フランスの城が多く集まるロワール川に少し変わった城があります。日本でも城主といえば男性をイメージしますね。シュノンソー城は「貴婦人たちの城」と呼ばれ、六人の奥方が代々城を守ってきたのです。そんなシュノンソー城とは、どんなお城なのでしょうか。
女性たちによる数奇な歴史のあるお城
カトリーヌ・ブリソネにより1513年に建設されたシュノンソー城。その後長らく国王の愛人だった永遠の美女と呼ばれるディアーヌ・ド・ポワティエによって、庭園やアーチ型の橋が作られました。フランス革命の際には多くのお城が取り壊される中で、5代目城主マダム・デュパンのおかげでシュノンソー城は破壊行為から守られたと言われております。修復などは行われていますが、現在も当時の姿が保たれているお城です。
湖に映る美しい城
シュノンソー城の魅力といえば、やはりロワール川にシンメトリーのように映る美しい姿。晴れた日は清々しいほど川に城が映えます。ルネッサンス様式のこのシュノンソー城は優雅で気品があるように感じられます。文豪フローベールが「その静けさは飽きることが無く、その憂愁たる姿は苦渋の色がない」と讃えたそう。心に焼きつくような美しさです。
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女性らしさが感じられる庭
シュノンソー城の庭を見ると他のお城の庭とは違うように感じられます。フランス式庭園とはいえ、例えば、ベルサイユ宮殿の庭と比べると、シンメトリーの庭であっても、女性らしさがあるように思われます。美しい花が庭を彩り、気品の中にどこか優しさが見え隠れする、そんな庭です。
城内
シュノンソー城の中に入ると当時の豪華絢爛さを堪能することができます。城内は絵画の巨匠作品や豪華な家具や調度品で装飾されていて、貴族文化を体験することができる場所なのです。
女性が代々城を守ってきたというその歴史も興味深い、シュノンソー城。ロワール川のお城散策には欠かせない場所です。
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