マレーシアの首都クアラルンプールからバスで2時間。生い茂るヤシの木を抜けた先には、2008年に世界遺産登録された街マラッカがあります。植民地時代を経て独自の文化を発展させてきたこの街には、初めて来たのにどこか懐かしさを感じさせる雰囲気があります。その秘密を覗いてみましょう。
東洋と西洋が出会う場所
オランダとポルトガルの植民地時代を経て、15世紀後半からマレーシアやシンガポールに移民した中国系移民の子孫は、東洋と西洋を融合させた独自のプラナカン文化を造りあげました。その息吹は、今でも街中で感じられます。
かつてオランダの植民地だったマラッカの象徴的スポット、オランダ広場です。
オランダ広場の名物はカラフルなトライショー。日中日差しの厳しいマラッカにぴったりです。
ポルトガル人により立てられた砦「ア・ファモサ」。内部にはポルトガル人街が作られました。
ここはプラナカンの伝統的家屋ショップハウスです。ここにも東洋と西洋の融合を垣間見ることができます。
ショップハウスの立ち並ぶジョンカーウォークは、週末になればナイトマーケットが開催。ショップハウスは今も現役です。
マレーシア最古の中国寺院である青雲亭(チェン・フン・テン)は、クアラルンプールやシンガポールからも人びとがお祈りに訪れる場所です。
カラフルなプラナカンの世界へようこそ
プラナカンの女性はニョニャ、そして男性はババと呼ばれます。そんな彼らが好んだのは、豪奢なのに繊細、そしてカラフルなもの。それは、食器から繊細なビーズ刺繍の施されたシューズ、果てはお菓子にまで反映されました。
鮮やかな赤色のニョニャ・クエ。亀の形をしたアンクーとよばれる餅菓子です。
1896年に建てられたプラナカンの屋敷は、現在博物館として公開されています。そのアンティークの数々には目を見張るばかり。
こちらは、ニョニャ・ウェアと呼ばれるプラナカンの食器です。カラフルな色使いと繊細な模様が印象的です。
ゆっくり流れるノスタルジックな1日
1日あれば十分主要スポットをまわれてしまうほど小さなマラッカ。それでも多くの旅人が何日も滞在してしまうのは、そのノスタルジックな景色にあるのかも知れません。
マラッカ川の両側には、小さなカフェやゲストハウスが。夕方散歩に訪れるのも一興です。
柱に書かれた文字にどこか懐かしさが漂っています。そんな風景もマラッカならでは。
人口の島プラウ・マラッカの海に浮かぶモスク。マラッカ海峡をバックにした姿には圧巻です。
韓国では近すぎるけれど、シンガポールでは都会すぎる。マラッカは、そんな思いを抱えた旅人に最適です。
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