2015年度、フランスのユネスコ世界遺産登録は41件。パリのセーヌ川やヴェルサイユ宮殿、モンサンミッシェルバドと日本人には観光でお馴染みの場所も登録されています。しかし、世界遺産のリストを見ると、あまり知られていない美しい場所や意外な場所も世界遺産として登録されているのです。今回は日本ではあまり有名ではない世界遺産にスポットを当てて紹介したいと思います。
シャルトル大聖堂
パリのモンパルナス駅から電車で約1時間のところに位置するシャルトル。シャルトルのノートルダム大聖堂は中世時代から多くの巡礼者が集まった歴史的な場所。ゴシック建築の中でも最高峰としても名高いシャルトルの大聖堂は、ステンドグラスの美しさも有名です。「シャルトルのブルー」とも讃えられるほど、青のステンドグラスは圧巻の美です。
ブルゴーニュのブドウ栽培地
ロマネコンティなど高級ワインが有名なブルゴーニュのワイン畑は2015年7月に世界遺産登録されました。「黄金の丘」と呼ばれるブドウ畑は美しいのどかなフランス特有の景色。秋はブドウ畑が黄金色に染まり、うっとりとする美しい風景となります。
ナンシーのスタニスラス広場
20世紀初頭、ナンシーでアールヌーヴォーという美術運動が生まれました。植物の茎や蔓を彷彿させる曲線を自由に組み合わせるという新しい芸術様式。そんなアールヌーヴォーが現在もナンシーには残っています。スタニスラス広場はまさにアールヌーヴォーの栄華が残る華麗な広場なのです。
フランス・世界遺産の街を最大限楽しむ!ストラスブールでしたい7つのこと
【世界の可愛い雑貨】フランスのマルシェで見つけた雑貨たち/ポール・ヴァンドル編
【連載】海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第13回「心豊かに生きる秘訣がここに、フランス・アルザス地方」
ノール=パ・ド・カレーの鉱業盆地
ノール・パ・ド・カレー地方にある鉱業盆地は文化的景観として世界遺産に登録されました。世界遺産といえば美しいモニュメントをイメージしますが、こうした産業の発展の歴史的モニュメントもまた世界遺産になるのです。
ル・アーヴル、オーギュストペレによる再建都市
ル・アーヴルといえば、第二次世界大戦で最も被害を被った都市の一つ。オーギュストペレがこの街の再建都市計画をおこないました。フランスをイメージする景観の美しさはありませんが、その都市計画の優れたモデルを見ることができます。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路
スペインの聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路はパリを含む4つの巡礼ルートがあります。その中でも、街道の特定区間(ル・ピュイの道の一部)とコンクのサント・フォア修道院教会などが世界遺産登録されています。
カルカッソンヌの城塞都市
古代ローマ時代から発展した、「シテ」と呼ばれるカルカッソンヌの城塞都市はヨーロッパ最大の規模を誇ります。中世の面影がしっかりと残る城塞です。
プロヴァンス地方のポンヂュガール
ニームとアヴィヨンの中間に位置するローマ時代の水道路は1985年に世界遺産に登録されました。2000年も前に建てられたものとは思えないほど、見事な橋です。
コルシカ島のポルト湾
コルシカ島のポルト湾は世界で初めて自然部門の中で、世界遺産登録されました。赤色の断崖が特徴のポルト湾は、釣りや漁業でさえも、禁止されているほど、厳しく保護されています。人間の手が付いていないありのままの自然が感じられる場所です。
ミディ運河
トゥールーズと地中海の街セートの間240㎞を結ぶこの運河は、17世紀に造られました。大西洋と地中海との間を結ぶ、大量輸送ルートとして発展しましたが、やがて鉄道が発展するとその役目を終えました。現在はクルーズや散策を楽しむことができます。
あなたはいくつフランスの世界遺産を知っていましたか。こうしてフランスの世界遺産を見ると、フランスという国の歴史の奥深さや多様な自然に触れることができるようです。
[Rendez-vous en France]
[地球の歩き方 フランス 2016~2017]
[All Photos by Shutterstock.com]