アメリカで唯一、自然のものではない世界遺産として登録されている国立公園、それが「メサ・ベルデ」です。1400年以上前、先住民のさらに先祖が住んでいた岩窟住居で、最盛期には5000人もの人々が暮らしていたといいます。
隠れ家のように岩にはりつく住居
一見、巨大な岩の台地。しかしよく見ると、断崖にはりつくようにびっしりと住居が並んでいます。雨風を避け、敵から身を隠すためだそうですが、驚くのはその規模。遺跡は現在100以上発見されており、一番大きなクリフ・パレスには部屋が217もあるそうです。
クリフ・パレスの一部。日干しレンガで壁を造り、集会場、儀式の場などきちんと区切られていたことから、本格的な集落として栄えていたことがわかります。
遺跡内の見どころは?
「キバ」と呼ばれる儀式の部屋です。中央の丸い穴で、火を焚いたようです。穴の横の四角いブロックは、換気口からの風で火が消えないようにするため。どんな儀式が行われていたのでしょうか…?
「キバ」には本来木製の天井があり、はしごで外と行き来できるようになっています。
小柄だった彼らは、こんな小さなトンネルも造りました。
ペトログリフも見つかっています。彼らは、とうもろこしの品種改良も行うなど、かなり高度な農業技術を持っていたようですが、文字は持たなかったそうです。
ちなみに遺跡は個人で見学することはできません。
現地のビジターセンターなどで、パークレンジャーによるガイドツアーを予約する必要があります(一人4ドル)。事前にネット予約などができないのですが、とても人気があり、夏は特に混み合うそうですよ。
[All photos by shutterstock.com]