日本政府がオタク文化を紹介した「JAPAN ANIME MAP」が面白い

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Nov 29th, 2015

日本の重要な輸出品になりつつある「オタク文化」。特にフランスなどヨーロッパの人々に評価される日本独自の文化ですが、そのオタク文化をさらに広めようと、日本政府観光局が外国人向けのパンフレットを作成しています。

日本政府観光客の「オタク」や「アキバ」を紹介した英語冊子の解説が面白い

読んでみるとその説明が意外に面白かったので、今回は日本政府観光局が作成する冊子「JAPAN ANIME MAP」の中から、ちょっとユニークなオタク文化の解説を紹介したいと思います。

1:オタクとは“コスプレを妥協なき姿勢で楽しむ求道者”

日本政府観光客の「オタク」や「アキバ」を紹介した英語冊子の解説が面白い

そもとも「Otaku」とは何なのでしょうか? 日本政府観光局の作成した英文解説を訳すと、

「アニメを見たり、ゲームをしたりするだけがオタクではありません。真のオタクは“コスプレ”を楽しみ、フィギュアを集め、妥協なき情熱を持ってキャラクターやアニメの世界に没入する人々です」

となります。多少、誇張した翻訳になると認めますが、なるほど“オタク”の条件としてはコスプレが1つの判断ポイントになるのですね。

2:秋葉原は犯すことのできない神聖なる場所

オタクな人々にとって、重要な意味を持つ秋葉原(アキバ)とはどういった場所なのでしょうか? 日本政府観光局の冊子によれば、

「犯すことのできない神聖なる場所」と表現されています。Sacredという言葉が使われていますが、例えば学研の英和辞典『The new victory anchor』を調べると、「神聖な」「厳粛な」「犯すことのできない」「(神などを)祭った」といった解説が掲載されています。

まさに、オタク文化の神などを祭った、犯すことのできない神聖なる場所が秋原場なのですね。

ちなみにその秋葉原に加えて、大阪には同じくオタクの聖地である日本橋があると解説されています。東の「Akiba」、西の「Ponbashi」が日本のオタクの「聖地」なのですね。

3:抱き枕はオタクの夢をかなえてくれるアイテム

冊子には抱き枕の記述もあります。キャラクターが描かれた抱き枕は、

「お気に入りのキャラクターと1つになりたいと願うオタクの夢をかなえるアイテム」

として紹介されています。なるほど等身大のキャラクターが描かれた抱き枕と添い寝をすれば、ある種の夢は間違いなくかないます。あとは想像力の勝負ですね。

以上、日本政府観光局が外国人向けに作成したオタク文化に関する冊子の記述を紹介しました。「一部のやつが騒いでいるだけだろ?」とさめたスタンスで片付けるにはもはや巨大すぎるオタク文化。

先に紹介した秋葉原や日本橋以外にも、東京では中野、池袋、愛知では名古屋、神奈川では横浜、北海道では札幌、その他、広島、福岡にもオタクの拠点があるとか。

オタク文化とちょっと距離を置いてきた人も、近くにあるオタクの“聖地”に出かけてみると偏見が吹き飛ぶかも!?

[JAPAN ANIME MAP – JAPAN: the Official Guide]
[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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