
4年ぶりにリニューアル!「JAL SKY MUSEUM」とは

2013年のオープン以来、年間10万人以上が訪れる「JAL SKY MUSEUM」は、空に関わる仕事や飛行機を間近で見ることができる人気の工場見学施設です。子どもから大人まで幅広い世代から愛される「JAL SKY MUSEUM」が今回4年ぶりにリニューアル。主に以下の6つのポイントが進化しました。
- 入口エントランスのリニューアル
- 見学時間を110分から130分へ拡大
- 「トワイライト枠」など時間帯の新設・拡充
- リニューアル記念を含む限定グッズがさらに充実
- 「アーカイブズゾーン」と「フューチャーゾーン」にて新たな展示が開始
- 入場料の設定
それでは実際の見学の流れに沿って、順番にご紹介していきます!
JALが丸ごとわかるミュージアムへ!

最初に足を踏み入れたのは、JALの仕事や歴史を体感できるミュージアムエリア。滑走路を思わせる広々とした空間に、お仕事紹介ブースや実際のコックピット・客室を再現した模型が並び、空の世界を一気に感じられます。撮影スポットとしても人気で、思わず足を止めたくなる仕掛けが満載です。

今回は、総務本部ESG推進部社会貢献グループ・グループ長の吉田俊也さんにもご案内いただきながら、その見どころをじっくりと巡っていきました。
空の仕事がわかるスカイランウェイ

滑走路のような通路の先に現れるのが、JALで働くスタッフの仕事を紹介する「スカイランウェイ」。運航乗務員・客室乗務員・グランドハンドリング・グランドスタッフ・整備士の5つの職種を象徴する道具やディスプレイが並び、空の仕事をリアルに学べます。
ミュージアム奥には巨大な飛行機が!
裏側はコックピットになっています
奥へ進むと、訓練用に使われていたコックピットが登場。吉田さんによると、「現在展示しているのはJTAで訓練用に使われ、すでに退役したボーイング737-400型機の機材で、沖縄から搬入したもの。25年にわたって4万回以上の訓練を支えてきた貴重な史料なんです」とのこと。
パイロットの視界をリアルに再現するため、窓枠などの設置も工夫されているのが特徴で、夏休みなどには待機列ができるほどの人気だそうです。

中へ入ると、計器が手元から天井までぎっしり。座席は想像以上にコンパクトで、「本当にここで操縦しているの!?」と驚かされます。

また、パイロットや客室乗務員などの制服体験も人気。マジックテープ式で大人も子どもも気軽に着用でき、コックピットや客室のモックアップを背景に記念撮影が楽しめます。私も一番人気の客室乗務員の制服を着て、ポージングを教わりながら撮影。CAになりきれる貴重な体験でした。
JALの歴史をたどるアーカイブズゾーン

「航空史ではなく、航空文化史を伝える」をコンセプトに、JALと日本の空の歩みをたどれるのがアーカイブズゾーンです。歴代航空機12機のモデルプレーンや、創業当時の歩みを紹介するデジタル年表などを通して、JALがどのように「日本の玄関口」として時代を築いてきたのかが一望できます。

制服展示も大きな見どころの一つ。1951年から採用された初代制服から始まり、現在は11代目にあたる最新デザインまで、時代の流れとともに移り変わってきた「JALの顔」が一堂に並びます。

なかでも注目を集めていたのが、今回のリニューアルで新たに展示に加わった「着物の制服」。国際線への進出が始まった時代に、海外のお客様に日本文化を知ってもらいたいという思いから生まれた制服です。吉田さんから、「実は上下が分かれたセットアップ型で、作り帯を上から差し込むだけの仕様。狭い機内でもすぐに着替えられるよう工夫されているんですよ」と、当時の現場の工夫も教えてもらいました。
扇子の裏は機内販売のお酒リスト。「ビール ¥90」という価格に時代を感じます
さらに、実際に機内で配布されていた扇子やソーイングセットといったノベルティやアメニティなど、今では貴重な実物資料も、リニューアルにより多数展示されていました。
旅心くすぐる海外シティガイドも、リニューアルにより新たに登場。レトロなデザインが可愛い
そのほか、まだ海外旅行が一般的ではなかった時代に、日本人の渡航を後押しするために制作された海外シティガイドも。JALが単なる交通機関ではなく、「日本文化を世界へ届ける存在」だったことが伝わってきます。
未来の空の仕事を知るフューチャーゾーン

続いて訪れたのは、JALが未来に向けて取り組むプロジェクトを紹介する「フューチャーゾーン」。今回のリニューアルでは、奄美アイランドドローンと空飛ぶクルマという2つのコンテンツが新たに追加されました。
部屋の壁一面をぐるりと囲む大型スクリーンでは、約3分の映像コンテンツを上映。離島の医療・物流を支えるドローンの活用や、近未来の移動インフラとして期待される空飛ぶクルマなど、“未来の空の仕事”を体感できる内容です。
静的な展示ではなく、迫力満点の映像で没入感のあるエリアになっており、大人も思わず見入ってしまいました。
ここでしか見られない格納庫に潜入!

