千夜一夜のようなアラビア情緒漂うアルハンブラ宮殿。スペインのグラナダにあるこの城は、イスラム建築の最高傑作ともいわれ、まさに一夜の夢のような、繊細で緻密な美しさにあふれています。
随所にイスラムの粋な装飾が光る王宮
アルハンブラ宮殿には多くの見どころがありますが、そのメインともいえるのが王宮、パラシオス・ナサリエスです。
細かなアラベスク模様でおおわれた壁や柱。そこに費やされた時間や手間を思うと、気が遠くなりそうですが、彼らの技術の高さや王の偉大な力を今日に伝えています。
コマレスの塔には宮殿で最も大きい広間があり、宇宙をイメージした目を見はる装飾天井が広がっています。幾何学模様に彫られたヒマラヤ杉は7つの惑星がモチーフになっているそう。人の手で作られたとは信じ難いほどの緻密さです。
ライオンたちに支えられた噴水にささやかな涼を感じる「ライオンの中庭」。周りをとり囲む建物の2階は王の后たちが住むハーレムになっています。
中庭の南側にあるアベンセラヘスの間は王の寝室。天井にはこれまた華麗な、鍾乳石を模した「モカラべ」と呼ばれる装飾がなされています。
アベンセラッヘスの間の向かいにある二姉妹の間。こちらの天井も見事の一言に尽きます。毎晩こんな天井を眺めながら眠りにつくというのは、一体どんな気分なのでしょうか・・・。
光と影、そして水が生み出す美
アラベスク模様の中で生み出される陰影には、独特の空気があります。
水の演出が映える庭や噴水も見逃せません。砂漠のオアシスを表現したというそれらは、生命や楽園の象徴でもあります。
水鏡にゆらめく王宮の美しさもまた、乙なもの。ふと、日本の月見を思い出しました。古来日本では、空に浮かぶ月よりも水に映った月の方が高尚な美とされたのだそうです。
蜃気楼のように水にゆらめく宮殿。千夜一夜の世界にふさわしい、はかない美しさがそこにはあるように感じます。
成田発スペイン・グラナダ行きの航空券は、片道7万8000円からあるそうですよ(燃油:諸税別途、乗り継ぎ便利用)。
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住所: Calle Real de la Alhambra s/n 18009 Granada
電話: +34 958027971
開館時間:8:30~20:00(3月15日~10月14日)8:30~18:00(10月15日~3月14日)※夏期冬期夜間開館あり ※チケットにより入場時間制限あり
入館料:14ユーロ
※成田発スペイン・グラナダ行きの航空券等の情報は2014年8月24日時点のものとなります。ご了承ください。
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