この食べ方、何がマナー違反かわかりますか?〜旅のマナークイズ【3】日本料理編〜

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Feb 20th, 2017

TABIZINEライターの坂本正敬です。新連載は「旅のマナーに関する」クイズ形式のコラム。クールジャパン講師会の会長であり、国内外で講習・研修を行う椎屋美根子さんから教えてもらった、さまざまな場面で役立つ正しいマナーをご紹介していきます!

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第3回は日本料理の食べ方について。立派な宿に泊まると、かなり本格的な日本料理を食べる機会もありますよね。あるいは旅先の格式高い名店で、食事をする機会もあるかもしれません。その際、胸を張って日本料理を楽しめますか?

意外に日本人も悩んでしまいそうなポイントを中心にクイズ形式でまとめましたので、ぜひともチェックしてみてくださいね。タイトルのクイズの答えは、4番目に紹介していますよ。

1:器は左手で取る? 右手で取る?

旅のマナーに関する連載クイズ【3】日本料理編・器は右手と左手どちらで取る?

最初は器について。西洋料理と違って、小さい器であれば持って食べてもいい日本料理。この器は右手で取るべきなのでしょうか? 左手で取るべきなのでしょうか? 無意識に手にしていると思いますが、いかがですか?

正解は器に近い方の手。例えば自分の正面から見て右側にある器は右手で。左側にある器は左手でといった感じですね。

その理由として、例えば左手で右側の器を取ると、袖が料理の上をまたぐ形になります。袖口が触れる上に、料理の空間を覆い隠して妨げる形になってしまうからですね。

ちなみに右側の器を右手で取った場合は、器を左手に持ち替え、右手ではしを持ち上げるといった流れになります。左側の器を左手で取ったら、次に右手ではしを取ります。併せて参考にしてみてくださいね。

2:はし置きがないとき、はしは机の上に置く? 器の上に置く?

旅のマナーに関する連載クイズ【3】日本料理編・器は右手と左手どちらで取る?

日本人が使い慣れているはし。食事中に使わないときはどこに置いていますか? はし置きがあればその上ですが、はし置きがない場合は、どうすればいいのでしょうか?

例えば茶わんの上に置く人も少なくないと思いますが、この行為は「渡しばし」といって、礼儀作法としてはNG。はし袋があれば、折りたたんではし置き代わりにしてください。はしの袋すらない場合は、小さな器の縁に、はしの先を立てかけるような感じで置くといいみたいですね。

3:料理は好きなものから食べていい?

旅のマナーに関する連載クイズ【3】日本料理編・器は右手と左手どちらで取る?

最初から並んでいる会席料理などを前にすると、好きなものから好きなように食べていいような気がしますが、何か正式な順序はあるのでしょうか?

日本料理は一般的に左側に薄味の料理が配置されているため、左側から食べるといいそう。最初に濃い味の料理を食べてしまうと、薄く繊細な料理を食べても、その味わいを十分に満喫できないからですね。

4:焼き魚は好きな場所から食べていい?

旅のマナーに関する連載クイズ【3】日本料理編・器は右手と左手どちらで取る?

次は焼き魚。魚をきれいに食べられないという人はきっと少なくないと思いますが、いかがですか? そもそもどこから食べるなど、何かルールがあるのでしょうか?

まず切り身魚に関しては、左側の腹の方からが正解。尾頭付きで横たわっている焼き魚・煮魚は上側(背に近い方)から食べると、奇麗に食べられるそう。そうなると写真の食べ方はマナー違反になりますね。上側の身を全て食べたら、裏返さずに頭と中骨を外して、魚の向こう側にまとめて置きます。その上で下の身(腹側)を食べるのが正しい順序。例外として、尾頭付きのアユに関しては腹の側から食べます。

以上、日本料理の食べ方について、意外にも知らない部分をクイズ形式でまとめました。「ええ、なんだか面倒くさい・・・」「堅苦しい」という人も居るかもしれません。しかし本来、和食の作法はより美味しく、美しく食べるための食べ方。そう思えば、「ちょっと頑張ってみようかな」と思えるのでは?

ちなみに日本料理の一種としてすしを食べる場合、白身などの淡白なネタからはじめて、濃いネタ、最後にさっぱりとした巻きものを食べて終わると満喫できるそうです。日本人としては普段から使う知識ですから、完璧に自分のものにしたいですね。

旅のマナーに関する連載クイズ【3】日本料理編・器は右手と左手どちらで取る?

[取材協力:椎屋美根子。クールジャパン講師会・会長。海外でのVIP接遇を経て、プロトコール(国際儀礼)を身につける。2011年、人材育成事業「Office Heartful Manner」を起業し、国内外において講習、研修などを行う。主な著書『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)など]
[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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