海外で財布を盗まれるというのは、旅の失敗談の中でも多いことではないでしょうか。フランス在住歴10年の筆者もまたパリで財布を盗まれる失態を犯しているのです。オルセー美術館でスリにあった時のことをお話ししたいと思います。
まさかオルセー美術館で
今から10年前、まだフランスの地方都市に住んでいた時に、週末パリに旅行で行きました。その日は朝から第六感が働き、「そういえばパリはスリが多い街。気をつけなくてはいけないなぁ」と思い、2ユーロショップに行って、首から下げるパースケースを購入しました。そしてオルセー美術館に向かったのです。
お気に入りの絵画など見てまわり、エレベーターを降りたところで、若い男の子が微笑みを投げかけてきたのです。なんだか不気味に感じました。フランス人特有のナンパのための微笑みとはほど遠く、どこかしてやったりという得意顔。
「おかしいなぁ」と思いながら、カバンにふと目をやりました。するとチャックが全開に! 慌てて、鞄の中身をチェックしました。祖母に買ってもらった10年ほど愛用している大事な財布がないのです! 盗まれたー!
財布はその後いかに?
パニック状態になりながらも、オルセー美術館の職員さんの元に向かいました。職員の方によると残念ながらオルセー美術館はスリが多いとのこと。スリは中身だけ抜いて、財布はその場で捨てることが多いから出てくるだろうと言われました。
もし出てきたら郵送してくれるとのこと。その場で財布の形や色を説明をして、用紙に住所などを記入していました。その時です。他の職員さんが私の財布を持ってやって来ました。私の財布が無事戻って来たのです!
第六感のおかげで、クレジットカードと現金はパスケースに入れていたので、何も盗まれずには済みました。財布にはコインしか入っておらず、スリも期待外れだったのでしょう。コインは財布に残ったままでした。
さて、その後も何度もスリに合いました。はたして・・・?
その後、何度もスリに合いましたが
自分は長年フランスに住んでいるから、慣れっこになっているけれど、スリから見れば現金を持ち歩いていそうな日本人です。カバンと財布をチェーンで繋ぐようにして、財布をすられないように気をつけています。
その後地下鉄などで、何度もスリは私の財布を盗もうと試みましたが、未遂に終わっています。盗もうとしても、カバンに財布が繋がれた状態に、バツが悪そう。それでもパリのスリは走って逃げることはしません。自分は何もしてないと言わんばかりに、知らん顔を通しています。くれぐれも海外ではスリ対策を気をつけるようにしてくださいね。
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