(C) 五島市観光協会
九州の最西端に位置し、約140もの島が連なる長崎県・五島列島。禁教令の間、キリスト教信者達の潜伏・復活の地であり、2018年の世界文化遺産登録を目指す取り組みが進められていることでも注目を浴びています。今回は人生に一度は訪れたい、五島列島の7つの魅力をご紹介しましょう。
弾圧による歴史を乗り越えてきた教会群
江戸時代の禁教令下、仏教徒を装いながら潜伏キリシタンとしてキリスト教信者が移り住んだ五島列島。1873年、明治政府によって禁教令が解かれると信者は信仰の自由を教会建築という形で表現。島にはいくつもの教会が建てられました。現在もなお50の教会が存在し、島の人々によって大切に守られています。
頭ヶ島天主堂
(C) 長崎の教会群インフォメーションセンター
西日本では唯一の石造りの頭ヶ島天主堂。1887年に木造教会が建てられ、1919年に現在の石造り教会が完成。2018年の世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産※」を構成する「頭ヶ島の集落」に包括される教会でもあります。
※平成28年9月1日、世界遺産登録推進会議において名称が「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」から「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」 に変更となりました。
水ノ浦教会
(C) 五島市観光協会
水ノ浦の入江を望む丘に立つ1880年創建の水ノ浦教会(1938年改築)。日本で現存する木造教会堂としては最大規模だそう。白い外壁が青空に映え、優美な雰囲気。
江上天主堂
(C) 五島市観光協会
1918年創建された江上天主堂。クリーム色の外壁に、水色に塗られた窓枠がアクセントとなった可愛らしい印象。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する「江上集落」に包括される教会です。
旧五輪教会堂
(C) 五島市観光協会
1881年に浜脇教会として建てられた教会が、1931年に現在の場所に移築された旧五輪教会堂。木造瓦葺平屋建ての外観、ゴシック様式の内装が織りなす、和と洋が混在した貴重な建築。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する「久賀島の集落」に包括される教会です。
どこまでも透明な海が広がる、高浜海水浴場
天然の海水浴場としては、日本一の美しさを誇るとも言われる高浜海水浴場。輝くような白銀色の砂浜とエメラルドブルーの海は、ため息が出るのほどの美しさ。
(C) 五島市観光協会
青空に映えるどこまでも続く透明な海。夏にはビーチハウスなども整備され、県内外から多くの人々が訪れるようです。
断崖絶壁に佇む大瀬崎灯台
(C) 五島市観光協会
九州本土最西端に位置する大瀬崎灯台。激しい風や波によって浸食された断崖絶壁が作り出す風景は圧巻!
(C) 五島市観光協会
大瀬崎灯台は九州本土で最後に夕陽が沈む場所としても有名。深津絵里さん、妻夫木聡さん出演の映画「悪人」のロケ地にもなったのだそう。
干潮時だけ現れる前島のトンボロ
(C) 五島市観光協会
海で隔てられた陸地と島が、干潮時のみ砂州によって繋がるトンボロ現象。前島のトンボロは普段は海の中にありますが、干潮時には2つの島を結ぶ浜となり末津島へ渡ることが可能。澄みわたる海を眺めながらゆっくりと歩いてみたいものです。
花々と海のコントラストが美しい、魚津ヶ崎公園
(C) 五島市観光協会
福江島にある魚津ヶ崎公園。季節ごとに花が咲き誇り、訪れる人々を楽しませてくれます。見渡す限り続くお花畑と海のコントラストは五島列島ならではの美しさ!
コシの強さとなめらかな食感が絶妙! 五島うどん
(C) Facebook/五島手延うどん協同組合
遣唐使の時代に五島列島に伝わったと言われるほど長い歴史のある、五島うどん。五島特産の椿油を塗りながら手延されたうどんは、コシの強さとなめらかな食感が特徴。茹であげられた熱々のうどんをそのまま鍋からすくい、飛魚のだし(あごだし)でいただくスタイルが地元では定番です。
夕暮れは神秘的な光景が広がる、渕ノ元カトリック墓碑群
(C) 五島市観光協会
福江島の北西の海に面し、草原の一角に十字架をかたどった墓標やマリア像が立ち並ぶ、渕ノ元カトリック墓碑群。夕日に照らされる十字架の墓標やマリア像は神秘的な光景。
美しい自然景観に恵まれた五島列島ですが、大規模なリゾート施設などはなく、素朴で穏やかな時間が流れているのも魅力。
五島列島の中心となる福江へは、飛行機で長崎空港から約30分、福岡空港から約40分。長崎港や博多港からフェリーや高速船もあります。もちろん各島間のアクセスも充実。九州を訪れた時は風光明媚な自然美や、日本のキリスト教の歴史を今に伝える教会群を巡る旅をしてみてはいかがでしょうか?
[五島市観光協会]
[Photo by Shutterstock.com]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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