チェコには「プラハ」など観光地として大人気な場所がありますが、魅力はそれだけではありません。チェコの国内には「眠れる森の美女」と呼ばれるほどの美しい町があることはご存知でしょうか。
今回は、チェコを訪れたら絶対に行ってみたい、幻想的な絶景をご紹介したいと思います。
チェコの美しい世界遺産の町「チェスキー・クルムロフ」

チェコ・南ボヘミア州にある「チェスキー・クルムロフ」という町は、世界遺産に登録された歴史的な場所です。
曲がりくねったヴルタヴァ川に沿うように街ができており、中世の姿そのままに残るその街並みは「チェコで一番美しい」と言われるほどの町になっています。

この町は13世紀頃のロジェンベルク家から18世紀のシュワルツェンベルク家まで、様々な領主によって統治されてきました。
領主が変わることによって、ゴシック様式からはじまり、ルネサンス様式、バロック様式と多種多様な様式が混在し、このような色鮮やかな町並が誕生します。
こうした中で、この景色の美しさに魅せられた人々は、ボヘミアの豊かな森林の中に佇むこの町並みの姿を、「眠れる森の美女」と呼ぶようになったのです。

「美女」とまで称される「チェスキー・クルムロフ」の町ですが、このように多くの人から愛されるようになったのは、実はつい最近のこと。
外国からの侵攻や2度の世界大戦を経て、町自体が荒廃してしまい、最終的には人が住めるような場所ではなくなってしまいました。
この町の歴史的価値が見直されたのはここ30年ほどのことで、1989年頃になりようやく、町の修復が開始し、1992年には世界遺産に認定されることで、世界中の人を魅了する美しい町へと復活することができたのです。
今では、毎年6月に人々が中世の格好をしてお祭りを楽しむ「五弁のバラの祭典」が開催され、ヨーロッパから多くの人たちが集まります。
川沿いやお城の近くには数多くのレストランなどが立ち並び、人が住まないような場所から、チェコを代表する観光地へと、見事に生まれ変わることに成功しました。

世界遺産として、見応えあるスポットがいくつか点在しており、町へは、チェコ・プラハからバスでおよそ3時間ほどです。歩いて観光できる町のコンパクトさは、日帰りの観光でも十分満喫することができるようになっています。
本場であるチェコのビールを思いっきりレストランで堪能するのも、楽しい旅になるかもしれませんね。
その他、チェスキー・クルムロフ城の外壁には、城としては珍しい「だまし絵」も。これはお金がないため増改築の予定はないのですが、立派な壁だと思わせるため、“絵でごまかしている”のだそうです!

いかがでしたでか? 「眠れる森の美女」と呼ばれるほどの幻想的な町並みが美しい「チェスキー・クルムロフ」。チェコに訪れた際には、わざわざ遠出してでも見る価値がある、素敵な町であることは間違いありませんね。
[Photos by Shutterstock.com]