続いてはいよいよ、実際の整備現場へと潜入します! 最初に案内されたのは第1格納庫。ここは主に大型・中型機の重整備にあたる作業が行われている場所で、定期的な点検や機体の状態確認が行われています。
この日はちょうどボーイング767型機が整備中で、巨大な機体が足場に囲まれている光景は思わず息をのむ迫力。普段は見ることができない飛行機の裏側を目の当たりにするのは、胸が高鳴る体験です!

第1格納庫を見学した後は、次の格納庫へ向かうため「連絡橋」を通って移動します。この連絡橋はドラマや映画のロケ地としてたびたび使用されてきた場所で、2006年放送の上戸彩さん主演ドラマ『アテンションプリーズ』にも登場したとのこと。
ただしここはあくまで「整備士が行き来する職場エリア」で、客室乗務員やパイロットが日常的に通る場所ではないというのも意外なポイント。こうした話をその場で知ることができるのも、現場の空気を感じながら歩く工場見学ならではの醍醐味です。

連絡橋を抜けると、視界いっぱいに広がるのが第2格納庫。こちらは横幅約195m・奥行き約105m というスケールを誇り、最大で6機もの航空機を同時に収容できるJAL最大級の整備エリアです。まるで巨大な体育館に入ったようなスケール感に圧倒されます。
この日はちょうど3機の航空機が整備中で、目の前に見えるのはボーイング787。ガイドさんによると、ボーイング787型機は機体の約半分が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でできているのが最大の特徴なのだそう。金属製の機体に比べて大幅に軽量化され、さらに客室の気圧や湿度も比較的高く保てるため、「耳が痛くなりにくい」「肌が乾燥しにくい」という快適性を実現している機種です。

機体後部に目を向けると、黒い大きな穴のようなものが見えてきます。これは APU(補助動力装置) の排気口。メインエンジンを停止しているときでも、電源や空調をまかない、エンジンのように推力を発生することはないですが、重要な装置です。

ボーイング787型機の翼にも注目してみると、翼の先端が鳥の羽のようにしなやかに反っているのがわかります。ガイドさんによれば、これは「レイクドウィングチップ」と呼ばれる構造で、空気抵抗を減らすために設計されたもの。翼の美しさは、最新の技術が詰まった“機能美”だったんですね。
さらに今回のリニューアルで新設されたのが、約5年ぶりに復活した夕方限定の「トワイライト枠」。明るい昼間とは大きく異なり、格納庫の外にはゆっくりと色を変えていく空が広がります。最初はまだ白さの残る光で、そこから徐々に淡いオレンジ色になり、紫色に染まる夕焼け空へと移り変わる光景は圧巻の美しさ。



風向き・天候・機材・時間帯によって毎回見える景色が変わるため、リピーターが多いのも納得です。「次は夏に」「今度はトワイライト枠で」と、時間を変えて何度でも訪れたい工場見学だと感じました。

整備場の外を見学するのは一旦ここまで。視線を整備場内へ移すと、機内の内装パネルが外され、断熱材がむき出しになっている機体も見ることができました。中が淡いピンク色に見えるのは、その断熱材によるもの。普段は乗客の目に触れない構造が見られるのは、まさに「飛行機の裏側」を体験できる工場見学だからこそ。

取り外したパネルには赤い袋がぶら下げられています。これは、外したネジやビスが1つでも足りない・余るのは絶対に許されないため、専用の袋に入れてどの位置から外したかまで厳密に管理されているとのこと。現場の緊張感が伝わってきます。

整備士たちが格納庫内の移動時に使用するのは、ずらりと並んだ三輪車。前後のカゴには部品などの機材を積むことができ、広大な格納庫を素早く移動するためのものだそうです。仕事のスピード感と正確性が重視される現場の工夫が随所に見られます。

足元を見ると、たくさんのシルバーのコンテナが並んでいます。JALには約7,000個ものコンテナが存在するそうです。空港でよく見かけるコンテナの中には“見た人は幸せになれる”黄色いコンテナが1つだけあるのだとか。こうした思わず誰かに話したくなる裏話が聞けるのも、工場見学ならではの楽しさです。

