暑い日にはキリッと冷えた爽やかな白ワインやロゼが美味しく感じますよね。ワイン大国フランスでは「夏といえばロゼ」というぐらい、ピンク色をしたロゼに人気が集まる時期です。軽やかで口当たりがよく、ガブガブ飲めるというのがその理由のひとつ。
もっとも、ガブガブ飲めるのはそれなりに美味しいワインがソフトドリンクと同じぐらい安価に手に入るから、という背景があってのことですが。フランスはさておき、家飲みするなら、たいていいくらぐらいを目安に選んでいますか? この度「多くの人は、ワインの味が分からない」という衝撃の事実が、米ブドウ・ワイン学会誌に掲載されました。ということは、1本1000円だろうが、1万円だろうが、関係ないってこと!? 驚きの研究結果をお伝えするとともに、デイリーワインの選びのコツもご紹介します。
気になるワインについての調査とは
米ペンシルベニア州立大学とカナダのブロック大学が、ワインを日常的に飲んでいる一般人とワインの専門家(ソムリエやワイン業者など)数百人を対象に味覚のテストを実験。この結果、専門家は一般人に比べて1.4倍の鋭さで苦みに反応しやすいことが分かりましたこれは、専門家がより正確な味覚をもっているということを示唆しています。
この例としては、一般人がワインを単に「おいしい」と表現するところを、専門家は「コショウのような後味のするブラックベリー」「洋梨やライムのような香り」という的確に説明できるということ。要するに私たちには「おいしい」「おいしくない」の区別は付けられても、ワインのラベルに書いてあるような味わいまでは分からないということです。
いくらを基準にワインを選ぶべきか
だったら、どうやってワインを選んだらよいの? ワインの値段と美味しさは比例するとは限らないため、デイリーワインなら12ドル(1000円程度)を選ぶのが無難。また、専門家のような鋭い味覚は多くの場合、経験によって作られるもの。テイスティングを重ねることにより、ワインの味や風味が分かるようになるのだそうですよ。
これは経験上の話ですが、値段が高くなると味わいが複雑になるものが多いように感じます。といっても複雑だから美味しいとは限りません。また、飲む時期によってもワインの味の感じ方は変わります。冒頭で話したように、フランスだって夏には赤よりもロゼを美味しく感じる人が多いわけですから。
「複雑だからおいしい」「高いからおいしい」という概念は捨てて、まずは1000円台のワインを1週間に何本か開けるところから初めてみると、素敵な1本に巡り合えるかもしれませんよ。
[American Journal of Enology and Viticulture]
[cosmopolitan.com]
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