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「今を生きる」。ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を周った女性のお話

Posted by: 倉田直子
掲載日: May 17th, 2016. 更新日: Jan 18th, 2017
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「バケットリスト」(Bucket List)という言葉をご存知でしょうか。「生きている間に、これだけはしておきたい」ということを書き連ねるリストのことです。

2007年に公開されたハリウッド映画「最高の人生の見つけ方」は、このバケットリストがテーマになっていました。そして、そんな映画顔負けなドラマを巻き起こした女性の行動が話題になっています。


3度の危機と、付き合って2週間の恋人との旅立ち

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

2014年11月、アメリカ在住のミーガン・サリヴァン(Megan Sullivan)さんは、ひと月の間に3度も命の危険を感じる経験をしました。まず1度目は、3年以上のキャリアだった趣味のロッククライミング中、ヨセミテ国立公園の崖からで15m以上も滑落してしまった時。幸い、この時はほんの軽傷で済んだそう。

2度目はその翌週、スクーターのヴェスパを運転中に車との衝突事故でした。ミーガンさんは車がぶつかる直前にヴェスパから飛び降りたので、この時も重傷は負わずに済みました。しかし3度目の危機は事故の後、念のため訪れた病院での出来事でした。彼女の頭皮にあったしこりを心配した医師が検査を行ったところ、ミーガンさんはメラノーマ(皮膚がんの一種)であることが発覚したのです。

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

このたたみかけるようにやってくる生命の危機に動揺したミーガンさんは、付き合い始めてからまだ2週間しかたっていない恋人のクリスさんにそのことを相談します。すると彼は「君のバケットリストの一番上にあることは何か」と訊きました。改めてミーガンさんが「今までやりたかったけど先延ばしにしていたこと」を考えたとき、思いついたのは「世界中にある新世界7不思議をめぐること」だったのです。そして彼女は旅に出ることを決意し、クリスさんもそこに同行することを決めました。

新世界7不思議をめぐる弾丸ツアー

そしていよいよ、2014年12月28日に旅立ちの日を迎えます。

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

1日目:チチェン・イッツァのピラミッド(メキシコ、ユカタン州)

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

2日目:マチュ・ピチュ(ペルー、クスコ県)

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

4日目:コルコバードのキリスト像(ブラジル、リオデジャネイロ)

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

6日目:コロッセオ(イタリア、ローマ)

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

8日目:ぺトラ(ヨルダン、アマーン県)

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

11日目:タージ・マハル(インド、ウッタル・プラデーシュ州アーグラ)

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

12日目:万里の長城(中国)

時間も予算も限られていた二人は、なるべく短期間で効率よく7か所を回れるルートを考えました。しかも飛行機の時間も、なるべくホテル代を節約するために夜間のフライトをチョイス。

そういった試行錯誤の末に二人の旅は「13日間、12か国、15回の飛行機搭乗、ホテル5泊」というものになりました。それでも一人の負担額は約6千300ドル(2016年4月現在、約70万円)、一か所に留まれる時間は最長2日という過酷な内容でした。特にメキシコには7時間しか滞在できなかったといいます。

今を生きる大切さ

ミーガンさんはかつて「やりたいことがあっても、十分なお金や時間がない」と自分に言い聞かせていたそうですが、それはただの言い訳だったと過去を振り返ります。本当に恐れていたのは、失敗することだったのだと。

そしてそれ以来、毎日「自分は今日という日を生き抜く力を持っている!」と自分に言い聞かせてきたのだとか。確かにこんなに過酷な旅をやり遂げた後なら、どんな一日でも生き抜く自信が湧いてきそうです。

今を生きる!ガン宣告後に13日間で新世界7不思議を回った女性
(C) Instagram/Megan Sullivan

そして2015年にはメラノーマの摘出手術も行い、旅に関する文章や映像を精力的に発信されているミーガンさん。共に旅をやり遂げたクリスさんとの関係も順調で、この新世界7不思議ツアーの後もオランダやトルコを共に旅したそうです。これからも、二人で様々な場所を訪れて欲しいですね。

ミーガンさんの行動力を尊敬するとともに、「やりたいことを先延ばしにしない」大切さも教えられました。今という時を大切に生きていきたいです。

【The New 7 Wonders of the World in 13 Days】

2016年9月追記。
ミーガンさんの挑戦はまだまだ続いています。最近はネパールでトレッキングされたと便りがありました。その時の動画がこちら。


【EVEREST: One Sec Shots】

[After Being Diagnosed With Cancer, I Traveled To The 7 Wonders Of The World In 13 Days]
[MEGAN SULLIVAN]
[Woman travels 30,000 miles around the world in 13 days with man she’d been dating for TWO WEEKS after three near-death experiences inspired her to fulfil travel dreams]
※すべての画像は、著作権者より画像使用の許諾をいただいております。無断転載はご遠慮ください。

倉田直子

Naoko Kurata ライター
オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/


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