2017年2月9日ニューヨーク・ファッションウィークで、日本人デザイナー Tadashi Shoji氏の2017年秋冬コレクションが行われました。
Tadashi Shoji氏のドレスは「女性を最も美しく見せるデザイン」と言われ、ミシェル・オバマ前大統領夫人やハリウッドの女優など多くのセレブが公式の場で愛用しています。ミス・ユニバース世界大会のオフィシャルデザイナーも務められました。
CFDA(アメリカ ファッションデザイナーズ協議会)のメンバーに選出されており、米ファッション界の代表的なデザイナーとして日本よりアメリカの知名度が高いかもしれません。
そのデザイナーのバックステージとは。
複数名がかりで準備
ショーを掛け持ちで、駆け込んできたモデルには、出番に間に合うようスタッフが取り囲みます。
3−4名のスタッフに、メイク、ヘア、マニキュアをいっぺんに施されるためです。
デザイナー毎にヘア、メイク、マニキュアは異なりますので、モデルさんはメイクされたり落とされたりを毎日何度も繰り返します。髪や肌に対する負担が大きく、休みの日には肌を休めるためにノーメイクのことが多いようです。
2017年秋冬コレクションのテーマは、“love revolution”
革命と反乱の時代60-70年代がテーマ。モデルたちは一様に前髪を下ろし、下まつげを強調したレトロメイク。
ヘアメイクが完了して、ショーの出番を待つモデル
Tadashi Shojiのコレクションは、使用するモデルが良いことでも知られており、2017年秋冬コレクションも一流モデルばかりです。
とはいえ、モデルも人の子。もれなく、SNS好きのようですね。
仕上がりをチェック。
TADASHI SHOJI
タダシ・ショージ/庄司 正
宮城県仙台市に生まれ高校まで過ごす。芸術を愛し、前衛芸術家高松次郎氏に師事する。
1973年に、アメリカ・ロサンゼルスに渡り、エルトン・ジョン、スティービー・ワンダー、ニール・ダイアモンド、ジャクソンズ、コモドアーズそしてアースウィンドアンドファイヤー等のステージ衣裳を手がけるハリウッドのコスチュームデザイナー、ビル・ウィットンの下で働き、ここでの経験によってファッション界の大きなパワーに影響を受け、芸術的要素を盛り込んだTADASHI独特のデザインであるイヴニングウエアも手がけ始める。
1982年、TADASHI SHOJIを設立。
準備を終えて、ランウェイへ
バックステージで準備が出来たら、颯爽とランウェイへ。
日系モデルも
日米ハーフのモデル、松岡モナさんもランウェイに登場。
60-70年代を意識したコレクションは、TADASHI SHOJI氏のルーツでもある70年代のハリウッドのコスチュームを感じさせます。
意思表示の白いバンダナ
ショーの最後にモデル全員が出てきた時には、白いバンダナが手首に巻かれていました。
反移民のトランプ政策に対し世界中が不安に揺れる今、BoF(Business of Fashion)の編集長で発起人のイムラン・アメド(Imran Amed)が『#TiedTogether』への賛同を呼びかけたのです。「人種や性別、性的嗜好や宗教に関わりない、人類の団結」の象徴として白いバンダナを身につけて、結束と連帯を深めようと。トミー・ヒルフィガーTOMMY HILFIGERやプラバル・グラン Prabal Gurungのショーではモデルが白いバンダナを着用して登場したほか、カルバン クライン Calvin Kleinでは、ショーの招待状と共に白いバンダナが配られたそうです。
ランウェイトップバッターのモデルの腕、そしてTADASHI SHOJI氏の首にもスカーフは巻かれていたのです。
デザイナーやモデルなど81人のファッション業界関係者の動画「私は移民」I Am an Immigrant: 81 Fashion Celebrities Stand Together など、ファッション界からメッセージが発信され始めています。
[All Photos by Hideyuki Tatebayashi]
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