ドイツのクリスマスマーケットといえば、「ドイツ3大クリスマスマーケット」と呼ばれる、ニュルンベルク・ドレスデン・シュトゥットガルトのクリスマスマーケットが有名。
しかし、全土で2500以上ものクリスマスマーケットが開催されるドイツには、まだまだ日本では知られていない魅力あふれるクリスマスマーケットが眠っています。
そのひとつがエアフルトのクリスマスマーケット。ドイツ国内では最も美しいクリスマスマーケットのひとつとして知られる、エアフルトのクリスマスマーケットの魅力を現地からお届けします。
花の都・エアフルト
ドイツの中央部に位置するテューリンゲン州の州都がエアフルトです。この町の名前を知っている人はなかなかのドイツ通。
日本ではあまりその名を知られていませんが、1200年もの歴史をもつエアフルトは中世の時代から商業都市として栄えてきた町。旧市街にはカラフルな木組みの家や貴族の館など、壮麗な建物の数々が残っています。
エアフルトを象徴する建造物が、742年創建の巨大な大聖堂と、かつては商人たちが往来したカラフルな建物が連なるクレーマー橋。優雅でありながら親しみやすい町並みは、今なお中世の面影を残しています。
大聖堂をバックにした絶景クリスマスマーケット
エアフルトのクリスマスマーケットが「ドイツで最も美しいクリスマスマーケットのひとつ」と称賛されるわけは、特別なロケーションにありました。
エアフルトのクリスマスマーケットのメイン会場となるのは、奥に大聖堂とセヴェリ教会というふたつのランドマークがそびえるドーム広場。
ライトアップされたふたつの教会が冬空に浮かびあがり、その手前には20メートルのクリスマスツリーや12メートルのクリスマスピラミッド、巨大な観覧車、メルヘンチックな装飾が施された屋台の数々が並びます。
それらが織り成す景色は、「絶景」と呼ぶにふさわしい見事な風景。目に入った瞬間、あまりにも荘厳な光景に息を呑まずにはいられません。
雪化粧でいっそうロマンティックに
大聖堂のお膝元で開催されるだけあって、優雅で華やかな雰囲気満点のエアフルトのクリスマスマーケット。筆者が訪れた日は、雪化粧を施されひときわロマンティックな姿へと変身していました。
白い雪が光を浴びて輝く光景はため息もの。メイン会場では、どこにいても大聖堂やセヴェリ教会、観覧車、クリスマスツリーのどれかが必ず目に入るので写真映えもばっちりです。
アットホームであたたかい雰囲気
エアフルトのクリスマスマーケットの魅力は、ただ景色が美しいというだけではありません。ドイツでは有名とはいえ、ドイツ3大クリスマスマーケットに比べると観光客が少ないため、地元客中心のクリスマスマーケットならではのアットホームな雰囲気があるのです。
グリム童話を再現したコーナーの人形たちは、手作り感たっぷり。かわいいような、ちょっと不気味なような、このなんともいえないゆるさにはまってしまいます。
ノスタルジックなムード
子ども時代に夏祭りで遊んだ思い出がよみがえってくるような懐かしい風景の数々にも出会えます。レトロな乗り物が並ぶメリーゴーランドに、小さな女の子たちが挑戦しているのはアヒルの人形釣り。
こうした昔ながらの遊びが現役でいる様子を見ると、なんだかほっとしますね。こんなエアフルトのクリスマスマーケットを歩いていると、心に灯がともるかのような感覚に包まれるはずです。
地域色あふれる屋台
エアフルトのクリスマスマーケットは地域色豊か。テューリンゲン産のはちみつや、テューリンゲン名物のソーセージやじゃがいも団子「クヌーデル(クロース)」、この地域特有の形をしたマジパン菓子など、ドイツのほかの地域ではあまり見られないご当地屋台が数多く出ています。
ただ景色を眺めるだけではなく、屋台で買い物をしたりB級グルメにチャレンジしたりするのがクリスマスマーケットの醍醐味。市内に並ぶ200以上の屋台からぜひお気に入りを見つけてください。
美しい風景と優しい空気に心癒されるエアフルトのクリスマスマーケット。この町のクリスマスの魔法にかかったら、寒さだって吹き飛んでしまうことでしょう。
[All Photos by Haruna Akamatsu]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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