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【日本三大和牛】「松阪牛」と「神戸ビーフ」もうひとつは?

Posted by: あやみ
掲載日: Mar 3rd, 2023.

世界から注目される日本の和牛。濃厚飼料を多く与え、長期間肥育した牛のことを「銘柄牛(めいがらぎゅう)」といいます。その中でも、優れた肉質で「日本三大和牛」と呼ばれているのは、「松阪牛」と「神戸ビーフ」、もうひとつは何でしょうか? それぞれの歴史のほか、飼育方法や肉質などを紹介します。

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和牛鉄板焼き
 


 


銘柄牛とは?

和牛
全国には、320種類以上の銘柄牛があり、各銘柄牛(ブランド牛)は、和牛の生産者団体が任意に、品種や種別、枝肉の格付け、飼育方法など、一定の基準を設けて、認定しています。また、和牛は黒毛和種(くろげわしゅ)、褐毛和種(あかげわしゅ)、日本短角種(たんかくしゅ)、無角和種(むかくわしゅ)の4種です。

例えば、松阪牛(まつさかうし・まつさかぎゅう)には以下のような定義があります。

  • 黒毛和種、未経産の雌牛
  • 松阪牛個体識別管理システムに登録されていること
  • 松阪牛生産区域(旧22市町村)での肥育期間が最長・最終であること
  • 生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に導入され、導入後の移動は生産区域内に限る。

※松阪市公式ホームページより引用

「近江牛」もしくは「米沢牛」が日本三大和牛に数えられる

日本三大和牛で「松阪牛」「神戸ビーフ」に続くのは、「近江牛」もしくは「米沢牛」とされています。

「近江牛」は、滋賀県草津市など指定された地域の農家で肥育された黒毛和種の牛肉で一定の基準を満たしたものです。一方の「米沢牛」は、一定の基準を満たした山形県米沢産の肉質等級3級以上の黒毛和種の牡牛が主体となっていてます。

各肥育農家が創意工夫を重ね、丹念に育て上げる「松阪牛」(松阪市とその周辺)

松阪牛すきやき
肉眼で見えないほどのきめの細かい霜降りで、とろけるような口溶けが特徴の「松阪牛」は、まろやかでくどくなく、お箸で軽く切れてしまうほどの柔らかな肉質が特徴です。悪玉コレステロールを低下させ、血液をサラサラにするとされる「不飽和脂肪酸」を豊富に含んでいるのもポイント。

松阪牛は熟練の肥育農家により一頭一頭、手塩にかけて育てられています。松阪牛の中でも、900日以上にわたり肥育する特産松阪牛は特に高度な肥育技術が必要です。松阪市を中心とした松阪牛生産区域には、櫛田川や宮川といった清流が流れていて、美しい水と伊勢平野の温暖な気候が品質の良い牛を育てます。

さらに、肥育農家は牛に食欲がないときは、食欲増進のためにビールを飲ませたり、丹念にブラッシングや洗体をしてスキンシップを取ったり。各肥育農家が創意工夫を重ねて、牛の状態や体調に合わせた管理を実施しています。

また、生産者が一頭一頭大切に育てた松阪牛の個体情報や肥育農家情報など、導入から出荷までをデータで管理する松阪牛独自の「トレサビリシティシステム」を導入。データ収集する際は、システムを管理運営する三重県松阪食肉公社の職員が直接牛舎まで赴き、登録する松阪牛を全頭確認しているため、大変信頼性が高いものとなっています。

そんな松阪牛は三重県の特産物としても有名です。三重県松阪市近郊を訪れたら、ぜひ甘く上品な香りで、なめらかな舌触りの松阪牛を味わってみてくださいね。

NBAのスーパースターも関係する!? 世界で抜群の知名度を誇る「神戸ビーフ」(兵庫県)

和牛ステーキのイメージ
1868年に国際港が開港し、多くの外国人が移住した歴史のある神戸。初めて神戸で但馬牛を食べたのはイギリス人だったといわれています。その後、神戸に入港する外国船から牛の納入を求められるようになり、いつしか「神戸ビーフ」と呼ばれるようになりました。

