢です。
レストランでの贅沢なディナーも、もちろん旅の醍醐味。でも、天気のいい日には、おいしいピザを片手に広場のベンチでランチ。スーパーで選んだワインとチーズで、ホテルのバルコニーで乾杯――そんな自由で気ままな食体験も、イタリアならではの魅力です。旅の満足度を落とさずに、食費はしっかり抑える。そんな賢いイタリア旅の裏技、ぜひ次の旅行で試してみてください!