上司と話すこの男性、何がマナー違反かわかりますか?〜旅のマナークイズ【6】席次編〜

Posted by: 坂本正敬

掲載日: May 19th, 2017

TABIZINEライターの坂本正敬です。「旅のマナーに関する」クイズ形式の連載コラム。クールジャパン講師会の会長であり、国内外で講習・研修を行う椎屋美根子さんから教えてもらった、さまざまな場面で役立つ正しいマナーをご紹介していきます!

最終回は盲点の席次について。旅行に出ればタクシーや飛行機、電車などさまざまな交通機関に乗り込みますよね。宿泊先に旅館を選べば、和室でくつろぐ時間もきっとあるはず。

気を遣う必要のない友達同士で出かける旅であればいいですが、会社の上司や先輩と出かける出張や社員旅行、学生時代の先輩後輩と出かける旅行などでは、移動中や旅館での席次にちょっとした注意が必要になってきます。タイトルのクイズの答えは、2番目に紹介していますよ。

旅のマナーに関する連載クイズ【6】席次編・飛行機の上座ってどこ?

そこで今回は旅の途中で想定されるシーンについて、どこが上座になるのかクイズ形式でまとめたいと思います。

Q1・・・タクシー移動の上座は助手席? 後部の奥? 手前?

旅のマナーに関する連載クイズ【6】席次編・飛行機の上座ってどこ?

空港や駅から目的地までの移動手段として、タクシーを選んだとします。皆で乗り合わせる場合、どこの席が上座になるのでしょうか?

合計4人でタクシーをつかまえました。後部座席に3人、助手席に1人乗り込むとしたら、後部座席の奥(運転席の後ろ)が最上位、その次が後部座席の手前(助手席の後ろ)、そして3番目はその両者の真ん中の席になります。助手席は4番目。最も立場が低い人が乗り込んだ方がいい場所なのだとか。

手慣れた感じで旅の同伴者を最適な席に導いてあげられると、かっこいいですよね。

Q2・・・新幹線や飛行機の上座は窓側? 真ん中? 通路側?

旅のマナーに関する連載クイズ【6】席次編・飛行機の上座ってどこ?

次は旅の主な移動手段である電車と飛行機を考えてみましょう。飛行機や新幹線はエコノミーや普通車の場合、三列シートで窓際、通路側、真ん中と席が用意されていると思います。この場合、どこが上座で、どこに目上の人を座らせるといいのでしょうか?

正解は進行方向を向いた窓際が最上位。次に通路側が来て、真ん中の席が3番目になります。真ん中の席は一番窮屈だからですね。

そう考えると上の写真の場合、上司である(と仮定した)女性を通路側に座らせているのでマナー違反です。また、椎屋さんによれば、

「飛行機でも電車でも、上座は窓際となりますが、欧米ではレディファーストで窓際に女性を座らせることが多く、上下関係よりも重要視することがあります」

との話。そうなると女性を窓際に座らせていない意味でも、男性は二重にマナー違反をしていると言えます。

一緒に旅するメンバーの性別や年齢、上限関係を考えながら、柔軟に対応したいですね。

 

Q3・・・旅館の客室での上座はどこ?

旅のマナーに関する連載クイズ【6】席次編・飛行機の上座ってどこ?

最後は旅館などに泊まって、和室でくつろぐ際の席順について。上座は入り口から遠い場所だとご存じの方も多いと思いますが、さらに細かく言えば床の間の前が正解。4人で長方形の机を囲み、対面で2人ずつ座るとすれば、入り口から最も遠く床の間の前に座る人が1番で、その隣が2番目の席。

旅のマナーに関する連載クイズ【6】席次編・飛行機の上座ってどこ?
机を挟んで上座の正面が3番目。その隣で入り口に近く、最も床の間から遠い席の人が4番目になります。食事を食べる際の席順決めなどにも役立ててみてくださいね。

以上、大まかにですが、旅で必要な席順の知識を紹介しました。そんな知識、堅苦しくて旅行には必要ないと思うかもしれません。ただ、知っていて損はありませんよね。旅行のみならず、日々の生活にも生かしてみてくださいね。

旅のマナーに関する連載クイズ【6】席次編・飛行機の上座ってどこ?

[取材協力:椎屋美根子。クールジャパン講師会・会長。海外でのVIP接遇を経て、プロトコール(国際儀礼)を身につける。2011年、人材育成事業「Office Heartful Manner」を起業し、国内外において講習、研修などを行う。主な著書『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)など]
[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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