学生のころ、トカラ列島に浮かぶ「宝島」という島を知り、思わず旅に出かけた思い出があります。なんだか地名だけで行ってみたくなる場所って、全国にいろいろとありますよね。

そこで今回は国土地理院の地図などを頼りに、全国の行ってみたくなる地名や名称を探して集めました。次の旅行でどこに行こうか迷った場合は、ぜひとも参考にしてみてください。

とにかく驚きの地名や場所・・・がっかり島、鼻毛の滝など

まずはとにかく驚いてしまうような名前の場所をまとめます。

がっかり島
行くまでに苦労する割にはがっかりしてしまうのでしょうか・・・。岩手県の宮古市、陸中海岸国立公園のリアス式海岸が続く沿岸に浮かぶ無人島です。

残念ながら国土地理院の地図には記されていないのですが、真崎と呼ばれる小さな岬の先端に幾つも浮かぶ岩礁の1つで、道路も岬の付け根までしか通っていません。シーカヤックなどで接岸するしかありませんね。それほどの苦労をして上陸しても、心温まる観光スポットがあるわけではなさそうですから、確かに「がっかり」してしまう島なのかも。

鼻毛の滝
実は鼻毛とつく地名は全国に少なくないのですが、鼻毛の滝は群馬県のみなかみ町にあり、アウトドア好きには有名なスポットだとか。棚田のような滝になっていて、天然のすべり台として人気です。

名前の由来を関係各所に聞いてみたところ、みなかみ町観光協会→みなかみ町役場本庁観光課→アウトドアのツアー会社であるキャニオンズさん→みなかみ町山岳資料館と、見事な連携で紹介をいただきました。最終的にお話をうかがった山岳資料館の方によれば、

「あくまでも一説ですが、群馬県のみなかみ町には白毛門（しらがもん）と呼ばれる山があります。その山の斜面にはジジイ岩、ババア岩と呼ばれる人の顔のような岩があるのですが、その鼻のあたりから水がわき出しています。その水の流れが沢になり、ゆくゆくは鼻毛の滝になっているからだと聞いています」

と教えてくれました。地図に乗る正式名称ではないみたいですが、「地元では老若男女、誰もが鼻毛の滝と呼ぶ」とのこと。逆に取材でその名前を出すたびに、筆者の顔が赤くなってしまいました。

なんだか金運がアップしそうな地名や場所・・・宝島、大金町、黄金など

次はなんだか金運がアップしそうな地名や場所。

宝島／小宝島
国土地理院の地図を調べてみると、冒頭で触れた宝島は鹿児島県にあるトカラ列島の宝島（有人島）だけでなく、他にもあると分かりました。

例えばその近くに浮かぶ有人島の小宝島、北海道の積丹半島に浮かぶ無人の宝島、福岡湾の能古島の近くに浮かぶ無人の宝島など。

大金町／黄金通
他にはなんだか金運がアップしそうな地名として、名古屋市の西区にある大金町（おおかねちょう）、同じく名古屋市の中村区にある黄金通なども挙げられます。

金運に関係があるかは分かりませんが、京都市の下京区（しもぎょうく）には天使突抜（てんしつきぬけ）と呼ばれる地名もあります。興味深いですね。

有名人とそっくりな地名や場所・・・サザエ島、野口五郎岳、歌丸、清水明など

最後は有名人とそっくりな地名を紹介します。

サザエ島（さざえじま）
サザエさん一家が暮らすのどかな島に思えますが、実際は島根県の隠岐諸島、島後にある小さな無人島です。ちなみにサザエ島は隠岐海峡を挟んだ同じ島根県の島根半島、美保関町笠浦にもあります。こちらも無人島。

野口五郎岳
富山県と長野県の県境にある標高2924.3mの山、野口五郎岳。もちろん山の方が先で、野口五郎さんが芸名の参考にしたのだとか。

五郎丸／歌丸／清水明
新潟県の南魚沼市には五郎丸という地名も。山形県長井市には歌丸、富山県の南砺市（なんとし）には清水明（しみずみょう）もあります。

以上、全国の驚くような地名をまとめましたが、いかがでしたか？ まだまだびっくりするような地名は日本にたくさん。地図帳を広げて、皆さんも探してみてください。

[地理院地図]
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坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家／ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書（TABIZINEライターとの共著）に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸３県のWebマガジン〈HOKUROKU〉（https://hokuroku.media/）創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。