自由の女神やエンパイアステート・ビルディングやタイムズ・スクエアだけが、ニューヨークではありません。過去にニューヨークを目指したアーティストたちが滞在し、有名な作品を残した場所でもあります。グリニッジ・ヴィレッジは、今でも過去の残り香を感じられるエリア。秋もたけなわ、一緒にアート散歩に出ましょうか。
「若草物語」オルコットの住んだ家
Location: 130-132 MacDougal St., near the corner of West 3rd St.
「若草物語(Little Women)」は、マーチ家の性格が異なる四人姉妹を描いた珠玉作。
ボーイッシュで、短気で、愛すべきジョーは、作家オルコット(Louisa May Alcott)自身がモデル。小説のジョーと同じく、オルコットはニューヨークへ作家修行に旅立ちます。
©Hideyuki Tatebayashi
1867-1870年の間、滞在していた叔父所有のアパートの2階で、1868年「若草物語」が書かれたといわれています。(記事参照 )子供の頃に繰り返し読んだ、大好きな本の作者がここにいたのだと思うと、ワクワクしました。現在はニューヨーク大学(NYU)の所有 で、法律科学生のための住居になっています。アパートの向かい側は、1927年創業のカフェ・レッジオ(Caffe Reggio)。
©Hideyuki Tatebayashi
「最後の一葉」O・ヘンリーの舞台となった家
Location:between 10 and 12 Grove Street, NY
「最後の一葉(The Last Leaf)」の舞台となった、O.ヘンリー(O.Henry)の住居(Grove Court)は、プライベート・コートで、住民以外立ち入ることは出来ません。NYの住居で最も人気(家賃も)が高いグリニッジ・ヴィレッジで、このあたりは特に素敵な雰囲気です。
©Hideyuki Tatebayashi
質素で小さなアパートの3階の一室で、肺病に病んだ貧しい画家が、レンガの壁を這う蔦の葉が散っていく様子に、自分の命を重ねあわせていたが・・・というストーリーでした。
1902年からニューヨークに滞在したO.ヘンリーが暮らし、1907年出版された「最後の一葉」の舞台となったアパートは、作品と同じく、壁に蔦が這っていますね。現在、一室1,152sq.ft.(約107㎡)で、お値段は480万ドル(約5億1400万!)の超高級住宅。(参照記事 2013年10月現在)高っ!
©Hideyuki Tatebayashi
ボブ・ディランのジャケット撮影場所
Location:Jones Street and West 4th Street, West Village, New York, NY.
「風に吹かれて(Blowin’ in the Wind)」が収録された、名盤「フリーホイーリン・ボブ・ディラン(The Freewheelin’ Bob Dylan)」のジャケットの撮影場所。当時の恋人、スーズ・ロトロ(Suze Rotolo)とディランが一緒に住んでいたアパートの近くで、1963年CBSのフォトグラファー Don Hunstein氏が撮影。ボブ・ディランがこんなに可愛い顔だったとは知りませんでした。
半世紀後のストリート。景色はあまり変わっていないと思いますが、恋人スーズとはその後別の人生を歩み、スーズは癌のため2011年に亡くなっています。人は出逢い、向かい風に吹かれ、そして別れていくものなのでしょうか。
©Hideyuki Tatebayashi
何気なく歩いているNYの所々に、歴史や人生が息づいているのです。
アーティストが泣き、笑い、人生を過ごして来たNYについて、またいつかご案内しますね。
[Photo by Hideyuki Tatebayashi]
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sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
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