日本には新幹線から機関車、寝台列車まで、さまざまな鉄道が走っています。さらには風光明媚(めいび)な観光地を走るトロッコ列車もたくさん。
トロッコとは辞書を調べると、土木工事用の資材や人材を運ぶ手押しの台車で、一般の鉄道よりもシンプルな設計で作られた線路上を走る乗り物になるのだとか。芥川龍之介の世界ですね。その特徴を生かしながら観光用に整備した乗り物が、いわゆる観光地のトロッコ列車になります。
そこで今回は全国を走るトロッコ列車の中でも、絶景の国立公園や国定公園内を走る美しいトロッコを紹介したいと思います。
1:くしろ湿原ノロッコ号(北海道釧路市)
最初は北の大地、北海道のトロッコ電車を紹介します。JR北海道は幾つかのルートでトロッコ電車を走らせていますが、その第1号となった路線が、北海道東部を釧路から網走に向けて縦断するJR釧網(せんもう)本線の一部になります。日本一遅い列車というキャッチフレーズで登場した『くしろ湿原ノロッコ号』ですね。
釧路と言えば釧路湿原国立公園が有名です。その湿原を釧路から出発し、トロッコ電車で景観を楽しんで帰ってくるコースが用意されています。車窓からの美しい景色はもちろん、途中で停車する無人の釧路湿原駅から10分ほど歩けば、有名な細岡展望台の湿原の大パノラマが楽しめます。冬の間は運行していませんが、温かくなるころに出かけてみたいですね。
2:黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)
次は富山県の東部、中部山岳国立公園内を走るトロッコ列車『黒部峡谷鉄道』ですね。日本で最も深いと言われる北アルプスのV字の峡谷に設けられた20.1kmの路線を進むトロッコ列車として、世界中から多くの観光客を集めています。
こちらは歴史が古く、スタートは大正時代にまでさかのぼります。黒部ダムで有名な黒部川流域の電源開発のため、資材を運ぶ目的で敷設された路線。その後、昭和になって一般にも開放され、一大観光地として認知度が高まりました。
3:トロッコ列車 ゆうすげ号(熊本県南阿蘇村など)
(C)熊本県
最後は熊本県南阿蘇村などを走る南阿蘇鉄道『トロッコ列車 ゆうすげ号』。こちらは全路線が阿蘇くじゅう国立公園内を走っています。スタートは昭和61年、全面リニューアルの新トロッコ列車が平成19年に再登場しました。
烏帽子岳など阿蘇五岳の美しい山容を窓ガラスのない客車で眺められる絶好のロケーションが売りで、多くの観光客を集めています。
特に桜、紅葉のシーズンは人気。冬は運行していませんが、春や秋をめがけて熊本観光に訪れてみたいですね。「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」と、日本一名前の長い駅が沿線にあるなども話題となっています。
熊本と言えば4月16日に大きな地震がありました。震災の影響でしばらく運休していたようですが、7月31日をもって運転を再開しています。
また、北海道の網走国定公園の一部を走る『流氷物語号 』は流氷を間近に眺められる観光列車。もともと同路線には『流氷ノロッコ号』というトロッコ列車が走っていました。その列車が残念ながら廃止になり、2017年1月から新たな観光列車として『流氷物語号』がデビュー 。
他には国定公園つながりで、徳島県の剣山国定公園内を走る観光列車『四国まんなか千年ものがたり 』も注目です。こちらも以前は『絶景!土讃線秘境トロッコ』という素晴らしいトロッコ列車が走っていました。その代わりとして2017年の春から『四国まんなか千年ものがたり 』がデビューします。
最後に紹介した2つともトロッコ列車のように窓ガラスがない客車が売りではありませんが、周囲の風景を満喫できる設計になっています。併せてチェックしてみてくださいね。
[流氷観光期間に「流氷物語号」を運転します – JR北海道 ] [土讃線新観光列車の名前とデザインが決まりました! – JR四国 ] [Photos by Shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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