「フランスの美しい村協会」が認定するフランスの最も美しい村は、フランスの真の魅力が感じられる場所といっても過言ではありません。150あまりの宝石のような美しい村々のうち、特に訪れたい6つをご紹介します。
リクヴィール(アルザス)
ドイツとの国境に近い、アルザス地方の村リクヴィール。フランスとドイツの文化が混じり合ったこの地方には、カラフルで可愛らしい木組みの建物が各地に残っています。
アルザスらしい伝統的な街並みの美しさから「ブドウ畑の真珠」とたたえられるリクヴィールは、魅力的な村が点在するアルザス地方のなかでも一番の人気を誇る村。
花々で彩られたカラフルな村は、目にするものすべてが可愛らしく、美しく、おとぎの世界に迷いこんだかのよう。高台から見下ろす、ブドウ畑に囲まれたリクヴィールの村は、まさに「真珠」の名にふさわしい風景です。
ストラスブールやコルマールといったよく知られた街だけじゃもったいない! アルザスの魅力が凝縮された、ぜひ訪れてほしい村です。リクヴィールのクリスマスの風景も素敵ですよ。
ゴルド(プロヴァンス)
美しい村の宝庫として知られる、南フランスのプロヴァンス地方。どこかなつかしいフォトジェニックな風景の数々が旅行者を魅了してやみません。
そんなプロヴァンスの美しい村々を代表する存在が、「天空の村」ゴルド。その比類ない美しさから、シャガールなどの芸術家にも愛されてきました。
丘の上の古城に向かってミルクティー色の石造りの家々が折り重なる光景はあまりにも美しく、幻想的で、神々しいほど。思わず時間を忘れて見入ってしまいます。
中心部にはギャラリーやショップ、カフェなどが立ち並び観光地らしいにぎやかな雰囲気ですが、中心を一歩外れると、迷路のように入り組んだ狭い石畳の路地が広がっています。中世にタイムスリップしたかのような街歩きをのんびりと楽しみましょう。
ルシヨン(プロヴァンス)
黄色顔料の原料となるオークルの丘の上にたたずむルシヨンは、白い石造りの村が多いプロヴァンス地方では異色の「赤い村」。
村の家々にもオークルが使われており、村全体が黄色から、オレンジ、ピンク、バラ色まで、さまざまなニュアンスの赤で彩られています。この村を訪れたら、天候や時間帯によってさまざまな表情を見せる「赤」の魅力に取りつかれてしまうはず。
現在、かつてのオークルの採取場跡は遊歩道として整備されており、自然の息吹を感じるダイナミックな景観を楽しむことができます。
ムスティエ・サント・マリー(プロヴァンス)
ヴェルドン渓谷の切りたった断崖のふもとにある村、ムスティエ・サント・マリー。ゴツゴツした雄大な岩山をバックにした景観は圧巻の迫力です。
17世紀に陶器の製法が伝わって以来、陶器の里として発展し、「ムスティエ焼」の産地としても知られています。
山に守られ、昔ながらの赤茶屋根の家々が連なる光景は何世紀も時間が止まっているかのよう。通りには黄色や青のペイントが施された陶器が並び、訪れる人の目を楽しませてくれます。
自然の造形と人工物が融合した独特の風景が心地よく、ただそこにいるだけで心満たされる美しい村です。
コンク(ミディ・ピレネー)
フランス南西部のミディ・ピレネー地方にある山あいの小さな巡礼の村、コンク。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く巡礼路「ル・ピュイの道」のなかでもとりわけ重要な存在です。9世紀後半に聖フォアの聖遺物がこの地に移されたことで、多くの巡礼者が村を訪れるようになりました。
急な斜面に沿って石造りの家々が並ぶ景観は、巡礼の地らしい荘厳さに満ちています。今も木の杖を手にした巡礼者の姿が見られ、巡礼路の起点であるル・ピュイ・アン・ヴレイからやってきた巡礼者たちは、この村のサント・フォア修道院教会に祈りを捧げた後、さらに西へと向かいます。
迷路のように張り巡らされた路地を散策して、神聖さとのどかさが共存する村の風景をじっくりと味わいましょう。
ブヴロン・アン・ノージュ(ノルマンディー)
パリの北西部、イギリス海峡に面したノルマンディー地方にある可愛らしい村、ブヴロン・アンノージュ。
ノルマンディー名物の林檎酒、シードルの産地である「シードル街道」沿いにあり、リンゴ畑に囲まれ、ノルマンディー特有の木組みの家々が並んでいます。
花々で美しく飾られていることでも有名で、村を歩けば、どこを切り取っても絵になるのどかな田舎街の風景に心癒されるはず。名物のシードルとガレットとともに、穏やかに流れる心地よい時間を楽しみましょう。
都会とは違ったフランスの新しい魅力がきっと見つかる美しい村。「ここに来てよかった!」と思える心豊かな時間がすごせるはずです。
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Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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