海に面したベルギー北西部の街「オストダンケルク」。年間を通して新鮮な魚介類が楽しめることから、多くの観光客がシーフード料理を目当てに訪れます。
シーフードのなかでも、特に有名なのが「クレベット・グリス」と呼ばれる灰色をした小エビ。プリッとした食感と旨みが凝縮されたその味は、一度食べたら病みつきになってしまいそう! 毎年6月末には「エビ祭り」も開かれるというから、エビ好きの方は要チェックですね。
さて、オストダンケルクでは、古くから「馬」を使ったエビ漁が行われています。かつてはイギリスやオランダ、フランスの一部の地域でも行われていた伝統的な方法ですが、現在では残念ながらオストダンケルクのみ。
馬と人間が協力して行う「エビ漁」
黄色い防水ジャケットを着用して馬にまたがる男性たち。エビ漁に出かけるときは、いつもこのスタイルだそうです。馬が網を引き、その中に入ってきたエビを捕獲するというシンプルな手法。干潮時に行われます。
現在エビ漁に携わっているのは、12世帯のみ。家族が協力して、馬のケアを行い、網を縫い、漁に出かけ、エビを調理するという伝統的なスタイルを守っています。地域に根ざした伝統文化ということから、2013年には世界無形文化遺産に登録されました。
食べてみたい! ベルギーのエビ料理
オストダンケルクを始め、ベルギーには灰色の小エビを使った料理がたくさんあります。スープにサラダ、グラタンやリゾットなど様々な料理に使われます。
●トマト・シュリンプ(Tomates Crevettes)
中身をくり抜いたトマトに、小エビの詰め物をした可愛らしい一品。
●シュリンプ・コロッケ(Croquettes Aux Crevettes Grises)
小エビをたっぷり使ったクリーミーなコロッケ。前菜として、また軽食として食べることが多いそうですよ。
●シュリンプ・スープ(Bisque de Crevettes Grises)
小エビの旨みが凝縮されたとろ〜り濃厚なスープ。
これらの料理は、オストダンケルクだけでなくベルギー国内のレストランやパブでも食べられるポピュラーなもの。ベルギーで「エビ料理」というのはちょっと意外な感じもしますが、訪れたら味わってみたいものですね。
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