最後に教えてくれたのが、機体の座席などにかけられているビニールのカバーはホコリ避けではなく、静電気防止のためという話。航空機は静電気を帯びることが安全上大きなリスクとなるため、あらゆる工程で帯電させないことが徹底されているのだそうです。
細部にわたる安全へのこだわりを感じながら、格納庫を後にしました。
ミュージアムショップも見逃せない!限定グッズもチェック

見学の最後に立ち寄ったミュージアムショップは、ここでしか手に入らない限定グッズが勢ぞろいする人気スポット。今回のリニューアルにあわせて、新たに6つの限定商品がラインナップに加わりました。
ミニポーチ(税込2,200円)
ペンケース(税込2,300円)
タオルハンカチ(税込900円)ORIGAMI マグカップ(税込2,000円)
MiiR ワイドマウスボトル(税込5,500円)
なかでも注目なのが、機内で回収された紙コップを再利用し、紙糸を原料として作られたポーチ・ペンケース・タオルハンカチ。サステナブルな取り組みを形にしたアイテムで、使い勝手のよさが魅力です。
御翔印(税込600円)御翔印用アクリルケースフォトフレーム(税込2,200円)
イチオシは、数量限定で販売される特別版「御翔印(ごしょういん)」。航空版の御朱印として人気を集める商品で、今回は発売1周年記念の特別仕様。金箔入りの文字が輝くデザインで、思わずコレクションしたくなる存在感です。
飛行機のチャームがポイント!JALストラップ(税込800円)
ミュージアムショップの人気No.1商品は、JALのロゴ入りストラップ(税込800円)。カラーバリエーションも豊富で、まるでJALの社員の一員になったような気分になれるアイテム。自分の好きな色や推しのカラーを選んでみるのも楽しそうです。
ここでしか入手できない限定アイテムがそろうので、ぜひ時間にゆとりを持って立ち寄ってみてください。
予約方法は?
予約は公式サイトからのオンライン申込のみ受け付けています。人気の見学会のため、予約開始直後に埋まってしまうこともあるので、事前に流れを把握しておくのがおすすめです。
・予約方法:公式サイトから(https://www.jal.com/ja/kengaku/reservations/)
・決済方法:クレジットカードのみ(予約時に支払いが必要)
・受付開始:見学希望日の1か月前の同日9:30〜スタート
(例)4月15日に行きたい場合 → 3月15日9:30から受付
人気枠は受付開始から20〜30秒で埋まることもあるとのこと。特にトワイライト枠・週末・長期休暇期間は埋まりやすいため、9:30ぴったりにアクセスするのが安心です。
何度でも行きたくなる唯一無二の体験をここで

4年ぶりに大幅リニューアルを遂げた「JAL SKY MUSEUM」。展示や体験コンテンツがさらに進化し、大人でも思わず時間を忘れてしまうほどの充実ぶりでした。
普段は決して立ち入ることのできない整備現場で、空の仕事をリアルに感じられる、まさに唯一無二のミュージアム。飛行機が好きな人はもちろん、旅好きな人や社会科見学が好きな人も、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。
►開催曜日:月・火・木・金・土・日
►開催時間:9:30〜11:40/10:45〜12:55/13:30〜15:40/14:45〜16:55/16:30〜18:40
※一部コースの開催日は当該時間枠をお選びいただけない場合があります。
※トワイライト枠は毎日の開催ではなく開催期間・曜日を限定して実施します。
►見学対象者:小学生以上
※小学1、2年生:入場可。ただし、5名につき1名の割合で成人(18歳以上)の同行が必要です。
※小学3〜6年生:入場可。ただし、成人(18歳以上)の同行が必要です。
※小学生未満は入場不可
►見学可能人数:50~80名程度
►見学料金:リニューアルに伴い、2025年11月1日(土)見学分より入場料が無料から有料へ変更されました。
・工場見学コース:大人1,000円(税込)/子ども(12歳以下)無料
・ライフベスト体験コース:大人・子ども共通 1,500円(税込)
・STEAM SCHOOL:大人・子ども共通 1,500円(税込)
・ビジネスクラス機内食体験&FUJI号プレミアムコース:大人・子ども共通 8,000円(税込)
►持ち物:代表者の身分証明書(健康保険証、運転免許証など)
6、7歳の子どもは小学生であることを証明するものをご持参ください(健康保険証など年齢の確認ができるもの)
►アクセス
会場:JALメインテナンスセンター1
住 所:東京都大田区羽田空港 3-5-1
最寄り駅:東京モノレール「新整備場」駅下車、徒歩2分
お問い合わせ:03-5460-3755(9:30〜16:30)
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
※営業については最新情報をご確認ください。
[All photos by Kei & TABIZINE編集部]


