現代に残る自然の楽園。奄美大島の離島
奄美大島の南側にある離島、加計呂麻島は、手つかずの自然が残る美しい島。人口は1400人程度。集落が点々としていて、スーパーはおろかコンビニさえありません。
加計呂麻島の「徳浜」という小さな集落に、塩作りをしているおじいさん、愛称“塩爺”がいます。
塩爺の塩工場は、珊瑚礁のあるキレイな海のすぐそば。
この透き通った海水から塩を作るのです。
余計なことはしない、ひたすらシンプルに塩を作る
塩作りの方法は至ってシンプル。まず、海に吸水ポンプを入れて海水をくみ上げます。
くみ上げた海水を、窯でひたすら煮詰めます。たったこれだけ。
窯の火は、大量の廃材を使って、3日3晩焚き続けます。
海水を煮詰めている間は、工場は湯気でいっぱいに。
シンプルな方法だからこそ、ちょっとした火加減が、塩の善し悪しを左右します。温度や塩分濃度を管理しながら、塩爺とその仲間が交代で火の番をします。
窯焚きの合間に、海を眺めて黄昏れる塩爺。
やどかりも一緒に黄昏れてるみたい。
海の味がそのまんま、おいしい塩の完成
完成した塩は、積もりたての雪のようにキラキラしています。舐めると、精製された塩とは違い、しょっぱさのなかにも甘みや苦みを感じられます。
塩爺の塩は、「さんご塩」という名前で販売されています。島人らしくのんびりと作っているので、注文してから届くまで時間がかかることもありますが、ご愛敬。
また、工場見学もできるので、加計呂麻島を訪れたときは、ぜひとも立ち寄ってみてほしい場所です。塩爺はしゃべりだすと止まらないので、面白い島の話が聞けること間違いなしです。
URL:http://amami-kakeroma.com/
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