紅茶というと外国産が思い浮かびます。例えばインドのダージリンやアッサム、スリランカのキャンディなど、全て外国産ですよね。
しかし実は日本でも紅茶が作られているとご存じでしたか? そもそも緑茶と紅茶の茶木は一緒で、発酵の仕方を変えれば緑茶にも紅茶にもなります。言い換えれば、緑茶の産地である日本もその気になれば、紅茶をどれだけでも作れるのですね。
そこで今回は「全国地紅茶マップ2014」を参考に、日本の紅茶産地の現状をまとめたいと思います。
紅茶も緑茶もウーロン茶も茶木は一緒
そもそも紅茶とは茶木の若葉を摘み取り、発酵・乾燥させた茶葉をいいます。
なんとなく紅茶は紅茶、緑茶は緑茶、ウーロン茶はウーロン茶と別々の茶木があって、その異なる茶木の若葉を使って違ったお茶にするイメージがありますが、実際は紅茶も緑茶もウーロン茶も同一の茶木から作られるそう。
違いはその作り方。緑茶は収穫した茶葉を発酵させません。一方の紅茶は収穫した茶葉を完全に発酵させるために、独特の紅色と香りが生まれるとか。ウーロン茶は緑茶と紅茶の中間で、半発酵をさせるみたいですね。
そう考えると、茶木さえあれば緑茶も紅茶もウーロン茶も作れるという話になります。実際、日本でもお茶農園の一部が紅茶作りをスタートしており、全国地紅茶サミットで配布された「全国地紅茶マップ2014」によると、41都府県の約500カ所で紅茶が作られていると分かります。
国産紅茶は静岡、鹿児島、埼玉などで盛んに作られ、国際的なコンクールで評価を受けたケースも
主な国産紅茶の産地を見ていくと、やはり緑茶の主要産地が目立ちます。例えば静岡、次いで知覧茶などで有名な鹿児島県、狭山茶の埼玉県ですね。九州各県では鹿児島以外でも盛んに作られ、宇治茶で有名な京都でも紅茶は作られています。
「味はどうなの?」
と疑問に思う人も少なくないと思いますが、英国の国際的な食品コンテストで埼玉県の狭山茶が最高賞に次ぐ2つ星を獲得。沖縄の琉球紅茶はフランスで評価されるなど、国産紅茶の世界的評価が高まりつつあるそうです。日本の産地に足を運んで、紅茶の買い付けをする茶商も徐々に目立ってきているとか。
ウイスキーもワインもそうですが、日本人は一度何かの文化なり技術なりを導入すると、持ち前の求道心で本場をしのぐほどの物を作りますよね。そのうち日本の紅茶が、インドのダージリンなどと並び称される日が来るのかもしれませんね。
以上、国産紅茶の現状をまとめました。まだまだ市場に行き渡るほどの生産量はないそうですので、静岡や鹿児島、埼玉などの有名茶園を検索して、直接ホームページで注文してみてください。
国産紅茶はミルクティーが合うと語るティーブレンダーも居ます。秋冬の寒い日、国産のミルクティーを楽しんでみたくなりますね。
[All photos by Shutterstock.com]