トリップアドバイザーで「世界の人気美術館・博物館トップ25」の1位に選ばれているニューヨークのメトロポリタン美術館。名画、彫刻、装飾品総数300万点の美術品を所蔵していると言われます。この世界最大級の美術館を見て回るのは、体力勝負。
ニューヨーク在住者が、実際のところをお教えしましょう。
● 1日では見きれません。
● 広いので、自分の見たいものまで行き着くのに一苦労。
● 地図(日本語版あり)を見ても、迷います(美術館員でも地図が分からないことがあります)。
● 美術館の床は固く、足腰が痛くなります。
殆どの旅行客が、「お目当ての絵画よりも、ひたすら歩き回ったことだけが記憶に残った」と語っています(苦笑)。ノルマを課すように見るのが、美術鑑賞とは思えません。
そこで、ニューヨーク在住の筆者が、疲れない「メトロポリタン美術館」(以降METと省略)の過ごし方をおすすめしたいと思います。駆け足で有名作品を追いかけず、欲張らず、アートと時間を共有してみましょう。ご紹介するポイントを見れば、METに行った価値があり、疲れずに過ごせますよ。

1.デンドゥール神殿 The (Egyptian) Temple of Dendur(1階)
エジプトコレクションの中の「デンドゥール神殿」。METの一番人気。筆者も一番好きな場所で、ぜひ見てもらいたいエリアです。

エジプトの神殿を屋内に再現したということに、初めて見た時はビックリしました。

ガラスの明り採りの中でゆっくり佇めば、タイムマシンに乗らなくても、ローマ時代と現代を共有出来るのです。贅沢な時間だと思いませんか?
METは閉館後貸し切ることも可能(大変お高いです)で、コンサートやライブ、パーティ、ファッションショーが開かれることもあります。

2.アメリカンウィングの中庭 The Charles Engelhard Court in The American Wing(1階)
三層が吹き抜けになった、スペーシャスな空間。晴れた日を選んで訪れたい、METのサンルーム The Charles Engelhard Court in The American Wing。

ティファニーのステンドグラスも雰囲気を醸し出します。

中2階(Mezzanine)に上がってみると、ガラスのコレクションがあります。ここはほとんど人がいなくて、太陽光がガラスに当たるさまが綺麗。

窓の外には、セントラルパークの景色が見えますよ。
3.ヨーロッパ彫刻 European Sculpture Court(1階)
ヨーロッパの雰囲気が漂う空間。彫刻の中を歩いていると、映画の主人公になったような気がします。

学生が模写しているのを、そっと眺めたり。

4.中世美術 Medieval Sculpture Hall(1階)
何とも雰囲気のある場所がこちら。

年末には、ここにクリスマスツリーが飾られるそうです。一度見てみたいものですね。

1階地図(1-4の所在は、赤丸部分)

(C) Met Fifth Avenue Map
5.中国庭園 The Astor Chinese Garden Court(2階)
日本の文化のルーツは中国だと再認識する、中国庭園。アジアのものは、やはりホッとしますね。

くぐると別世界へ行けるという、月を模すAstor Court moon gate。

世界遺産庭園 網師園がモデルになっているそうです。財閥アスター家が中国から職人を呼び寄せて作った、月見の庭。ニューヨークで中国風のお月見も乙なものなどと考えながら、休憩するのに向いたスペースです。
[Chinese Garden Court]

2階地図(中国庭園は、赤丸部分)

(C) Met Fifth Avenue Map
アメリカの美術館の良いところは、ベンチや座れる場所があって、いつでも休めることです。素敵な空間に腰を下ろして、アートの雰囲気に浸りましょう。こんな大人の過ごしかた、素敵だと思いませんか?
[All Photos by Hideyuki Tatebayashi]
※無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。Do not use images without permission.

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sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
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