世界三大カーニバルのひとつ、ベネチアのカーニバル。美しいベネチアの町に、仮面と豪華な衣装が映える、なんとも幻想的で美しいお祭りです。実はこのベネチアのお祭り、世界三大カーニバルのなかで唯一誰でも参加できるお祭りなのです。

日本のお祭りでも、「踊る阿呆に、見る阿呆、同じ阿呆なら踊らニャ、損、損」というところもあるように、やっぱり参加できたらより楽しいもの。今回は、「参加した気分を味わいたい」、「軽く参加したい」、「本格的に参加したい」と、ステップごとにその参加方法を伝授致します。
カーニバルに参加した気分を味わいたい!
まずは、初歩ステップ「参加した気分を味わいたい」方へオススメなのが「フェイスペインティング」。

駅前や、広場等にメイキャップアーティストの方たちが屋台をだしていますので、そこで気軽にフェイスペインティングしてくれます。

お値段も5ユーロからとリーズナブルで、ペイントする範囲や色やデザインを選べますから、ちょっとだけでいい方はちょっとだけ、華やかにしたい方は全体に描いてもらったりと、希望通りにできます。これならチャレンジしやすいですよね。

実際に町を歩くと、フェイスペインティングをした観光客も多く見かけましたし、またちょっとペインティングしていると、町のひとから、いいね、そのフェイスペインティングなんて声をかけてもらえたりするので、参加気分はより高まります。
お祭りに軽く参加してみたい!
次に、がんばらず、でも軽くお祭りに参加したい方は、ぜひ仮面を買ってみましょう。質に応じて価格はピンキリですが、お土産用に屋台で売っているようなものはかなり安く手に入ります。

でも普通の服に仮面はヘンじゃない? そんなことは気にする必要ありません、なぜなら町中の人も仮面を付けたり、衣装をつけたりして町を盛り上げていますから、それに便乗して、仮面をかぶらなくても、頭にのせたり、首にかけておいたりして身につけつつ、町の人たちと一緒にお祭りムードを味わいましょう。

コーヒーショップのお兄さんも仮面をつけてお祭りムードを盛り上げます。
やっぱり本格的に参加してみたい!
せっかく参加するんなら、本格的にやってみたい! そんな好奇心いっぱいのあなたにはぜひこちらをおすすめします。

仮面のお店「Tragicomica」。こちらは、オペラや舞台の仮面、衣装を手がける本格的なお店、世界的に有名な女性歌手からもオーダーが来るほどのお店です。ひとつひとつ手作りの仮面の細工の細かさ、美しさを見れば、お土産用の安い仮面と違うのは一目瞭然です。

こちらのお店が、仮面の制作、販売と合わせてやっているのが貸衣装。こちらでカーニバルに着る仮面、衣装一式を借りることができるのです。ホームページにも案内があり、予約問い合わせもできます。これなら日本から衣装も持っていったり、現地で貸衣装を探したりしなくてもいいので、手軽に、そして本格的に参加できますよね。
さて、カーニバルの準備が整ったら町へ出かけましょう。
いざ、カーニバルに参加です!
さて、準備が整ったらカーニバルに早速参加です。参加といっても、他のお祭りのようにパレードがある訳ではなく、みんな思い思いの仮面や衣装をつけて町を歩くだけ。もちろん、様々なイベントが催されていますが、基本は町を歩いて楽しむ、だからこそ誰でも参加できるのです。

町に出たらぜひやってみたいのが、サンマルコ広場のカフェに座ってお茶。18世紀からつづく老舗カフェも並ぶ広場で、その当時に思いを馳せながらゆったりとお茶をする、これが旅の味わいというものです。
もしフル装備をされたのなら、なりきってポーズをとって街角にたたずんでみるのもいいですね。観光客の人にたくさんカメラを向けられますが、なりきってポーズをとってカメラに応えましょう。恥ずかしくなんてありません、だって顔は仮面で隠れているのですから。
そう、それこそがベネチアのカーニバルの正しい楽しみ方。カーニバル自体はキリスト教の「謝肉祭」、または戦に勝ったお祝いとして始まったとも言われていますが、仮面をつけて楽しむようになったのは中世。その当時、栄華極めていたベネチアは、舞踏会やお祭りも盛大に行われていたのですが、身分階級がしっかりとしかれていた当時、身分や立場を忘れて皆で楽しむというのが難しかったのです。そこで、もともと芝居や舞台などの文化芸術が盛んで、舞台用の仮面が身近にあったベネチアの人々は、この仮面をつけて、身分や立場を忘れて、心からお祭りを楽しんだのです。

仮面で顔を隠すことで、しがらみから自由になって心から楽しむベネチアのカーニバル。そう、心を解き放って楽しむことは必要なのです。ベネチアのカーニバル、いつか参加できたら楽しいですね。
[仮面のお店 トラジコミカ]
[All photos by Ryoko Fujihara]
Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。
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