どこかへ旅する時、ガイドブックを参考にするのもいいですが、その土地を舞台にした映画を見るのはストーリーも加わって街の印象がよく伝わってくる気がします。映画に描かれた素敵な場所を実際に訪れて思いを馳せる旅は、気分もぐっと盛り上がりますよ。
今回は、イタリアを旅するなら観ておきたい映画を3つ選んでみました。
冷静と情熱のあいだ
辻仁成と江國香織による共作恋愛小説を原作とした「冷静と情熱のあいだ」。フィレンツェの工房で美術絵画の修復士を目指す阿形順正。彼の心にはかつての恋人・あおいが存在し続けていました。10年前のある悲しい出来事をきっかけに別れた後、順正とあおいはそれぞれ別の生活や恋人を持ちますが、2人にはずっと忘れられない約束がありました。それは「あおいの30歳の誕生日にフィレンツェのドゥオモのクーポラで待ち合わせる」というもの。
ストーリーはフィレンツェ、ミラノ、東京を舞台に繰り広げられますが、映画に描かれたフィレンツェの美しさは心を奪われるほど。Enyaをはじめとする神秘的なサウンドトラックもシーンを彩り、見る者の心に深い感動を与えてくれる作品です。

オレンジ色の屋根瓦と白壁の家々が立ち並び、情緒たっぷりなフィレンツェの街並。うっとりするような美しい風景が何度も登場しました。

映画のクライマックスの舞台となるドゥオモ。クーポラまでは迷路のような464段もの階段を登らなくてはいけませんが、華やかなフィレンツェのパノラマは感動の景色。
ローマの休日
1953年に公開された名作「ローマの休日」。ローマを訪問していた某国の王女アンが滞在先から抜け出して、市内で偶然出会った新聞記者ジョー・ブラッドレーと短い恋に落ちます。
過密で退屈なスケジュールから解放された彼女は、ローマで自由な時間を満喫。やがてジョーと強く惹かれ合うようになりますが、お互いの気持ちを言葉に出すことはせず、王女は公務を果たすため宮殿へ戻ることを決意します。
甘く、切ないストーリーもさることながら、王女役を演じたオードリー・ヘプバーンのため息がでるような可憐な美しさも必見。ローマ中の観光名所が舞台となり、旅をしているような気分にもなれる作品です。

アン王女がジェラートを食べたことで一躍有名になったスペイン広場。ローマを代表する観光名所も、映画に思いを馳せればもっと素敵な印象になりそうですね。

街中に古代遺跡が溶け込むローマ。グルメも最高の街ですが、歴史の奥深さを体感できるのも魅力です。
グラン・ブルー
1988年に公開されたフランスとイタリアの合作映画「グラン・ブルー」。たった一度の呼吸で、グラン・ブルーという誰も到達することのできない、 深い海の世界へ潜っていく2人の男の友情と軋轢、そして彼らと運命的に出会った女性の心の葛藤が描かれています。
繊細なタッチで綴られた人間ドラマにもどんどん引き込まれてしまう作品。2010年にはフィルムの傷や汚れをデジタル処理で修復した「デジタル・レストア・バージョン」も公開され、別世界のようなコバルトブルーの映像美が話題になりました。

舞台となったシチリア島の東海岸に位置するタオルミーナ。イタリア屈指のリゾート地でもあり、青い海と空、雄大なエトナ山、古代遺跡など観光地としての魅力にあふれます。

ロケ地にもなった深く碧い海に囲まれた小さな島、イソラ・ベッラ。島の入り江まで細い砂浜で繋がっている奇跡的に美しい地形。
旅をいっそう盛り上げてくれそうな映画たち。そして心に響いた街並や風景を訪れて、思いを馳せてみれば、いつもと一味違う旅になりそうです。
[Photos by Shutterstock.com]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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