【NY現地ルポ】米レストランは「チップ廃止」の動き

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Apr 25th, 2016

ニューヨークへいらっしゃるあなたに、朗報です。あなたが不慣れなニューヨークで心配していることのひとつには、「チップ制度」があるのではないでしょうか。

日本では馴染みがないゆえに、いくらあげたら良いのか分からない、渡すタイミングが分からないなど頭が痛かったかもしれませんね。飲食時にどうしたらと、不安だったのでは? ニューヨークでは、現在レストランのチップ廃止の動きが出ているのです。

【NYC】米レストランは「チップ廃止」の動き

そもそも、チップってなに?

チップとは、サービスに対して感謝の気持ちを示すお金で「サービス料」、「心づけ」とでもいえば解りやすいでしょうか。アメリカでは、主に下記のような場合チップが必要とされています。

レストランで飲食時(マクドナルドやスタバなど自分でサービスする店は除く)
タクシー乗車(タクシードライバー)
ホテルで荷物を持ってもらった時(ポーター)
ホテルでタクシーを呼んでもらった時(ドアマン)
ホテルでチェックアウトする時(メイド)長い滞在の場合は毎日1-2ドルを枕元に
修理を呼んだ時(メンテナンスの人に)
出前を取った時(宅配してくれた人に)

【NYC】米レストランは「チップ廃止」の動き

なぜレストランでのチップが廃止の方向に?

●最低賃金の引き上げ
今までアメリカの最低賃金は、時給7ドル25セント。利用客からチップが見込まれるサーバー(ウェイターおよびウェイトレス)は、最低賃金で働いていました。

2014年に最低賃金の引き上げが可決され、2015年12月31日に9ドルへ。最終的に時給15ドル(2020年予定)に引き上げられます。

●キッチンスタッフとの格差の軋轢
客単価の高い高級レストランでは、能力の高いサーバーは一晩で200-300ドルのチップを稼ぐこともあり、法律上チップ制度に恩恵がないキッチンスタッフ(料理を作るシェフなど)やバスボーイ(食べ終わった皿を下げる、洗い物をする)との軋轢が生じる場合がありました。

【NYC】米レストランは「チップ廃止」の動き

NYCのチップ廃止のレストラン

(2016年4月17日現在) 
【NYC】米レストランは「チップ廃止」の動き

Annisa
Biang
Bruno
Café China
Chef’s Table at Brooklyn Fare
Craft
Dirt Candy
Eleven Madison Park 
Fedora
Freek’s Mill
Huertas
I Trulli 
Insa
Maialino
Meadowsweet
The Modern 
Momofuku Nishi
M. Wells Steakhouse
Okonomi/Yuji Ramen (Japanese 定食/ラーメン) 
Ootoya (Japanese 定食)
Pasquale Jones
Per Se
Prawn Shop
Restaurant Riki (Japanese 居酒屋) 
Roman’s
Sushi Yasuda (Japanese 寿司) 
Sutton Inn
Teisui (Japanese 寿司コース) 

メニューは、サービス料込に値上げされている

最低時給を払うためには、店側も値上げせざるを得ません。それでなくても、マンハッタンのテナント代(家賃)はロケットハイと言われています。テナント代が、ロケット並みに早く高く上昇しているという意味です。チップ制度廃止の店は、メニュー価格の改正を行っています。

【NYC】米レストランは「チップ廃止」の動き

和食レストランの多くが、チップ廃止方向へ

日本の大手定食チェーン店の大戸屋(Ootoya US)も、2016年3月28日よりチップ制度を廃止しています。日本人を始めとする韓国、台湾、中国などチップ制度に馴染みのない利用客が多いので、煩わしさがなくなるという点で喜ばれるかもしれません。

まだ全てのレストランが、チップ廃止ではありません

レストランはチップ廃止の方向へ動いていますが、実施されているのは、一部のレストランです。チップ廃止以外のレストランでは、チップを置いてくださいね。

チップは15-20%が目安です。簡単なやり方としては、お会計の伝票の合計の下に書いてあるTax(消費税 8.875%を2倍にした金額を丸めて(四捨五入)支払います。暗算で出来ますので、筆者はいつもこのやり方でチップを支払っています。ご参考まで。

[GRUB STREET]
[NEW YORK STATE]
[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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