外国人と話した際に、歯の白さ、歯並びの良さに気後れして、つい自分の口元を隠してしまった経験のある方もあるのではないでしょうか。国によって歯の健康、歯並びへの意識には大きな違いがありますが、実は日本人の歯のケア、歯並びの悪さにがっかりしている外国人が多いのです。
マウスピース矯正を手がけるアライン・テクノロジー・ジャパン社の「日本人の歯並びに関する意識調査」(2012年)によると、日本在住の外国人の76%が「日本人は歯並びが悪い」と回答しています。
そこで今回は海外で残念がられないためにどうすれば良いか、歯科医師であり日本矯正歯科学会専門医の東海林貴大先生にお話を聞いてきました。
残念ながらそう感じます。特に欧米では歯並びや歯の健康、予防に対する意識が高く、きれいな歯並びや歯の白さに価値を感じている方が多いですね。
ただし、これは私たち歯科医師にも責任の一端があると思っています。もっと歯科矯正に対するハードルを下げて、治療に通ってもらえる環境を作らないといけません。横浜に新しくオープンしたクリニックもそういうコンセプトで作りました。
見た目の良さだけではなく、歯並びが良いと歯磨きがしやすく、虫歯になりにくいという利点があります。デコボコがあるとどうしても歯ブラシが届かないところが出てくるので。その磨き残しがトラブルの原因になってしまいます。
積極的に海外に行ったり、外国人と触れ合う機会を増やしていくと、自然と歯にも目が行くようになると思います。
その人の魅力が一番出るはずの笑顔で損するのはもったいないですね。特に歯並びを意識している外国人とのコミュニケーションでは損をしてしまうことも多いと思います。
治療中の見た目や費用のこと、治療期間の長さを心配している方も多いですね。今までたくさんの患者様とお話をしてきたので、その気持ちはよく分かります。
でも、裏側から見えないように矯正をする方法もありますし、最近では透明なマウスピースを使う方法など技術もどんどん進んでいます。新生活などきっかけは何でも良いと思いますので、最初は気軽な気持ちでまず相談に来て欲しいですね。
やはり日本にいるだけでは手に入らない情報も多いですし、患者様に使うものは自分の目と手で確かめたいと思い、積極的に海外に出かけています。
旅行は大好きです。学会のついでにと思いますが、予定を詰めてしまうのでなかなか観光には行けずにいます。もう何年か経ちますが、モロッコの砂漠が印象に残っています。夕日が砂漠を照らして、真っ暗闇になるまでの幻想的な景色が忘れられません。
横浜駅前に新しいクリニックをオープンした東海林先生は、常に笑顔で情熱的に歯並び矯正のことを教えてくださいました。海外に出る前に自分の歯を鏡でチェックするとさらに充実した時間を過ごせるかもしれませんね。
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■取材協力
「渋谷矯正歯科」「横浜駅前歯科・矯正歯科」東海林貴大総院長
神奈川県出身。北海道医療大学歯学部を卒業後、同大学歯学部歯科矯正科に入局。その後、札幌医科大学口腔外科を経て、2007年3月に青山通り矯正歯科を開業。2013年10月に渋谷に移転し渋谷矯正歯科へと改名。歯科医師、日本矯正歯科学会専門医、日本成人矯正歯科学会認定医、世界舌側矯正歯科学会WSLO認定医、ヨーロッパ舌側矯正歯科学会ESLO認定医、米国 アライン・テクノロジー社認定医インビザラインドクター。2016年3月に横浜駅前歯科・矯正歯科を開業。
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