ラテン文化が生きる都市、ロサンゼルス
ロサンゼルスでは空港に着くなり、スペイン語の会話が耳に入ってきます。
カリフォルニア州のなかでも、もっともメキシコ系移民が多いこの町では、スペイン語の看板を見かけるのもあたりまえなのです。
ロサンゼルスのダウンタウンにはスペイン語の看板が目立ち、市場ではメキシコ食材も売られている
もちろん、メキシコ系だけでなく、中米や南米、アジア系を多く含む、世界じゅうのいたるところからの人々が集まる町でもあります。
以前、現地に住む友人に連れられて、ロサンゼルス東部のメキシコ人街を歩いたことがありますが、タコス屋台や、伝統音楽の楽団の姿も見かけ、それはまさに、メキシコそのものの姿でした。
メキシコ人街のイースト・ロサンゼルスにはメキシコそのものの風景がひろがっている
故郷から遠く離れて、この町に集まった人々には、さまざまな背景があることでしょう。しかし、この町に新たにコミュニティを築き、それを誇りに思い、暮らす人々のなんと多いことか。移民たちがつくる独特な空気が、ハリウッドや、ビバリーヒルズのような華やかな世界と同居していて、間違いなくロサンゼルスという町を魅力的にしているのです。
そんなロサンゼルスで、いまもっともイキのいいバンドのひとつが、チカーノ・バットマンです。
その名にメキシコ系アメリカ人の総称“チカーノ”を冠していますが、メンバーのなかにメキシコ系は2人、コロンビア系が2人の4人組です。
メンバーのバルド(ヴォーカル/オルガン/ギター)は、こう語っています。
「僕の母親はコロンビア人、父はメキシコ人だ。ガブリエル(ドラム)はコロンビア出身で18歳のときに亡命し、アメリカへ辿り着いた。ロサンゼルスのラティーノたちのなかには不法移民が多く、過酷な生活環境の元にある。その改善のための大学の地域社会活動を通して僕らは知り合い、バンドを結成した」
チカーノ・バットマンのメンバーたち
(写真提供:MUSIC CAMP/BARRIO GOLD RECORDS)
左からチカーノ・バットマンのデビューアルバム『チカーノ・バットマン』CHICANO BATMAN (BG-5115)と最新シングルの『ホベン・ナベガンテ』JOVEN NAVEGANTE(BG-5129)
両アルバムとも日本配給 MUSIC CAMP/BARRIO GOLD RECORDS
2010年10月にレコードアルバム『チカーノ・バットマン』でデビュー。スペイン語と、英語により歌われ、60〜70年代ソウルやファンク、ロックの影響を受けつつ、メキシコの古い歌謡曲であるグルペーラや、ブラジル音楽、コロンビア発祥のトロピカル音楽のクンビアにいたるまで、サイケデリックな浮遊感で包みこんでいます。でも単なるノスタルジーではなく、これはさまざまな時代、移民文化を吸収したロサンゼルスの現在を生きる音といえるでしょう。彼らのデビュー・アルバムのCD版は日本でも発売され、「ロサンゼルスのゆらゆら帝国」の異名をもっています。
最近では米国MTV IGGYの「本当にトリップできるトロピカル・サイケデリックの11バンド」 にも選ばれたばかりで、今後ますます注目されるであろう彼らが11月に初の来日公演を行います。
バンドのベーシスト、エドゥアルドが、
「古い洗面台の蛇口から落ちる水滴、日暮れのコオロギの歌、バス車内で泣き叫ぶ子どもの声、おばさんがメキシコ料理を作るときの包丁の響き….そんな生活を取り巻く音のすべてが、僕らの音楽の源になっている」と語っているように、彼らの音楽は、私たちがあまり知らないロサンゼルスのリアルな空気を届けてくれることでしょう。
11月8日 (金) モーション・ブルー・ヨコハマ(横浜)
TEL: 045-226-1919
11月9日(土) LIVE SALOON WANNABE’S(千葉)
TEL:043-248-7770
11月11日 (月) 月見ル君想フ(青山)
TEL: 03-5474-8115
11月12日 (火) LIVE SPACE CONPASS(大阪)
TEL: 06-6243-1666
11月13日(水) カフェ・ポレポレ (福山)
TEL: 084-925-5004
ツアーの詳細情報:http://www.m-camp.net/chicanobatman.html
問い合わせ先:MUSIC CAMP, Inc.
TEL: 042-498-7531 e-mail: info@m-camp.net (担当:宮田)