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【10年後も思い出に残る店】石巻で見つけた復興に灯火をともす人気日本料理屋

Posted by: 目黒沙弥
掲載日: Dec 30th, 2016. 更新日: Dec 26th, 2016
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宮城県石巻にひっそりと佇む一軒の日本料理店「四季彩食 いまむら」。なんと開店4年目にして今や予約も取るのが難しいほどの繁盛店へと成長したこの料亭ですが、特筆すべき魅力は料理だけにはとどまりません。お客さんはもちろん、地元の人たちからも愛されるその理由には、様々なドラマが隠されていました。そんな来る人すべてを惹きつけてやまない、「いまむら」の魅力に迫ってみたいと思います。


きっかけは「3.11」

【10年後も思い出に残る店】石巻で復興に灯火をともす日本料理店

(C) Saya Meguro

2011年の東日本大震災でボランティアとして石巻入りした、店主の今村正樹さん。それまで那須や東京・銀座の料亭で修行を積んでいた今村さんですが、ボランティアでは震災の被害を受けた店舗を再生するチームに配属され、精力的に活動をしていました。長期に渡り石巻の人々と交流を深めていくうちに、親しい知り合いが多くできたという今村さん。

「いずれ自分の店を」を独立を考えていた今村さんではありましたが、石巻で活動していくうちに人の温かさと食材の良さに気付き、やがて「石巻でお店を開きたい」と思うようになったのです。開店を決意してからというもの、人柄の良さで培ってきた人望の厚さから、地元の人を含む仲間たちは総出で応援。これが繁盛店「いまむら」のスタートでした。

すべてが手作り

【10年後も思い出に残る店】石巻で復興に灯火をともす日本料理店

(C) 四季彩食 いまむら

格式が高いはずの日本料理屋でありながら、実際「いまむら」に一歩足を踏み入れるとまず感じるのは、どこか懐かしささえ感じてしまうような居心地の良さ。木のぬくもり、お客さんの笑い声、柔らかい照明がその雰囲気を作り出しているのかもしれませんが、なによりも大きな理由は「手作り」というところにあるのかもしれません。

そう、実はこのお店は店主やその仲間たちがすべて自らの手によって作り上げた、まさに熱い思いの結晶そのものなんです。「和」を基調としていながら、モダンで洗練されたセンスが店内の至るところに散りばめられています。

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テーマは地産地消

【10年後も思い出に残る店】石巻で復興に灯火をともす日本料理店

(C) Saya Meguro

今村さんは自分の使う食材において、生産地まで足を運ぶところから交渉、仕入れまですべて自分の手にかける徹底した姿勢を貫いていますが、そこにも「あるこだわり」が隠されています。それは石巻を愛し、この地に根付いた今村さんだからこそのこだわり。

実は料理の素材として使うのはできるだけ「石巻産」か「宮城県産」の食材たち。ボランティアとしてこの地へやってきたときから変わらずに、今このときも今村さんが石巻の活性化を願う気持ちは少しも揺らぐことはありません。筆者は北海道出身でありますが、実際石巻産の食材はとても鮮度が良くどれを取っても驚くほどのクオリティの高さで、今村さんが惚れ込む理由にも頷けます。

【10年後も思い出に残る店】石巻で復興に灯火をともす日本料理店

(C) 四季彩食 いまむら

そして料理の味を一層引き立たせてくれ、楽しい気分にさせてくれるお酒だって、石巻の地酒たち。もちろん他の地域のものもありますが、地元の人たちにとってはこういう心遣いは嬉しいものです。時期によっては限定醸造している希少価値の高い「宮寒梅新酒」なども揃えている内容の充実ぶりなので、お酒好きにもたまらない一軒になりそうです。

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五感で楽しむ料理たち

【10年後も思い出に残る店】石巻で復興に灯火をともす日本料理店

(C) 四季彩食 いまむら

名前の通り四季を感じる美味しい旬の食材を使った料理が自慢のお店。味だけではなく見た目や匂いにもこだわり、まるで運ばれてくる料理がすべてアートのような出来栄えです。五感で楽しませてくれるという料理には、日本人だけでなく外国人までが大喜び。

店主のセンスが光る料理が目の前に運ばれてくると、店内には感嘆の声があがります。そして口に運んだ途端、口いっぱいに広がるのは季節の喜び。自然と顔がほころんでしまいます。

繋がりを感じるお店

【10年後も思い出に残る店】石巻で復興に灯火をともす日本料理店

(C) Saya Meguro

このお店には仕入先の人たちが来ることもあり、実際にカウンターにはボランティアとして店舗再生でも関わり、その後「いまむら」に精肉を卸しているという近くのお肉屋さんのオーナー夫婦の姿も見えました。カウンター席で楽しそうに日本酒をクイッと飲んで一言、「こいつは良い奴でさ」。その一言が、どれだけ今村さんがこの地で信頼関係を築いてきたのかを物語っています。

料理も店主のセンスが光る創作料理が多く「なぜ石巻で?」と思ってしまうほどの腕前なのですが、一番の彼の思いにあるのは「復興」という二文字。どうしても風化していってしまう問題を、「自分なりにできる形で」と実現していくこのお店の魅力は料理という枠組みを越えたもの。

帰ってきてもまたすぐに行きたくなるほどの美味しさで、料理を通して「感動」すらしてしまうそんな日本料理店「四季彩食 いまむら」。2017年は大切な人と一緒に訪れてみてはいかがでしょう。

四季彩食いまむら(しきさいしょくいまむら)
住所:〒986-0822 宮城県石巻市中央2-7-2
電話番号:0225-90-3739(予約必須)
営業時間:18:00~23:00(LO22:00)
定休日:日・祝日

目黒沙弥

Saya Meguro ライター
北海道出身。NZや日本をヒッチハイク縦断してみたり、ヒマラヤに登ってみたり、スペインで盗難に遭ってみたり。とにかくワクワクすることがすき。将来の夢は湖畔のちかくに家を建てて、動物と自然に囲まれて暮らすこと。

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