ほめたつもりなのに、きちんと伝わっていない・・・。そんな英語のほめ言葉を5つピックアップしました。日本人の私たちが「羨ましい」「素敵」と思う事柄も、相手によっては「失礼な!」と思うことがあるのです。
色が白いね
日本人女性にとって一生の命題である「美白」ですが、特にアジア以外では、多くの人が「肌は小麦色の方がセクシー」という美的感覚を持っています。ビーチでは日焼け止めではなくサンオイルを塗り、普段から小麦色のファンデーションを使うほど。そのため、「色が白い」はあまりほめ言葉として受け取られません。
ちなみに日本語を直訳して「You are so white.」といっても、「色白」という意味にはなりません。whiteには「白人」という意味があるので、最近世間をにぎわすドナルド・トランプ候補の支持者のように「白人至上主義的なんだね」というニュアンスが生まれてしまうのです。
また「顔色が白い」というつもりで「You look pale.」と言っても、「顔色が悪い(ゲッソリしてるね)」という、これもまたネガティブな意味が生じてしまいます。どうしても肌の白さをほめたいなら、
と言えば間違いないでしょう。背が高くて羨ましい
小柄な筆者は、スラッと長身の女性を見ると思わず「背が高くていいな~」と言ってしまいます。しかし、相手からは決まって「そう? 私は日本人くらい小柄になりたいわ」という言葉が返ってきます。もちろん謙遜半分、気遣い半分かもしれませんが、「背が高い」は背が高い当人たちにとってはグッとくるほめ言葉ではないようです。日本人同士でも同じことが言えるんですが。代わりに
(すごくスタイルいいね!)といったフレーズを使えば、気持ちが伝わるでしょう。小顔でいいなあ
マッサージや整体に通ってでも手に入れたい「小顔」も、ピンとくるほめ言葉ではないようです。そもそも「顔が小さいとスタイルがよく見える」という概念がないため、「Your face is so small!」とほめてみても「だから何?」という顔をされてしまいます。「小さすぎる顔はアンバランスじゃない?」だったり、「顔の大きさより中身を見てくれ!」と思う人が多いようです。小顔ではなく、前述したようにスタイルのよさをほめるといいでしょう。
鼻が高いね
「高い鼻」はtall noseではなくbig noseと表しますが、これは悪口に近いため使わない方がいい言葉です。西洋諸国では鼻の高さを削る整形手術を受ける人がいるほど、鼻は低く小さい方がいいと思われているのです。顔の中であえて鼻だけをほめるのも、人によっては不快に感じるかもしれません。特に触れなくてもいいのではないでしょうか。
日本語が完璧だね
日本語を話せる外国人が珍しいこと、またサービス精神もあって、つい「すごい!日本語完璧だね!!」とほめ過ぎてしまう――それは不信感を招く可能性があります。「私の日本語はまだ挨拶レベルなのに、からかってるの?」と。
もし何か言葉をかけるなら
(まあ、日本語を学ばれてるんですね)くらいの方がトラブルにはならないでしょう。 (どうやって日本語を勉強したんですか?)などと尋ねてもいいかもしれません。ちなみに、相手が日本語で話しかけているのに英語で返答するのも、ムッとさせてしまう一因。気を付けたいものです。以上、日本人以外にはいまいち伝わらないほめ言葉でした。大半が容姿に関するほめ言葉になってしまいましたが・・・美的感覚は文化によって様々であることがわかります。
そもそも容姿をほめすぎると、「私は見た目だけの人間ってこと?」と受け取られてしまうこともあります。日本人は「痩せた?」「若く見えるね」などと外見についてほめ合うことが多々あると思うのですが、外国の人に多用するとかえってマイナスになる可能性があります。文化の違いを理解しながら、気持ちよくコミュニケーションをとりたいものですね。
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