蜂蜜といえば、緑溢れる田舎で作られるというイメージがありますよね。ちょっと想像しにくいのですが、オペラ座、オルセー美術館、リュクサンブールなどのパリの名所でも蜂蜜が作られているのです。
ただパリで作っているという物珍しさを売りにする蜂蜜じゃないのなんて思う人もいるかもしれませんが、養蜂家やレストランのシェフも注目するほど、パリで作られる蜂蜜は特別なのです。パリの蜂蜜の秘密を探ってみましょう。
パリの蜂蜜の養蜂の歴史
リュクサンブール公園の養蜂園 (C) Nanako Kitagawa
パリで蜂蜜が作られるようになったのは最近のことのように思いますが、意外にもパリの養蜂には歴史があるのです。1856年にリュクサンブール公園で蜂蜜作りがおこなわれるようになりました。養蜂場の裏には多様な味の蜂蜜を作るのに、さまざまな花が植えられています。このリュクサンブール公園では、養蜂の市民講座も受けることができるそうです。
パリの蜂蜜で有名といえばオペラ座の蜂蜜。1981年にオペラ座の屋上に巣礎を置いてみたところ、ミツバチが集まるようになり、蜂蜜作りがおこなわれるようになったのだとか。マドレーヌのフォションで販売されるようになり、世界で一番高い蜂蜜のひとつとして有名になりました。
その後、グランパレやノートルダム寺院でも蜂蜜作りが行なわれるようになり、現在パリの名所では養蜂がちょっとしたブームになっているのです。
あえてなぜパリで蜂蜜作りを?
大自然のないパリでなぜ蜂蜜作りが行なわれてるのでしょうか。あまり知られていませんが、パリは公園が多い大都市。これらの公園には自然界の形態からはありえない組み合わせの植物が多数植えられています。人口的な形態で植えられている花の蜜を採集したミツバチからできる蜂蜜は複雑な風味に仕上がるのだそうです。
フランスの養蜂家たちは、深みあるオリジナルの蜂蜜を作るために、パリで養蜂をおこなう傾向にあるようです。一部の専門家たちの間では、田舎で作られたものよりパリで作る蜂蜜の方が美味しいという意見があるほどなんですよ。
オルセー美術館で作られた蜂蜜を食べてみた
実際にオルセー美術館で作られた蜂蜜を食べてみました。フランスのスーパーなどで購入する蜂蜜に比べて、レモンやライムのような酸味のある風味やハーブの味が微かにします。味わい深くありながらも、すっきりとした蜂蜜です。今レストランのシェフたちも使いたがる蜂蜜というのがわかるほど、複雑で特別な味わいです
パリで作られる蜂蜜は6区のデパート、ボンマルシェで購入できます。オペラ座の蜂蜜は時期によっては購入することはできないようですが、オペラ座の売店やフォションで販売されています。今フランスの養蜂家やレストランのシェフが注目視するパリの蜂蜜。蜂蜜好きの方は試す価値ありです。
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[パリの手帖 とっておきの散歩道]
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