はじめてシチリア料理にハマったのは、チェファルーのおばあちゃんのやっている小さな店でトマトソースのパスタを食べたとき。唐辛子の辛みが効いたそのソースは、なんと砂糖がしっかり入って甘辛かったのです。
その後そこまで甘いトマトソースには出会えていませんが、「地中海の十字路」と言われるシチリア料理の神髄は、思いがけない味付けがあるように思います。
今回は、夏のシチリアで食べたいもの7選をご紹介いたします!
いわしのパスタ/Pasta con le sarde(パスタ・コン・レ・サルデ)
イワシがごろごろしたいかにもシチリアなパスタ。
(c)Shio Narumi
こんな風にイワシ感がないものも。でも味はちっとも地味ではないという意外さ!
いわしの旨味をトマト・にんにく・アンチョビ・松の実が支えつつ、干しブドウの強い甘味、フェンネルの香味がブカティーニという太めの麺にしっかり絡みます。しょっぱめのお店もありますが、甘めの仕上がりの方が美味しいです。
パン粉のざらざら、ざくざくとした食感もやみつきになるのですが、夢中になって食べるとむせるのご注意を。
魚介の前菜盛り合わせ/Antipasto misto di mare(アンティパスト・ミスト・ディ・マーレ)
(c)Shio Narumi
「いろいろなものを少しずつ」を叶えてくれるのが前菜盛り合わせ。魚介の場合は生の海老が出てくることが多く、日本人にはうれしいメニューです。
左下はカジキ。ミントを添えられていることが多いのもシチリアな印象。カジキの出場頻度はとても高く、お店の人におすすめメニューをきいてもカジキのことが多くて、いつの間にか苦手意識がなくなりました。
左上の赤いものはまぐろの生ハムだったかと思います。魚のすり身もうれしいですね。
次はシチリア滞在中5回は食べたというあのメニュー。
ウニのパスタ/Spaghetti ai ricci di mare (スパゲッティ・アイ・リッチ・ディ・マーレ)
(c)Shio Narumi
少なくとも5回はシチリア各地で食べました。ウニを食べたいという願いが叶う幸せ! テーブルに着くまでに割と熱が通っていることもあります。これはウニがちょびっとですが、色合いがいいですね。
(c)Shio Narumi
トマトが入っているパターンも。
魚介のフリット/Fritto misto di pesce(フリット・ミスト・ディ・ペッシェ)
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いわしとか海老とかいろいろ入ったフリットです。ビールのお供に最適! これは衣にしょうがの香りがついた特別バージョン。レストランではてんぷらという名前でメニューに載っていましたが、実際はフリットでした。
いかの詰め物/Calamari ripieni (カラマーリ・リピエニ)
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中にはゲソやパン粉、チーズがクリーミーに収まっていて、外にはたっぷりのトマトソース。そして少量にみえますが、この緑の水玉、バジルのソースが完璧なバランスの仕上げになります。店員さんの無愛想さが残念に思っていたのもふっとぶ旨さ!すっかりご機嫌になりました。
ジャッレターナの玉ねぎ/Cipolle di Giarretana(チポッレ・ディ・ジャッレターナ)
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ラグーザという地域のメニュー。6~8月の間にしか採れない玉ねぎだと言っていました。日本の新玉ねぎみたいなものだと思います。甘くて、トロトロです。美味しすぎて写真がぶれるくらい感動したので、作り方をききました。チーズをすりおろしたもの、塩、こしょう、オレガノ、少しのオイルをかけてオーブンで焼いているそうです。それだけとは思えない深みのあるあじわい。
野菜のオーブン焼き/Arosto delle verdure(アロスト・デッレ・ベルデューレ)
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ついつい魚介ばかり食べすぎていると思い、期待なくオーダーした一皿。単にオレガノと塩で味付けられているだけなのに、イタリアの野菜の味が濃いせいなのか、美味しさに固まりました。
食べなくてもいいと思われるもの
まぐろ街トラーパニで食べたまぐろのスモークは塩漬けでかなりしょっぱいです。またトラーパニの魚のクスクスはがとてもマイルドでパンチ不足。いずれも個人的にはですが無理して食べなくてもよいかと思いました。
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