トーベ・ヤンソン生誕100周年
物語の世界の旅人といえば、ムーミンに登場するスナフキン。
自由と孤独、旅と音楽を愛する彼は、物語の導き手として、冷静かつ大人の哲学を教えてくれる存在でもあります。スナフキンの何にも縛られず、自由きままな生き方は、何かと拘束されることが多い現代人にとっては魅力的にも映り、そこから学ぶことも多いような気がします。
そんな『ムーミン』の作者であるトーベ・ヤンソンは、今年2014年に生誕100年を迎えます。そして、生誕100周年を記念して、世界で開催される記念展覧会の回顧展や展示会が日本各地でも開催される予定です。
筆を持ち続けたトーベ・ヤンソン
トーベ・ヤンソンのアトリエにて(1944年) ©tove100
1914年8月9日、フィンランドの首都ヘルシンキで生を受けたトーベ・ヤンソン。15歳でイラストレーターとして活動を開始。ヘルシンキ市庁舎など、数多くの公共建築に壁画を描いた画家としてのキャリアを築き上げた後、第二次大戦中に生み出された「たのしいムーミン一家」が英訳されてイギリスで高い評価を得ました。
その後、当時世界最大の発行部数を誇ったロンドンの夕刊紙「イブニングニュース」から、週六日の連載漫画のオファーを受け、1954年から連載がスタート。たちまち世界的な大人気となったそうです。
そして、とうとうムーミンは児童文学の頂点を極めました。1966年に、児童文学における最高の栄誉とされるアンデルセン賞を受賞したのです。しかし頂点を極めても尚、トーベ・ヤンソンは寿命を迎える83歳まで筆を置くことはなかったそうです。
家の小島で泳ぐトーベ ©tove100
なぜムーミンがここまで愛されるのか。
そして、スローライフに満ちた、スナフキンの旅人哲学を知りたい方は、各展示会を訪れてみると何か発見があるかもしれません。ムーミン公式サイトにはトーベ・ヤンソン生誕100週年記念特設ページもオープンしていますよ。
■第13回 東京国際キルトフェスティバル(2014年1月23日~1月29日)
http://www.tokyo-dome.co.jp/quilt/
東京ドームにて、ムーミンがテーマのキルト作品が展示されます。
■MOOMIN!ムーミン展(2014年4月16日~5月6日(予定))
http://www.moomin.co.jp/tove100anniv/touei_pdf.pdf
フィンランドの美術館で行われる原画展が、日本でも銀座松屋特設会場を皮切りに、米子、札幌、広島、米沢、大阪、宮崎、岡山、名古屋など全国各地まで巡回する予定です。
■トーキョーノーザンライツフェスティバル2014(2014年2月8日~2月14日)
http://www.tnlf.jp/
トーベ・ヤンソンのドキュメンタリー2本と、アニメ「ムーミン」シリーズの劇場版が上映されます。
■トーベの大回顧展(2014年10月~2015年9月)
http://www.ateneum.fi/fi/tove-jansson
フィンランドの国立・アテネウム美術館で開かれるトーベ・ヤンソンの大回顧展が、日本にも巡回します。
■生誕100周年 トーベ・ヤンソン展 -ムーミンを生んだ絵と暮らし(仮)
【横浜 会場】2014年10月23日(木)~11月30日(日)<横浜・そごう美術館>
【北海道会場】2014年12月13日(土)~2015年2月15日(日)<北海道立帯広美術館>
【新潟 会場】2015年02月28日(土)~5月6日(水・祝)<新潟県立万代島美術館>
【九州 会場】2015年05月23日(土)~7月5日(日)<北九州市立美術館分館>
【大阪 会場】2015年07月25日(土)~9月27日(日)<大阪・あべのハルカス美術館>