「星」という名のついた門
パリといえば、エッフェル塔か、それとも凱旋門か。これは意見の分かれるところでしょう。
エッフェル塔が優美さに秀でるとしたら、凱旋門は勇壮な感じがします。それもそのはず、凱旋門はナポレオンがアウステルリッツの戦いに勝利したことを記念して建築が始まったのだそうですから。
じつはパリの市内にはすぐ近くにもうひとつの凱旋門があります。
それはカルーゼル凱旋門と言い、チュイルリー公園のルーブル美術館側に建っています。
私たちが単に凱旋門とだけ言うことの多い、シャルル・ド・ゴール広場にある凱旋門は、エトワール凱旋門と言うのだそうです。
なんで「エトワール」なのかというと、この凱旋門を中心に放射状に通りが延びているようすが、空から見ると星（エトワール）のように見えるから、なのだそう。このエトワール、上空から見るのは難しいけれど、地図上でなら簡単に確認することができます。
空が青から漆黒に変わる、その間に
「星」という名のついた門が、とても幻想的な雰囲気に包まれる時間帯があります。それは夕暮れどき。夜の凱旋門もすてきですけど、青空から夜空に変わりゆく時間帯の雰囲気は格別です。
凱旋門を中心に円形になっている通りを車が走り抜けるようすは、なんだかコマーシャル・フィルムを見ているかのようでワクワクします。
凱旋門の東側からシャンゼリゼ大通りが延びていますが、歩道が広めになっているので、足を止めてゆっくり観賞することができます。放射状に延びている通りを渡って、角度を変えて凱旋門を見ながら夕暮れどきの散歩というのも楽しいプランのひとつです。
PROFILE
Noriko Sato 編集／ライター
証券会社勤務のあと、編集プロダクションを経て独立。食いしん坊だけど、好き嫌い多し。呑兵衛だけど、好き嫌い多し。まぁいいじゃないですか、このくらいのわがまま。
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