台湾で今年最も“泣ける”映画として、注目されている「一分間だけ」。日本のベストセラー作家・原田マハ作の小説が、台湾の新鋭女性監督チェン・フイリンにより映画化された本作は、ファッション誌の編集部で忙しく働く女性と、彼女を献身的に支える同棲中の恋人、そして愛犬との愛情を描いた切ない感動の物語。
そんな話題の日台合作映画で日本のトップモデル役として出演された女優の池端レイナさんに、今回TABIZINEがインタビュー。
出演が決まり、語学留学をしながら中国語をマスターしたという池端さん。映画の見どころだけではなく、台湾の魅力、美味しい食べ物、おすすめスポットなどの旅エピソードも語って頂きました!
台湾での撮影が決まり中国語をマスター
-池端さん演じる杏子役はオーディションで決定したそうですが、最初に台湾を舞台にした本作に出演が決まった時はどんなお気持ちでしたか?
「うれしい!という気持ちはもちろんですが、台湾での撮影なので、とても大きな挑戦でした。日本ですごく有名なトップモデルの役だったので、最初は表情や体型づくりなど色々なプレッシャーもありましたね」
-今回、日本から参加した唯一の女優ということで、台湾のロケはいかがでしたか?何か大変なことなどありましたか?
「大変なことは全然なかったです! 俳優さんやスタッフさん、皆さん台湾の方ですがスッゴイ優しくて、気さくに話しかけてくれました。撮影中は、中国語を学んでから2ヶ月ほどで、まだカタコトでの会話しか出来なかったのですが、勉強しているということを知ってくれて皆さんも分かりやすくゆっくり中国語で話してくれて。本当に楽しい現場でした。通訳さんを通じてではなく、監督さんとも中国語で直接やりとりしたり、演技指導などを受けることが出来て嬉しかったですね」
-台湾でのプレミアム試写会での会見を拝見したのですが、流暢な中国語での舞台挨拶も見事でしたね!マスターしようと決意されたきっかけは何ですか?
「英語でもコミュニケーションは取れますが、現地の言葉を覚えた方がもっと親密になれると思い、勉強を始めたいと思いました。役柄は日本人モデルということで中国語は必要なかったのですが、撮影開始の2ヶ月前に台湾に入国して、語学留学をしました。そしたら、もう行ったそばから台湾が大好きになりました!街も人も大好きで、中国語を学ぶのは全く苦じゃなかったですね。本当に楽しく学べて、さらに上手に話せるようになりたくて、今も勉強中です」
池端さん流、台湾の楽しみ方
-池端さんから見た台湾の魅力って何でしょうか。
「魅力・・・たくさんありますが、一に“食”です(笑)。二に“人”。三に“気候”ですかね。台湾は本当にあったかい国なんです。気候はもちろんですが、人がとにかく温かい! そして、食べ物まであったかいです。いつも出来たてだし、とっても美味しいですね」
-美しいスレンダーな体型なのに驚きですが、台湾では美味しいものをたくさん堪能されたそうですね。オススメの食べ物を教えて下さい。
「美味しいものばかりだから、ひとつに絞れませんが、ダンビン(蛋餅)は大好きです。クレープみたいなモチモチした粉に卵を溶いて混ぜて、焼いたものなんですけど、20~40元くらい(日本円で約80円)でお手頃さも魅力です」
-屋台などで買うのですか?
「屋台というか、朝ごはん屋さんで売られていることが多いです。台湾にはそういうお店が数多くあります。早朝~昼くらいには閉店しちゃうような(笑)。お店によって皮のモチモチ感やソースの味も微妙に違います!」
-旅好きにオススメしたい台湾グルメはありますか?
「シェンドウジャン(鹹豆漿)は本当に美味しいです!塩っぱい豆乳スープで、日本にはない、不思議な味わいです。台湾の豆乳って全く調整されていないものが多いんですよ。醤油とお酢に豆乳を混ぜたもので、最初はドロドロした感じですが、食べているうちにどんどん固まってきて、まるでおぼろ豆腐のようになってきます!とにかく絶妙です。その中に、日本でいう漬物みたいなものが入っていて。見た目はぐちゃぐちゃなんですけど(笑)、1度食べるとクセになる美味しさです。本当に食べ歩きが楽しい国ですね」
美味しい小籠包は?隠れた名店
-台湾といえば「小籠包(ショーロンポー)」が有名ですが、行きつけになったお店はありましたか?
「ミンユエタンバオ(明月湯包)」というお店です!このお店では、観光客の方よりも、地元の方に会う率の方が高いです。私はそこのお店の小籠包が気に入って、あとは羽根つき餃子も絶品なんです!あと、ここの空心菜の炒め物は、他店とはちょっと味が違います。凄く美味しい!雰囲気もローカル感が漂っていて素敵です。日本から遊びに来た友達を連れて行くと必ず喜んでもらえるお店ですね。」
映画にも登場、おすすめレストラン
-作中にも、たくさんの素敵なスポットが登場しましたが、池端さんのお気に入りのロケ地を教えてもらえますか?