また、NBAを代表するスーパースター、コービー・ブライアントが「神戸ビーフ」のもとになっているという話も。彼のファーストネーム「コービー」は、「KOBE」がアメリカ風の発音になったものです。コービーの父親が来日時に食べて感動した神戸ビーフのステーキからその名を思いついたとか。

いまや神戸ビーフは世界で抜群の知名度を誇る存在です。オバマ元大統領のほか、王室関係者、ハリウッドスターなどが、来日時には神戸ビーフを味わっています。

そんな神戸ビーフは、最高級の霜降り肉で、実に柔らかい舌触りが特徴。赤身の持つおいしさと脂肪の香りが絶妙です。牛肉の風味の良さに影響を及ぼすとされる「モノ不飽和脂肪酸」(オレイン酸など)、うま味のもと「イノシン酸」が、ほかと比べて多いこともわかっています。

また、神戸ビーフは但馬牛の中でも厳正な規格に当てはまる、純血種の最高級の牛のこと。ほかの牛の遺伝子は一切入っていません。兵庫県内の但馬牛の血統のみの交配を続け、兵庫県内の指定生産者が繁殖・肥育し、神戸肉流通推進協議会が定める厳しい定義をクリアした最高級牛肉だけに「神戸ビーフ」の称号が与えられます。

神戸ビーフを食べられるお店は、神戸肉流通推進協議会によって指定登録されており、店頭で会員証・指定証・ブロンズ像の掲示をしています。記念日や誕生日などに味わいたいですね。

味噌漬けが考案されたのが始まり、日本最古の歴史を誇る「近江牛」(滋賀県)

近江牛
滋賀県を産地とする「近江牛」は、1687年に彦根藩で味噌漬けにされた養生薬「反本丸(へんぽんがん)」が考案されて以来、日本各地で知られるようになりました。肉禁食の江戸時代に、彦根藩主井伊家から江戸の将軍家や諸侯に献上されていたのです。そのため、日本で最も長い400年以上の歴史を持つ牛肉だといえます。

現在、近江牛は、琵琶湖を中心とする豊かな自然環境のなか、水田から得られる稲わらなど、地域と結びついた「安心・安全」な生産を行っています。

また、近江牛は霜降り度合いが高く、オレイン酸が多く含まれているため、口溶けがよいといわれています。一口頬張ると、芳醇な香りがふわっと広がり、とろけるようなおいしさ。たっぷりの旨味が残るのも特徴です。近江牛の楽しみ方は幅広く、ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶはもちろん、和・洋・中を問わず、さまざまな料理に合います。近江牛を使ったメニューが100を超えるお店もあるほどです。

近江の大地が育んだ日本最古のブランド和牛「近江牛」は、通販でも購入可能です。自宅で贅沢に高級和牛を味わうのもいいでしょう。贈呈品としても喜ばれそうです。

ひとりの英国人教師から全国に広まったとされる「米沢牛」(山形県置賜地方)

米沢牛
「米沢牛」は、明治初期に英国人教師、チャールズ・ヘンリー・ダラス氏が山形県米沢市を訪れ、興譲館中学で英語教師として教鞭を執り、和牛肉を食べたのが始まりです。当時、米沢では四つ足の動物は食べないとされていましたが、あまりのおいしさに驚いたダラス氏は、任期を終えて米沢を離れる際、一頭の牛を横浜に連れ帰ったとか。それがきっかけとなり、米沢牛のおいしさが全国に広まったといわれています。

米沢市を含む置賜(おきたま)地方は、質の高い牛肉を育てるのに適しています。雪に覆われる極寒の冬、湿度の高い夏といった気候に恵まれているほか、飯豊山など四方の山々から流れ出る湧き水が豊かな土壌をつくり出しているのです。生産者は一頭一頭の健康管理に十分に気を配り、愛情を注いでいます。また、麦、ふすま、トウモロコシ、大豆などを原料に独自の飼料を配合。おいしく安全な牛肉を確かな生産ルートでお店や家庭に届けています。

米沢牛は、きめ細かな霜降りで、焼くとトロリとした柔らかい食感に。豊かな香りと旨味をとことん堪能できます。置賜地方を訪れることがあったら、旅の思い出のひとつとして、米沢牛の料理を味わいたいですね。

[All photos by Shutterstock.com]

あやみ

Ayami ライター
フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。


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