イタリアの民間団体「イタリアの最も美しい村」のリストに並ぶ村、ピティリアーノ。深い森の中、断崖絶壁の上に造られた美しき村をご紹介します。
美しき村ピティリアーノの景色
ピティリアーノはトスカーナ州の南に位置します。青く美しいティレニア海に面した町、グロッセートから、東へ、美しい森をぬけて行った断崖絶壁の上にあります。
森の中に突如として現れる絶壁、この独特の地形は、太古の火山噴火によって灰が堆積してできた凝灰岩できています。
村の起源は古く、古代エトルリア時代とされ、壁画等の遺跡も残っています。中世には、ルネッサンス文化花開いたフィレンツェの影響を受け、村にはその当時の美しい建物が残っています。
こちらはフィレンツェのメディチ家の命によって造られたアーチの美しい水道橋。3つの川が流れ、深い谷と絶壁の上にある村の地形に、この工事は困難を極めましたが、長い年月をかけ、1639年に完成しました。
こちらはオルシーニ宮。6世紀頃建てられた修道院であったものに改築を重ね利用されてきた建物で、中世には宮殿として使われていました。
こちらはピティリアーノのドゥオーモ、サン・ピエトロ大聖堂。こちらも中世の建築です。
石畳の町並みも、中世の面影を残す、赴き深い佇まい。
村の小径を歩く度に出会うなにげない風景ひとつひとつが、絵に描き留めたくなるような美しさを秘めています。
そしてこの村の美しさを更に魅惑的にするのは夜景。
ライトアップされ浮かび上がる村影は、まるで神話に出て来る都のような神秘的な美しさです。
深い森と断崖絶壁に守られて、今も美しく静かにたたずむ村、ピティリアーノ。その美しさを壊さぬようにそっと訪れてみたい素敵な村です。
イタリア国鉄グロッセート駅からピティリアーノ行きのバスで約1時間半
[All photos by Ryoko Fujihara]