「ヤンミンシャン(陽明山)という山があるのですが、唯一台湾で桜が見られる場所です。その山をもっと上に登ったところにあるお店が印象に残っています。私が出演したシーンを撮影した場所なのですが、美しい日本庭園の入り口で中に入ると、瓦屋根の建物があって。畳の部屋で雰囲気があって、日本の古民家を彷彿とさせるようなレストランです。(※レストランの名前不明)眺めも良くて、オススメです。桜の時期にも行ってみたいですね」
台湾はカフェブーム
-台湾のカワイイが詰まった作品でもありますが、オススメのおしゃれなスポットなどありますか?
「ドンチュウ(東区)」という屋台のようなお店が列ずらっと並んでいる地区があるのですが、洋服とか雑貨などを買う時にはオススメです。忠孝敦化という駅の周りです!あとは、台湾にはおしゃれで可愛らしいカフェも多いですね!カフェブームみたいで、パンケーキやスイーツのお店がたくさんありますし、雰囲気の良いオシャレカフェも沢山あります。華山1914文創園区というアートな空間の入口にある『TrioCafe』は雰囲気も良くてオススメです。華山1914は、カフェだけでなく、若手アーティストが作った物が売られている雑貨屋さんがあったり、イベントが行われたりしています!『一分間だけ』の制作発表記者会見も、ここで行われました!」
恋人、友達、家族。たくさんの愛が溢れる作品
-楽しい旅のエピソードありがとうございました。最後に、映画の見所をお願いします。
「監督が女性なので、素敵な風景、ファッション、インテリアなどおしゃれな台湾のセンスにも注目して欲しいです。また、台湾の俳優さんたちはとても素晴らしい方々ですし、影の主役のリラ(ワンちゃん)の演技も見ごたえがあります。日本生まれの小説が、台湾の方々の手によって、映画に生まれ変わる。本当に特別なことだな~と実感しています。たくさんの“愛”が詰まった映画なので、映画を通じて大きな愛情を感じて頂けたら嬉しいですね」
とても気さくな笑顔で台湾でのエピソードを語ってくれた池端さん。その国の言葉が分かれば、もっと楽しみが広がり、人とのコミュニケーションも大切な思い出になるという、素晴らしい“旅心”も教えてくれました。
日台合作映画「一分間だけ」は、絆や愛を描く、感動のストーリーとともに台湾の美しい光景を感じられる1本。5月31日(土)より新宿バルト9ほか、全国の映画館にて公開予定。
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池端レイナ(日本人モデル・杏子役)
11月5日北海道生まれ。2010年、GirlsAward2010SPRING/SUMMERモデルオーディションでグランプリ受賞。同年、琉球アジアコレクションにモデル出演。その後女優としても活動の場を広げ、2012年には舞台、映画、テレビと活躍。映画は、2012年「FASHION STORY」に出演、2013年沖縄国際映画祭で上映された、日本と香港の共同製作「BLUE BIRD」(堀江慶監督)に出演している。
今後、日本国内だけでなく世界に視野を向け活躍の場をひろげていく国際派女優。
・池端レイナ 公式Facebookページ
【日台合作映画『一分間だけ』 ストーリー】
ファッション誌編集者のワンチェン(チャン・チュンニン)と、彼女を献身的に支える同棲中の恋人ハオジエ(ピーター・ホー)。ある日、ひょんなことからゴールデンレトリバーのリラを飼うことに。
パパとママとして、一緒に育て始め楽しい日々を送るが、忙しく働くワンチェンとハオジエの間には少しずつ溝が生まれてしまう。すれ違いが多くなり、言い争うことも増えていく二人。次第に大切なものが失われていくなかで、愛犬リラが病に侵されてしまう・・・。
【作品紹介】
原田マハのベストセラー小説「一分間だけ」が、台湾スタッフ、キャストにより映画化。人気実力を兼ね備えたトップスターの台湾俳優、ピーター・ホー、チャン・チュンニンが主演。日本からは、国際派女優・池端レイナが参加。監督は、台湾のテレビドラマアカデミー賞である金鐘獎で数々の賞を受賞したチェン・フイリン。プロデューサーは、アカデミー賞監督アン・リーの弟であるガン・リーと、様々な日本カルチャーを世界に発信するクリエイティブグループbeachwalkers.の吉田正大氏。撮影は、台北を中心に行われ、感動のヒューマンドラマとともに、台湾の「カワイイ」美術や風景なども評判。
映画『一分間だけ』公式HP:http://rira-movie.jp/
映画『一分間だけ』公式Facebookページ:https://www.facebook.com/rira.movie.jp
[Interview photo by TABIZINE, Image photo by shutterstock.com]